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夢みる。したいこと
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本の中に映り込む世界では霧竜の猛攻にラッセルと想花が苦戦していた。
「気をつけろ。ヤツの吐く霧の吐息は鋼をも溶かす猛毒だ」
「き、気をつけろって言われたって……」
「俺の背中に乗れ!」
ラッセルに促されて、想花は慌てて風の竜の背中に乗る。
刹那、ラッセルは翼を大きくはためかせて宙を舞い、すんでのところで霧竜のブレスから想花を救い出す。
「人の子よ。魔法でヤツの霧を逆に利用できぬか」
「や、やってみる」
想花はラッセルの背で星との交信を試みる。
刹那、どこからともなく想花達の周囲が風が吹き込み、霧の竜の吐くブレスを押し返していく。
だが、霧竜は巨大でその肺活量も膨大だ。とても想花一人の魔法で押し返せるものではない。
「く……。駄目だ。やっぱりぼく一人の魔力じゃ……」
「諦めるな、俺も手伝う!」
押し切られそうになる想花を援護するようにラッセルが風を操って、押し込まれそうになった霧をさらに押し返す。
「よし、いいぞ。その調子だ」
銀竜は二人に檄を飛ばしながら、霧竜の白い尻尾を自らの尾で受け止める。
だが、まだ霧竜はその力の半分も出していないようだった。
口元にニヤリと歪め、翼を大きく持ち上げてブレスの勢いを強めていく。
「くっ、まだ余力を残してんのかっ……」
度肝を抜かれるラッセル。ブレスはじわじわとラッセル達を取り囲むように四方から迫っていた。
(このままじゃマズいか。ここはいったん退くべきか……?)
と、その背中に、ふと想花の声が響く。
「気をつけて、また何か来る!」
そのときふわりと光の粒子をバラまきながら一体の妖精――翠響が現れて魔法の力で霧竜のブレスを浄化し始めたのだ。
「よし。こっちでもあたしの魔法は通用するみたいね。こいつの毒はあたしが和らげる。そっちは攻撃に集中して!」
くるんと想花やラッセルの頭のまわりを飛びまわりながら翠響が魔法でブレスの浄化を続けている。
さらに興味深い事象が起きた。
不意に霧竜の足下に狐火が起こり、そこから発生する上昇気流が霧のブレスの侵食を妨げ始めたのである。
「おお、転生したら炎を使えるキツネ耳少女になったのじゃ! あれ? でも、何か妙な既視感があるのう……」
無邪気にはしゃぎつつも、阿呂江がふと気になったように小首を傾げる。本来は火を使える妖怪であった出自がそうさせるのだ。
「そこのドラゴンさん。私もあなたの背中に乗せてもらえませんか?」
同じく本の外から飛び込んできた綾花が銀竜に語りかけた。
「ほう。人の子の分際で我を顎で使おうと言うのか。……面白い」
銀竜がニヤリと笑うと、身を低くして綾花に騎乗を促す。言葉とは裏腹にその表情はどこか楽しげだ。
「スピネル! ジェード! あの白い竜の意識を惹きつけて!」
綾花が命じると、二匹の宝石猫がふわふわと霧竜をからかうようにその周囲を飛び交う。
霧竜は不愉快げな咆哮をあげて白い手足と尻尾をぶんまわして宝石猫を追い払おうとする。
だが、ふわふわと浮く二匹を捉えることは容易ではなかった。
わずかばかり毒の霧の濃度が薄くなる。
それが最大の好機であることを、最初は本の外から、そして今は竜の背から誰よりも高い場所から戦場を俯瞰している綾花は知り尽くしていた。
「今です! 一斉攻撃を!」
風に飛ばされそうな角帽を押さえながら綾花が叫ぶ。自分には戦いに役立つような魔力はない。けれど、戦う力を持つ仲間を助けることはできるはずだと彼女は信じている。
「またとない勝機だ。逃すなよ、風竜、そして人の子らよ!」
銀竜も仲間達を鼓舞するように咆哮する。
「まかせとけっ!」
「数多の星達よ! ぼくに少しずつだけ力をわけてくれ!」
ラッセルが自慢の翼で突風を起こし、それに想花の天空魔法が星の輝きの力を付与する。
激しい風と魔力の嵐に霧竜の身体からうっすらと血のような煙が流れ始めた。効いている。誰もがそう直感する。
だが、霧竜も傷つきながらも大きく息を吸ってブレスを吐き、手近にいたラッセルと想花への反撃に転じてくる。
「いけないっ。よけてください」
空中から俯瞰していた綾花が指示を飛ばすが、狙われた二人は即座に反応できない。
「あたしにまかせて!」
と、そこでひらりと霧竜とラッセルの間に割って入った翠響が植物の壁でブレスを防ぐ。
「まだ終わっておらぬぞ! こいつも持ってゆけ!」
