アソビの森で遊んじゃおう｜リアクション

アソビの森で遊んじゃおう

　アソビの森には昔ながらのおもちゃもある。
　花札に始まり、ベーゴマやけん玉など今ではあまり見かけないものばかり。
　そんな中、佐藤瀬莉は友達と共にメンコを手に取り遊んでいた。

　平らな台の上に置いたメンコを、手持ちのメンコで叩きつけて裏返せば勝ちの単純明快な遊び。
　昔は色々な工夫をして裏返らないようにもしていたらしく、担当者もしみじみと語っていた。

「でも今のだと、デザインもいろいろあって面白いなぁ」

　遊び終わった瀬莉は並んでいるメンコの前へ来ると、気に入ったデザインをいくつか手にとって購入。
　観賞用……にするには少々もったいないので、もう一度友達と対戦。

　その後、花札で遊んでいた瀬莉はうまく三光を取り、友達に打ち勝つ。
　最初のうちはカスやタンで上がっていたが、慣れてくると月見で一杯、花見で一杯はおろか、三光を狙うようになっていた。

「……あれ？」

　ふと視線を上げてみると、瀬莉の目にある人物――テレビで見たことある俳優の姿が映った。
　どうやら現在カメラも回っているようで、彼とナレーターらしき人物は奥のNINKYODO FNYATCHのブースへと向かっている。

「瀬莉ちゃん、今の人って俳優の霧水砕牙じゃない？」
「だよね？　やっぱりそうだよね？」

　瀬莉達が見かけたのは現在「大発見！　ウチはこんなところです！」でレポーターを務める俳優・霧水砕牙。
　どうやら今回、アソビの森をメインにした番組を撮影中のようで、いろんな人が彼に視線を向ける。
　思わず瀬莉達は花札を終わらせてから彼らの後ろをついていき、NINKYODO FNYATCHのブースへ。

　ブース前ではゲームをやろうとしている砕牙がいるのだが、今回並んでいるのは大人数型のサイコロゲーム・寝子太郎電鉄。
　彼のマネージャーである木々水サライと金宮燦斗が参加したとしても、あと１人足りない。
　そんなとき、砕牙の視線が瀬莉達へと向けられる。

「お、お嬢ちゃん達、こっちに来てくれる～？」
「えっ？　えっと、えっと？」

　瀬莉達があたふたしていると、燦斗が優しく２人をブース内へと連れて行く。
　どうやらゲームの相手をしてほしいとのことで、瀬莉と友達は一緒に寝子太郎電鉄を遊ぶことになった。

　砕牙とサライと瀬莉と友達の４人でプレイし、燦斗がその様子を見守る形。
　時折友達がどうしたらいいかわからなくなって慌てたときには燦斗がちょっとした助言を与えてくれたり、瀬莉がキングニャンビーを押し付けられてしまったときにはどう動けばなすりつけられるかをアドバイスしてくれたりした。

「燦斗マン、彼女らに優しすぎ～」
「ははは、普段からこのゲームシリーズで私に何をしたかを言ってから言うんですねぇ」
（……何をやったんだろ？）

　最序盤はとことんついていなかった瀬莉だったが、なんとか中盤で押し返して逆転して、最終的には２位で返り咲く。
　ちなみに１位のサライとはかなりの僅差であり、不運さえなければ勝ててたという状況だった。

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