1week to death｜リアクション

1week to death

「ヌハアーーー！？」
　寝子戸アイランのゲーム実況も佳境であった。多数のゾンビに囲まれ、仲間たちも次々に倒されゾンビになってゆく……いよいよゲームオーバーか！？
　というところで、ほかならぬアイランが奇声を発した。
「ア、アレ！？　ワタシハ閉ジ込メラレテ、仲間ノ人間ドモモミンナヤラレテ……アレ？」
　画面の中、佇むアイランのアバターは間抜けた顔で田舎町の真っただ中に立っている。群れの襲撃を表すあの赤い月もなく、どこまでも青い空が広がっていた。
　コメント欄には視聴者たちの祝福の声が続々と寄せられている。

ヤマダ三世『目標達成オメー！』
キャット777『アイランなんもしてないけどな』
イカメシ『むしろそれがイイ』
†漆黒の猫天使†『お祝いにスーパーニャット5000円贈ります！』
アオイ『ま、アイランちゃんだけでも生きのびて良かったよ。おつかれー』

「ンン！？」
　見覚えある名前をコメントに発見し、アイランは前のめりとなった。

ユカリ『私たちも無事に戻れたわ。あなたが生き残ってくれたおかげね』
カイドー『結構楽しめたよな。次の配信も、期待してるぜ？』
キィ『またみんなで遊びましょうね。って、ラっちゃんも言ってるわ』

　仲間たち……いやいや、便利な配下どももどうやら無事であったようだ。アイランはほっと一つ息を吐き、画面の向こうの視聴者たちへと宣言し、配信を終えた。
「ニンゲンドモヨ、大儀デアッタゾ！　次ノホラゲー配信デモ、全力デワタシヲ応援スルノダゾ。スーパーニャットモ待ッテオルカラナ！」

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あとがき

担当マスター：網透介
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網です。
ゾンビもののお話でした。

ゾンビ。いいですよね。ゾンビ映画やゾンビゲームには、他ジャンルからは得られない様式美的カタルシスがあると思います。頭からっぽにしてひたすらに薙ぎ倒したり撃ちまくったり、あるいは見つからないよう息を殺して隠れながらサバイバルしたり、いいものです。
そんなシナリオでした。お楽しみいただけておりましたら幸いです。

それでは、また次回に。
網でした。

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