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霧とライト
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「なんでもできると思っとった人にも、苦手なところがあるってわかると嬉しくなりませんか?」
七瀬は素で言ったつもりだった。
けれど瞼の裏に浮かんでいるウォルターの顔のせいで、どこか恥じらい交じりに親指同士を交わらせていた。
アツシは怪訝な顔をした。
「そうか?」
「えっ、なりません? 遠い存在じゃなくて、あの人も僕と同じ人間なんだなぁって」
「えっ、あいつべつに遠い存在じゃないし」
「ああ……遠い存在じゃないから喧嘩するんですね。たしかにそうです」
謎の納得をした七瀬に、アツシはまた首を傾げる。
「なに? ナナセは、そいつに憧れてるの?」
「そうかもしれません……よくわかりません」
「わかんないのか」
「近くに居たいって思うだけです。隣にいたい、って……あの、物理的に、じゃなく、精神的にと言いますか……いえ、物理的にも近くに居られたらよりよいのは間違いないんですが……」
「よくわかんない」
「わかんないですよね……」
自分でもよく分からないのだ。アツシに伝わらないのも致し方ない。
「わかんないけど……ナナセが言うそいつの話は何か気になる」
そこまで言って、じっと黙り込むのは、七瀬の言葉を待っているからだろう。
七瀬はウォルターのことを思い出して、『なんでもできる』ということに関する自らの考察を述べた。
「アツシの友だちだって、やっぱり『なんでも』はできないですよね」
「……たしかに」
「本当になんでもできる人なら、友人とケンカしてもすぐに謝れます、きっと」
「……」
アツシは唇を噛んで俯く。友人とケンカして謝れないのはアツシ自身も同じだ、と気づいたのだろう。
なんでも、は出来ないのも。
アツシ少年は、無力感と万能感をカードの裏表みたいに併せ持っている年頃だった。
なんにもできない、という思いの裏側で、なんでもできると信じている。
だから、年上の七瀬の言葉に、矢で撃たれたような思いになり、口をつぐんだのだ。
その気持ちは、すでに十代半ばを経験して来た七瀬にはよく判った。
母親や父親でもない、同年代の友人でもない、すこし年上の男である七瀬だけの言葉を伝えること。
それがアツシの心に響くだろうことに……、
「どっちが悪いのかはわからんけど、先に謝れたほうが僕はカッコいいと思います」
うっすらと気づきながらも、素のままに、七瀬は言った。
「友だちより先にガツンと謝ってカッコいいところ見せてやりましょう!」
えいえいおー、と拳を上げる。
アツシは……ぽかんとした目で七瀬を見ていた。
何言ってんの、と眼差しが語っている。
(ふむん。いたたまれない……とはこういう気持ちのことなんですね)
分かっている。
七瀬だって十代なかばのときにそう言われたら、簡単に胸打たれた、とはならないだろう。
「……ガツンと謝る、は変な表現だったかな……」
七瀬は気まずそうに頭を掻いた。
「僕らまだ出会ったばかりなのに、説教じみたこと言ってすみません」
えいえいおー、より、やらかした猫みたいなその顔のほうが、アツシの心には届いたらしい。
アツシはぷっと噴き出した。
「面白い人だなー。ガツンと謝る。その言葉、オレがもし教師になったら、生徒に使ってみるわ」
「教師に? アツシ、教師になりたいんですか?」
七瀬はぱあっと顔を輝かせる。
「またまた奇遇ですねぇ。僕も司書教諭になりたくて、勉強中なんですよ」
「そうなのか。司書教諭……って図書室の先生?」
「それだけではないでしょうけど、本と教育、両方に携わる人でしょうか」
「本、好きなのか?」
本は好きだ、と七瀬は言った。
好き、という言葉では括れないほどだ。七瀬にとって本を読むとは、食べることと同じくらいの意味を持つと言っていい。それなしに生きることは到底無理だろう。教育は……いつから興味を持っただろうか。もしかしたらウォルターが教師という職に就いていた……彼という存在に感銘を受けた……彼が歩んだ道を知りたいと思った……そういったことが要因であるのかもしれない。
アツシは、へーっ、と七瀬の言葉に頷いた。
「オレがなりたいのは司書とかじゃなくて、ふつうに子どもに1+1は、とか、ABCとか、教える先生だけど。何かひとの役に立つ仕事がしたくて」
アツシのまっすぐな瞳が、なんだか眩しい。
アツシはきっと、子どもたちに慕われるいい先生になるだろう。
そう言ってあげたいのに、何故か言葉が出てこない。
「なりたいんだ。教師とか、ポリスとか、レスキューとか……何かひとの役に立つ人に」
巡って来た光がアツシを照らし、その顔は眩んで見えなくなった。
アツシの言葉だけがぽつり、七瀬の耳に届く。
「……そういえばあいつはポリス志望だったかな」
「ああ……」
そんなところもアツシの友人とウォルターは同じだと、七瀬は思う。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2024年01月27日
参加申し込みの期限
2024年02月03日 11時00分
アクション投稿の期限
2024年02月03日 11時00分
参加キャラクター一覧
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