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寝子島高校
笑顔の連鎖
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贈り物をしたあと、興奮冷めやらぬ園児たちを落ち着かせれば、やってくるのはお昼寝の時間。
遊びたいとぐずる子もいたけれど、昼食がまだの2人はそれを口実に一旦園の外へ出た。
「お疲れ様。……といっても、あとでまた戻ることになってしまったけど」
「ううん、昨日も少ししか遊んであげられなかったし、あげた物を使ってくれている所は見たいし!」
そう笑ってくれるあおいだって、朝早くから買い物に付き合わせてしまっている。せめて昼食くらいはゆっくりしてほしくて、修は街道沿いに並ぶ店を見た。
駅前らしく飲食店の数は豊富だが、待ち合わせに適したカフェや手早い丼チェーン店など、慌ただしい店が多い。かといって、駅ビルの上層階では値段が気になるだろうか。
「ねえ、ランチのお店は私が選んでもいい?」
行きたい店にエスコートさせてくれるなんて、なんたる幸運。
例えそれが激辛しか扱ってないカレー屋であったとしても、修に否はない。
「もちろんだよ。方向はこっちでいいのかな」
「えっとね、結構対象店は多かったはずなんだけど」
その中から今の気分で選ぶなら、とあおいが歩み始めた先にはファミリーレストランのチェーン店。ちょっぴりロイヤルなおもてなしを売りにしている、パンケーキとオニオンスープが有名なここは、流行廃りのない王道的な見た目なのにリッチ感のある味わいがとても人気な店だ。
サイゼリニャと比べるとお高めな値段設定ではあるが、あおいにはとっておきの秘密兵器がある。
「ここね、猫天ポイントが使えるの!」
そういえば、さっき利用した文具店にも猫天のマークがあった気がする。
対象商品がポイント10倍など諸々の重ね技で、先ほど得たポイントは2人のドリンクバー分くらいはまかなえるらしい。
「なるほど、それはお得だね」
「それに、ゆっくり聞いてほしいって言ってたから」
覚えていてくれたのかという驚きと感謝が、修を苦笑させる。
そのために店も選んでくれたとなると、格好付けた物言いは彼女に失礼な気がした。
「将来……自立してというか、医者になったら考えていることがあるんだ」
寝子島で触れてきたこと、あおいが気付かせてくれたこと。
きっと今の自分が掛け合ったところで、子供の戯れ言だと一蹴されてしまいそうな、夢。
「割り切って治療に専念するのも、親身に寄り添うのも、医者として間違ってはいない……そう思えるから、俺はもっと普通の……あおいみたいに人との距離が近い暮らしを、してみたいんだ」
より良い医者であるために。己が人として生きるために。
これは八神家を否定するわけでは決してない。家を繁栄させるため、大きな金を動かすためなら必要な選択もあるし、生き残るためには感情で動いてはならないときも、きっとある。
でもそれは、本当に『生きて』いるのだろうか。
どこか『義務』にも思える生き方は、次第に修から充実感も達成感も奪っていってしまった。
ただ誰かの笑顔を見て、安らぐ時間だとか。当たり障りの無いことを話して笑い合える仲間だとか。
ひとつひとつが小さくてささやかでも、宝物になるんだと知ったから、取りこぼしたくなかった。
「いいんじゃないかな。修君の人生なんだから、やりたいことは誰の顔色を窺わなくたっていいんだよ」
例えばそれが、まだ子供のうちならば。やりたい放題というわけにはいかないし、全てに責任を取れるわけでも無い。気を使えるようになったら我慢も覚えるし、望まれてないと気付いていたって遠慮もする。
でもあおいは「私も我慢したのに」と弟妹の進路を阻むようなことはしたくなかった。私に続けと言わんばかりの無茶な進路だって、選びたくなかった。
選べなかった、のではない。憧れと現実は違うんだと考えたとき、お洒落なカフェのある短大や行くだけで箔の付きそうな大学は、本当に行きたい場所ではなかっただけ。
――ただ、それだけだ。
きちんとやりたい職種を目指していて、進学先も決まって順風満帆。なのにどうしてか、好きな生き方をしてみたいと語る修が少しだけ恨めしく見えた。
数ある選択肢を投げ出して、どうしてそこなのだろう。
何かを言いかけ、それがあまり良くない言葉だと思ったあおいは唇を閉ざす。
「……あのさ。あおいは俺のことを、裕福だと思う?」
「そりゃあ、ね」
「でもね、俺は持っていなくてあおいが持っている物も、沢山あるんだよ」
小さな幸せの見つけ方も、家族の愛情も。笑顔が連鎖することも、幸せが誰かに届けられるということも。
「あおいが教えてくれたから、俺はそれが欲しいと思ったし、手にするにはどうすればいいか考えてる……今日だってそうだ」
あおいが居てくれたから、買い物が上手くいって喜んで貰えた。
ちょっと乱れた髪を直す仕草にドキリとさせられ、園児たちと笑い合う顔を見て。あの時にお裾分けを言い出してなかったら、こんなに幸せな気持ちにはなれなかった。
「俺が持っている物は、殆どが八神家の物だ。俺自身は裕福でないし、出来ることは少ない。それでも、君を笑顔にさせることは出来ないかな」
微笑む修に、あおいは困ったように眉を下げて笑んだ。
こう暗い話をしたいのではなくて、そう何か悩んでいたわけでもない。
注文の品が運ばれてきて、お腹が空いていたからかなとあおいは苦笑する。
「……もう今年も終わっちゃうね」
来月の今頃には冬休みで、それが終われば自由登校も始まって。各種手続きに奔走していれば、こうしてお喋りをする時間だってあるかどうか。
「ああ、来年が始まる。お互い、新しく住むところでお勧めスポットを探すのが忙しくなるね」
幸せは続いていく。自分が意図して止めなければ、どこまでだって連鎖する。
だから今年が終わっても、高校生活が終わっても――2人の関係は、終わらない。
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あとがき
担当マスター:
浅野 悠希
ファンレターはマスターページから!
この度はリクエスト頂きありがとうございました、浅野です。
お待たせ致しまして、申し訳ございません!
せめて楽しんで頂けるリアクションになっていればと思うばかりです。
どこまでも途切れず連鎖するもので、2人が満ちあふれていますように。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月14日
参加申し込みの期限
2023年08月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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