リア充爆発した！｜リアクション

リア充爆発した！

「こんなにリア充を爆発させたがるなんて……一体何があったっていうの……？」

　霊界にて。
　舞い上がるスカートを手で押さえたまま、ヴィーゼ・ベルンスタインは呟いた。
　疑問が頭をぐるぐるするが、まずは自分ができることをしなければ。
「とりあえず、状況を把握しないとだわ……空からどうなってるのか確認しましょう」

　真っ赤な血の翼を羽ばたかせ、上空に飛び上がる。
　その間にも周囲に響く、ぶおおおんっ！
「至る所で爆発してるわね……どんだけリア充居るのよ……。あっ、あの子！　まずいわ！」
　今この瞬間にも爆発に巻き込まれようとしている少女を発見し、ヴィーゼは急降下した。
「逃げてっ！」
　叫ぶと同時、血の腕を爆弾に叩きつける。
　直後。

　ぶおおおおんっ！

　爆弾は大爆発。
　爆風はヴィーゼのスカートを大きくめくりあげた。
「くぅっ！」
　とっさに血の腕で押さえ、お気に入りの黒い下着が丸見えになることを回避する。
　意識が向かなかった分、髪はかなり乱れたが、少女は助けられたし、上々の出来と言ったところだろう。
「無事でよかったわ。爆弾はまだあちこちにあるから、気をつけてね」
　笑顔で少女に告げてから、「ありがとう！」の声を背に舞い上がる。

「攻撃すれば壊れるなら、血の腕で片っ端から叩いていくのがいいわね。モタモタしてると巻き込まれかねないし……スピード勝負よ！」
　真っ赤な髪とスカートをはためかせ、ヴィーゼは縦横無尽に空を飛びまわった。
　あちらの爆弾は血の腕で撃破、こちらの爆弾にはほかの爆弾をたたきつけてと大活躍だ。
　だが爆弾を壊せば壊すほど、爆風を受けたヴィーゼの服はボロボロになり、貧血症状がひどくなる。
「ああ……流石にしんどくなってきたわ」
　それでもヴィーゼは、デート中のカップル近くに発生した爆弾を、血の腕でがっしりつかみ、上空に放り投げた。

　ぶおおおおんっ！

　まるで花火のように爆発する爆弾。
　それを見守るヴィーゼ……と、そのときだ。
「またっ……！」
　数メートル先に、新たな爆弾が発生した。しかも合体爆弾だ。
　その横には、少女あやかしと手をつなぐ少年あやかし。
「あんな子たちまで狙うの！？」
　飛ぶか走るか。迷う間もなく、ヴィーゼは地を蹴り、宙に浮かんでいた。
　血の腕を思い切り伸ばす。
　驚いた少年少女あやかしが、飛び跳ねるようにして逃げていく。
（そう、それでいいのよ！　あとはこれを地面に叩きつければ――）
　そう思った瞬間。

　ぶおおおおんっ！

「きゃああっ！」
　露わになる肩やウエスト、太腿、ヒップ。胸と下半身の大事なところは、とっさに血の腕で庇って丸見えを回避した。
　が、ブラの肩ひもはずり落ち、ショーツも見えるところは、紐状態になっている。
　－－それでも。
「困ってるリア充の皆を助けないと……！」
　ひどい状態になったヴィーゼを、驚き見る夫婦らしきあやかし達。
　その間に発生した爆弾に、ヴィーゼは血の腕を振り落とした。

　ぶおおおん！

　爆発は地面の上。誰も被害をうけはしない。
「貴女様はわたくし達を守ってくれたのですね。感謝いたしますわ」
「しかしそのような状態で……平気、か？」
　ふんわり微笑む妻の横で、夫のあやかしがヴィーゼに問う。
　綺麗な恰好をして仲睦まじくしている夫婦に嫉妬しないわけではないけれど――。
（そんな感情に負けるものですか！）
　羞恥心を胸に隠し、ヴィーゼは答えた。
「ええ、あなた達が無事でよかったわ」

　だが、ヴィーゼが毅然としていられたのは、爆弾処理をしている間だけ。
　爆弾が消え去ると、一気に涙目になった。
（もうダメッ、恥ずかしすぎるわっ！）
　自分を抱きしめ、周囲の視線を避けるようにして。
　ヴィーゼは半泣きで、自宅へ帰ったのだった。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：瀬田一稀
ファンレターはマスターページから！

こんにちは、あるいはこんばんは。瀬田です。
この度は久々のシナリオにも関わらず、ご参加ありがとうございました。
霊界でも寝子島でも爆弾処理を頑張ってくださったみなさんのおかげで、被害は最小限におさまったと思います。
ボロボロになりつつ戦うみなさんまさに勇者！
爆弾作った方たちも結局ボロボロでしたので、責めないであげてくださいね。

それでは、みなさんお疲れさまでした。
また次のシナリオでお会いできれば嬉しく思います。

↑ページトップに戻る

リア充爆発した！

あとがき

シナリオ

シナリオデータ

シナリオスケジュール

参加キャラクター一覧