【期末テスト】赤点？満点？？氷結、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？満点？？氷結、四日間の死線＜物語編＞

　全4日間の期末テストが終わり、テストも返ってきた。
　２年の水上桜の成績は、前回の期末より上がっていた。
　特に苦手な社会科が少しだけど上がっていたのが嬉しい。

　テスト明けの土曜日。
　授業が終わると桜はその足で寝子島スポーツセンターへ向かった。
　心なしか足取りが軽い。
　付き合っているマタ工水泳部の滝沢匠との自主練。
　……という名のデートだったりする。
　彼氏の方も同時期に期末で、しばらく会えなかった。
（滝沢君の場合、工業高校だから専門科目のテストもあるので大変そうだよね）
　だからテストに5日間かかったらしい。

　待ち合わせはいつものように受付のところだ。
（今回は私の方が先だったみたいね）
「悪い、待った？」
　５分ほどしてから匠が現れた。
（試験期間中の1週間会わなかっただけなのに、なぜかドキッとする……）
　桜ははにかむようにして手を振り、
「あ……久しぶり、滝沢君。私も今来たところ」
　と返事をした。

　それから互いに更衣室へ向かい、急いで水着姿になる。　
　温水プールに出たらストレッチをしてから、練習開始だ。
　互いのフォームを見て意見を言い合ったり、泳法ごとにスピードを測ったりする。
「テスト明けなのにタイムが上がってるな」
「滝沢君も調子いいみたいね」
「そろそろ休憩するか」
「うん」
　２時間ほどみっちり泳いで、プールサイドで休憩した。

「そういえば、テストどうだった？」
　桜の問いに、匠は答える。
「まあまあかな……そっちは？」
「うん、私も前回より上がってた。来年はお互い3年生だから、将来のことも考えなくちゃね」
「……進学するのか？」
「たぶんね。滝沢君は？」　
「……たぶん就職だろうな」
「そう……お互い頑張りましょう」

　それから二人はまた練習に戻っていった。

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