【期末テスト】赤点？留年？？春雷、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？留年？？春雷、四日間の死線＜物語編＞

　稲積柚春はウォルター・Bの家にて紅茶を楽しんでいた。
　テスト期間が終わり、今日は久しぶりに会った。
「来てた3年生がいたの？」
「あぁ、きちんと伝わっていなかったらしくてねぇ。まぁ、初日からカオスだったから些細なことで済まされたんだけど」
　苦笑を浮かべるウォルターは紅茶を一口。
「2年生の教室も文化祭の仮装大会みたいになってたけど。3年生は？　うん、水着とかバニーガールとかたくさんいたね。すぐ帰った子もいたけどねぇ」
　柚春は笑うしかない。
「僕、テストを受けるためのドレスコードかと思って焦ったんだけど、気づいたらエプロンつけて部屋着だったんだ」
「やっぱり無意識にみんな私服だったんだねぇ」
　柚春は少し考えて、
「ワットが試験の監督だったら、僕はメイド服で行ったんだけどな？」
　ウォルターは口につけた紅茶ぶはっと噴き出しそうになって、咳き込んだ。
「ごほっごほ……」
「大丈夫？」
「いやまぁ、ちょっとそれはね、寒いだろうし」
「水着とバニーガールのほうが寒くない……？」
「そういえば柚春はテストの結果はどうだった？」
　あからさまに話をそらしてきたが、
（そういえば前にメイド服止められたっけ）
　苦手なのだろうか。
「稲積？」
「あ、うん。ほぼ平均点。やっぱり数学が苦手で」
「英語は？」
　ウォルターがからかうように言ってくる。
「それはかなり頑張った。授業での英語より日常会話を上達させたいな。だからワット、僕だけに個人授業してほしい。放課後に」
「ははは……英語の指導なら、もちろんねぇ」
「ん……？　もちろん、英語の指導だけど」
「分かってるよ〜。うん、でもその言い方はちょっと想像力をアップさせるから僕以外にいうのは禁止だからねぇ？」
「よくわからないけど、うん。分かった。ワットに教えてもらいたいから他の人には言わないよ」
　そして、そのままお疲れ様会をすることに。
「何食べたい？　ワットの好きなもので良いよ！」
　教師としての彼を労って上げたい。

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