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1week to death
郷に入っては郷に従え。郷に入ればこれが案外、慣れるもの。
サバイバルを初めて六日目の朝を迎えた。
「いくぞ、せーの！」
「おりゃーっ！」
千里と蒼がタイミングを合わせて発砲し頭を撃ち抜くと、ゾンビはばたばたと倒れ伏した。残る何体かへも掃射し、仕留めていく。
「よし！ このマシンガンは使えるぜ」
「こっちのショットガンもなかなかのもんよ」
どちらもクラフト技術を駆使し、彼ら自身が制作したものだ。品質は良くないが、ゾンビを蹴散らすのには十分な威力を発揮してくれることが証明できた。
もちろん弾薬には限りがあるから、銃器以外の武器も必要だ。棒と包丁を組み合わせた槍は定番として、枝とゴムチューブの弓矢、釘バット、工具にコイルを巻きつけた電撃レンチなんてものもある。素材の組み合わせ次第で、多種多様な武器を作ることができた。
ゾンビから使えそうな持ち物を回収し、蒼はふうと汗を拭う。
「もうすぐ一週間だね。群れってすごい数なんだよね、確か」
「実況配信見てるとなー。拠点をそれ用に改造して、トラップを用意してやっとって感じだったよな」
道の向こうを眺めて、千里は眉を吊り上げる。一週間ごとに押し寄せるゾンビの群れ。生き残ることができるだろうか。
一方、紫とキィ、それにアイランは拠点周辺にトラップを張り巡らせていた。
「ほら、こうやって糸をピンと張っておけば……」
「ゾンビが引っかかった時に、罠が起動するのね」
紫の発案で、凧糸を使った簡易センサーを仕掛ける。壁にセットしたのは、蒼が制作した爆弾だ。三又配管に火薬を仕込んだもので、火力は十分。もっとも強力すぎるので、自爆には注意が必要という代物である。
「ここに引きこめば、たくさんやっつけられるわね……うん？」
キィの耳に、フクロウの鳴き声が届く。やかましい悲鳴も。
「ギャアアア、ゾンビガ来タ！ ワタシヲ助ケロ、人間ドモヨー！」
「またなの……懲りないわね、アイランさんも」
必死の形相で駆けてくるアイランと入れ替わりに前へ出て、キィはパイプガンでゾンビを撃ち抜く。扱い方は千里に教えてもらったおかげで、完璧だ。幼い少女に見えて、案外とホラーやサバイバルにも耐性があるらしい。少なくとも、今はフクロウとなって飛び回るばかりの主よりはよほどに肝が据わっている。
紫がアイランを抱きとめ、背中をなぞってやりながら尋ねた。
「寝子戸さん、今度はなにを見つけたの？」
「ハアハア、怖カッタ。フクロウガ向コウニ、台車ガアルト教エテクレタノダ。ダカラ持ッテ来テヤロウカトナ。オ前タチノタメニナ！」
確かに台車があれば、集めた物資の運搬は楽になるだろう。
キィはアイランの頭に止まっているフクロウを見上げて、目を細めた。
「もう少し頼りになればねえ……」
抗議するようにフクロウは声を上げたが、黙殺されてしまった。
台車で大漁の物資を持ち帰り、拠点の防備はより一層に固まった。
そして一週間が経ち、夜を迎えた。
赤い月が昇り、四方八方から怒号のごとき咆哮が響く。
「来たわ！」
民家を改造した拠点の屋根の上に陣取った紫が叫びつつ、引き絞った弓から一矢を放つ。先頭のゾンビを一体貫くが、群れの数は尋常ではなかった。
「トラップのほうに誘い込むぞ！」
場慣れしている千里と蒼が槍を持って矢面に立ち、後ろからキィが銃で後方支援を行う。ちなみにアイランは家の中で震えている。騒がず大人しくしてくれているならまあそれでよかろう。
「お姉ちゃん、奥のヤツを撃って！ 赤く光ってるヤツ！」
