【期末テスト】赤点？留年？？春雷、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？留年？？春雷、四日間の死線＜物語編＞

　楡宮遠海は試験中、雷の音に身を竦ませた。
（うう。さすがに集中力が）
　外は大荒れ、しかも雷の影響で停電中。妙に薄暗い教室でテストをうけるはめになっている。
　何より寒いので、不快感が半端ではなかった。
（さむ。ん？　この問題、朝復習したところだわ）
　昨日から今日の朝にかけて、復讐したところがそのまんま出ていた。狙っていたけではないが、当たったようだ。今回のテストはそれなりの点数が取れそうでほっとする。
　このテストを乗り切ればもうすぐ春休み。
　補習や追試などが入ってしまうと、参加しているガールズバンド「衝撃少女」の活動に支障が出てしまう。
（気合入れないと）
それから寒さと雷の音を何とか凌ぎ、テスト期間は終了した。
　早速食堂へ。
「すみません」
　食堂の職員さんが遠海へ視線を向けて来る。
　テスト期間中だからか、メニューが増えているような。普段ない料理名は記載されていた。神魂の影響だろうか。
「カレー、ラーメン、うどん、そば、日替わり定食、スパゲティナポリタン、カルボナーラ、ピザ、グラタン、ドリア、全部小盛でお願いします」
　少しづつ食べられるように、量は押さえたつもりだが、トレー五つ分になり、それを食堂のテーブルで広げた。
「頂きます」
　手を合わせて、それらをゆっくりと食事を開始した。
　周りから声が聞こえてくる。

「あの子、すご……」
「二年の楡宮さんだっけ？」
「あのお腹のどこに入ってるの？」

　遠海は早食いはせず、一つ一つ丁寧に平らげて行く彼女の姿は目立っていた。

「食べ方綺麗」
「本当にあの量行けちゃいそうだよね」
　目いっぱい食べて今日一日の疲れを癒すのだった。