そこに阿呂江がキツネ耳をピンと立てて、きつね色の炎で霧竜の足下を焼き払った。
刹那、霧竜の喉から凄絶な悲鳴が迸り、やがてゴゴゴ……と地響きのような音を響かせながらその肉体を霞のように散らせていった。
「よし! やったぜ!」
ラッセルが竜の腕で器用にガッツポーズをつくる。
「……勝てたのか。良かった。報酬、上乗せしてもらえるかな」
想花は胸を撫で下ろしつつ、ふとこのままでは報酬が割りに合わないことに気づく。良い経験を積むことはできたけど。
「魔法の図書館に竜とのバトル。普通の人間ではとても経験できない体験ができて満足じゃ!」
阿呂江は快活に笑って、ふと気づいた。
「ところで、どうやって元の世界に帰ればいいんじゃ?」
「「「「あ……」」」」
と、そのとき不意に銀竜が空を見上げながら大仰な口調で言った。
「見るがいい人の子よ。あそこに霧竜の残り霧がある。あれを使えば、あと一度だけ世界を渡ることができるだろう。もはや霧竜の意識はない。お前達が戻りたい世界を強く思い描けば、きっとその世界に辿り着くことができるだろう」
銀竜の言葉は憶測に過ぎなかったが、揺るぎない自信に満ちていた。おそらく彼の言うとおりなのだろう。
「もう消えかかってる。みんな急ぎましょう!」
自前の羽を持つ翠響が先導し、それに翼を持たない想花と阿呂江、そして綾花が二体の竜の背中に乗って続く。
「銀竜さん、風竜さん、ありがとうございました」
「礼には及ばぬ。我らは我らの仕事をしたに過ぎぬ」
綾花の言葉に銀竜が鷹揚に頷き、それを見届けた綾花が元の世界に戻っていく。
「こ、この高さから飛び込むのか。ちょっと怖いな……。けど……」
逃げちゃ駄目だと言い聞かせて、想花が意を決したように霧の中に飛び込む。
「また戻ったら退屈な学園生活か。まあ、それも悪くないかのう」
と、すっかり高校生が板についた感のある阿呂江が後に続く。
「それじゃあ、あたしも行くわ。もう会うこともないと思うけど」
翠響が振り返り、二頭の竜に別れを告げる。
「ああ、達者で暮らせよ!」
「棲む世界は違えど貴様もまた秩序を守ろうとする種のもの。武運を祈っておこう」
ラッセルと銀竜の言葉に翠響が微笑み、ひらりと霧の中に飛び込んでいく。
そして、最後に二体の竜が霧を抜けたところで、程なくして霧は完全に消えた。
開けた視界の先には、竜が飛び交ういつも世界に戻っている。
「やれやれ騒がしい連中だったな。これでようやく静かになる」
「あれ? 銀竜、なんかちょっと寂しそうだな」
「馬鹿も休み休み言え。さあ、授業の続きだ。よもや一族の務めを忘れたとは言わさぬぞ」
言うが早いか、銀竜は羽を広げて飛んでいく。
「あー、あいつ照れ隠ししてんなー。って、待てよ、おいてくなって!」
ラッセルもまた慌ててその背中を追って飛んでいく。
二体の竜が羽ばたく空は目映いほどの晴天。
さながら見果てぬ人に夢のように、どこまでも広がる、青い青い空だった。
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あとがき
担当マスター:
水月 鏡花
ファンレターはマスターページから!
というわけで、ご参加頂いた皆様、お疲れ様でした。MSの水月鏡花です。
そんな感じで、今回も、水月向きなファンタジーなシナリオで、とても楽しく執筆させて頂きました。
いつもの現実とはちょっと(?)違う夢の世界の物語、お楽しみいただけましたら幸いです。
さて、今回もだいたいそんな感じ。
それでは、最後になりましたが、本作にご参加頂いたPCさん、「らっかみ!」に関わる全ての方々に深い感謝を。
それでは、また次のシナリオでお会いできることを祈って。
水月鏡花
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
水月 鏡花
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
冒険
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2023年02月25日
参加申し込みの期限
2023年03月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2023年03月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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