「分かった！」
ショットガンをぶちかましながらの妹の声に、紫が応える。自爆型ゾンビの爆弾を矢は的確に撃ち抜き、周囲を巻き込み爆発した。あんなものに近くで爆裂されたら、ひとたまりもない。
「まだまだ来るわ……！ ラっちゃん、群れの方角は？」
上空のフクロウが旋回して示す方向を確認しつつ、キィはパイプピストルを矢継ぎ早に放ち千里と蒼へ迫るゾンビたちを仕留める。
「海堂くん、このまま下がりましょう」
「おう！ 慌てて糸に触れるなよ！」
走るゾンビを優先的に排除する。蒼の槍が駆け込んでくるゾンビの首を飛ばし、槍を投げつけて次の一体も仕留めた。
「オッケーよ！ 私たちも屋根の上へ！」
立てかけておいたハシゴを伝って屋根へ逃れたところで、群れの先頭が仕掛けた糸に触れたらしい。蒼のお手製爆弾は数体も巻き込みながら炸裂した。威力は十分だ。
断続的に爆発が起こるが、仕掛けた爆薬はそう多くない。間髪入れず、次々に倒していかなければ、やがて家屋ごと倒壊させられてしまうだろう。
「よおし、こいつの出番だな」
千里は虎の子のマシンガンを取り出し、マガジンを叩き込む。流れるようにセイフティを外しコッキングレバーを引くと、眼下の群れへと掃射した。一行が集めた物資の中でも最高品質のものを選りすぐり、組み合わせて仕上げたレア品だ。威力は抜群、ゾンビたちは紙のように引き裂かれてゆく。
「このまま倒し切るわよ！」
蒼の号令に応とこたえ、全員で撃ちまくる。
早々に弾薬は尽きたが、残る群れはわずか。地上へ降り、槍やスコップで残党を仕留めたところで、最初の一週間の終わりを告げる朝日が昇った。
サバイバルを初めて六日目の朝を迎えた。
「いくぞ、せーの！」
「おりゃーっ！」
千里と蒼がタイミングを合わせて発砲し頭を撃ち抜くと、ゾンビはばたばたと倒れ伏した。残る何体かへも掃射し、仕留めていく。
「よし！ このマシンガンは使えるぜ」
「こっちのショットガンもなかなかのもんよ」
どちらもクラフト技術を駆使し、彼ら自身が制作したものだ。品質は良くないが、ゾンビを蹴散らすのには十分な威力を発揮してくれることが証明できた。
もちろん弾薬には限りがあるから、銃器以外の武器も必要だ。棒と包丁を組み合わせた槍は定番として、枝とゴムチューブの弓矢、釘バット、工具にコイルを巻きつけた電撃レンチなんてものもある。素材の組み合わせ次第で、多種多様な武器を作ることができた。
ゾンビから使えそうな持ち物を回収し、蒼はふうと汗を拭う。
「もうすぐ一週間だね。群れってすごい数なんだよね、確か」
「実況配信見てるとなー。拠点をそれ用に改造して、トラップを用意してやっとって感じだったよな」
道の向こうを眺めて、千里は眉を吊り上げる。一週間ごとに押し寄せるゾンビの群れ。生き残ることができるだろうか。
一方、紫とキィ、それにアイランは拠点周辺にトラップを張り巡らせていた。
「ほら、こうやって糸をピンと張っておけば……」
「ゾンビが引っかかった時に、罠が起動するのね」
紫の発案で、凧糸を使った簡易センサーを仕掛ける。壁にセットしたのは、蒼が制作した爆弾だ。三又配管に火薬を仕込んだもので、火力は十分。もっとも強力すぎるので、自爆には注意が必要という代物である。
「ここに引きこめば、たくさんやっつけられるわね……うん？」
キィの耳に、フクロウの鳴き声が届く。やかましい悲鳴も。
「ギャアアア、ゾンビガ来タ！ ワタシヲ助ケロ、人間ドモヨー！」
「またなの……懲りないわね、アイランさんも」
