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笑顔の連鎖
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セール会場は戦場。それは日本でも有効だった。
値引き額の割りに派手なポップが目を引く棚はともかくとして、時間限定の絵の具詰め合わせやノートのまとめ売りなんかは、争奪戦という言葉が相応しい。
いくら一般的にお得でも、その全てが求めている物でも無い。カランカランと景気の良い音が響く度にカゴの中身と比較して、瞬時に見極めることは至難の業だ。
「年長組が使うなら、この時間限定の絵の具がお得だな。年少組はやっぱり口に入れても大丈夫な物が……」
「待って。他の子が使ってるのを見ると、自分も使いたくなっちゃうよ。それに先生たちの管理もあるし……」
ああでもない、こうでもない。話し合っている間にもお得な詰め合わせは、またひとつ消えてゆく。
妥協することは許されず、かといって予算上限は死守しなければならず。今回は見送って、次の時限販売に賭けようかと話がまとまりかけても、やっぱり最後のひとつが売れてしまうと、後ろ髪引かれる思いもある。
「こういう時は、初心に立ち返ろう。まず俺たちが買いに来たもの」
乳児でも楽しめる、音の出る仕掛け絵本。これはセール対象にはならないだろうから後でゆっくり吟味する。
それから年少組には、工作セット。手先の器用さを学ぶ安全なハサミや、口に入れても問題ない糊などだ。色画用紙や折り紙の類いは地域での取引もあるそうだから、多くは買わずに少し珍しい手触りの紙や目に鮮やかな千代紙を購入する。
年中組は、そろそろ文字の読み書きが出来る頃だ。絵本よりも少し文字が多い幼児文学に興味をもってくれるだろうし、鉛筆と持ち方をサポートする器具、消しゴムやノートなんかも良いだろう。これらは先生方にも使って貰えると考えると、無駄にならないはずだ。
そうして年長組にもなれば、先生の指示をしっかり聞いてくれる子も増える。となれば、あまりに低年齢向けの物よりも、小学校で使い始めるような物にも視野を向けていいだろう。
水彩色鉛筆や絵の具は少し良い物を、筆は駄目にしてしまうこともあるだろうから、気持ち多めでもいい。
「……改めて見ると、しっかり考えられているよね」
年齢に合わせた品物で、かつ全体で被らない物を。そうなるようにバランスを整えたし、これくらいしなければ重複で無駄になってしまうと修は考えた。勿論、園で見せてもらったノートが役立ったのも確かだ。
「それなのに、年少組が使う絵の具だなんて言ってたのか」
咄嗟にお得かどうかを考えようとして、買う予定に入っていない物を検討し始めれば、混乱してしまうのも頷ける。
「セールには誘惑が多いからね。さ、気を取り直して行ってみよう!」
時限販売は品目を変え30分毎。何が出るかの明確な予告はされていないため、アナウンスには気を配らないといけないが、それをゆったり待っていては買い物は終わらない。
「皆の顔が楽しみだな」
今度は復習として何の買い物に誘ってみようか。今日の買い物が終わる前から、修は次の約束が出来ることを待ち遠しく思った。
ようやっと全ての買い物が終わり、箱に詰める。
店先で『ご自由にお使いください』と書かれている空き箱は、文化祭以外の何に役立つのかと思っていたけれど、こういうときに使うらしい。修はまたひとつ、新しい世界を知った。
けれども『ご自由に』にも限度があって、沢山使うときは事前に連絡をしなきゃ駄目だとか、買い物袋を持参した方がポイントを多く付けてもらえるだとか、あおいの豆知識は留まることを知らない。
そうして話していると、あっという間にしぶき保育園へ着いた。
ちょうど園は昼食の時間だったようで、前回のようなお出迎えはない。これ幸いとばかりに、2人はこっそりと荷物を職員室へと運ぶ。
箱の中身を園長先生にも確認してもらって、いよいよ園児たちに手渡せるときが来た。
お昼寝をするのだと思っていた園児たちは、いつもと違ってお遊戯をするための広い教室に集められたことを不思議そうにしていた。今日はここで他の組のこと一緒に寝るのかな? と、寝る前のお喋りを楽しもうという姿も見られる。
そんな中、大きな箱を抱えた修とあおいがやってきた。
迎え入れるように先生たちは拍手をするけれど、昨日の今日だ。園児たちは嬉しいよりも驚く子が多いのか、何故拍手をしているのかわからないといった顔をしている。
「今日お2人は、皆さんに『幸せのお裾分け』をするためにやって来てくれました」
園長先生の紹介を待って、簡単な自己紹介と寄付の経緯――最近幸せなことがあったこと、それを独り占めするのは良くないなと考えたことなど、園児たちにもわかりやすい言葉を用いて2人は説明する。
「だから皆も……嬉しいなって思った時に、誰かに優しく出来るようになってほしい」
そういう思いを込めて、贈り物をしたいという修の言葉に、園児たちは元気よく返事をしてくれた。
お迎えの時間にお母さんを困らせないようにしようとか、お休みの日のお父さんを起こさないようにしようとか。それでいいのかなと顔を見合わせている園児たちは、この幸せの連鎖を繋げるために知恵を絞っている。
伝わって良かった。
広がる笑顔に、あげたかったはずの幸せを、また貰ってしまったような気がする。
胸の奥がじんわりと暖かくなっていくのを感じながら、修は「ありがとう」と笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
浅野 悠希
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年08月14日
参加申し込みの期限
2023年08月21日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年08月21日 11時00分
参加キャラクター一覧
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