必死の形相で駆けてくるアイランと入れ替わりに前へ出て、キィはパイプガンでゾンビを撃ち抜く。扱い方は千里に教えてもらったおかげで、完璧だ。幼い少女に見えて、案外とホラーやサバイバルにも耐性があるらしい。少なくとも、今はフクロウとなって飛び回るばかりの主よりはよほどに肝が据わっている。
紫がアイランを抱きとめ、背中をなぞってやりながら尋ねた。
「寝子戸さん、今度はなにを見つけたの？」
「ハアハア、怖カッタ。フクロウガ向コウニ、台車ガアルト教エテクレタノダ。ダカラ持ッテ来テヤロウカトナ。オ前タチノタメニナ！」
確かに台車があれば、集めた物資の運搬は楽になるだろう。
キィはアイランの頭に止まっているフクロウを見上げて、目を細めた。
「もう少し頼りになればねえ……」
抗議するようにフクロウは声を上げたが、黙殺されてしまった。
台車で大漁の物資を持ち帰り、拠点の防備はより一層に固まった。
そして一週間が経ち、夜を迎えた。
赤い月が昇り、四方八方から怒号のごとき咆哮が響く。
「来たわ！」
民家を改造した拠点の屋根の上に陣取った紫が叫びつつ、引き絞った弓から一矢を放つ。先頭のゾンビを一体貫くが、群れの数は尋常ではなかった。
「トラップのほうに誘い込むぞ！」
場慣れしている千里と蒼が槍を持って矢面に立ち、後ろからキィが銃で後方支援を行う。ちなみにアイランは家の中で震えている。騒がず大人しくしてくれているならまあそれでよかろう。
「お姉ちゃん、奥のヤツを撃って！ 赤く光ってるヤツ！」
「分かった！」
ショットガンをぶちかましながらの妹の声に、紫が応える。自爆型ゾンビの爆弾を矢は的確に撃ち抜き、周囲を巻き込み爆発した。あんなものに近くで爆裂されたら、ひとたまりもない。
「まだまだ来るわ……！ ラっちゃん、群れの方角は？」
上空のフクロウが旋回して示す方向を確認しつつ、キィはパイプピストルを矢継ぎ早に放ち千里と蒼へ迫るゾンビたちを仕留める。
「海堂くん、このまま下がりましょう」
「おう！ 慌てて糸に触れるなよ！」
走るゾンビを優先的に排除する。蒼の槍が駆け込んでくるゾンビの首を飛ばし、槍を投げつけて次の一体も仕留めた。
「オッケーよ！ 私たちも屋根の上へ！」
立てかけておいたハシゴを伝って屋根へ逃れたところで、群れの先頭が仕掛けた糸に触れたらしい。蒼のお手製爆弾は数体も巻き込みながら炸裂した。威力は十分だ。
断続的に爆発が起こるが、仕掛けた爆薬はそう多くない。間髪入れず、次々に倒していかなければ、やがて家屋ごと倒壊させられてしまうだろう。
「よおし、こいつの出番だな」
千里は虎の子のマシンガンを取り出し、マガジンを叩き込む。流れるようにセイフティを外しコッキングレバーを引くと、眼下の群れへと掃射した。一行が集めた物資の中でも最高品質のものを選りすぐり、組み合わせて仕上げたレア品だ。威力は抜群、ゾンビたちは紙のように引き裂かれてゆく。
「このまま倒し切るわよ！」
蒼の号令に応とこたえ、全員で撃ちまくる。
早々に弾薬は尽きたが、残る群れはわずか。地上へ降り、槍やスコップで残党を仕留めたところで、最初の一週間の終わりを告げる朝日が昇った。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2023年07月05日
- 参加申し込みの期限
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- 2023年07月12日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2023年07月12日 11時00分
