あやかしといえど恋はする。
そんなことは、カフェで多くのお客様の話を聞いて、わかっている。
にしても、だ。
「みんなリア充すぎない?」
ある日の日中。
ヴィーゼ・ベルンスタインは、仕事の合間に呟いた。
というのも、ヴィーゼは本日、お客様のコイバナばかり聞いている。
まず、一人目。
「想い人がの、なんの祝いの日でもないのに、贈り物をくれたのじゃ!」
二人目。
「そのときあやつが、『愛している』と言って、抱きついてきたのだ」
三人目。
「わたくしの旦那様が……あっ、お話していませんでしたか? 私、つい先日、長く想っていた方と契りを交わしたのですよ」
その後、四人目五人目六人目……となぜか『想い人あるいは伴侶の話』が続き、それは全然いいのだけれど、でもあれだけ惚気を聞き続けると、霊界にはラブラブハッピーライフを送っている人しかいないのではないかという気になってくる。
「でもそうでもないのよね。さっきのお客さんが言っていたもの。『我の婚姻を妬む輩がおる』って。霊界にもいろいろなあやかしがいるのよねえ……」
--と、ヴィーゼがそんなことを考えた翌日。
「いやあああっ、なにこれっ!」
出勤途中、ヴィーゼは叫んだ。
なぜかいきなり近くで「ブオオオオンッ!」と音がして、スカートがめくれ上がったのだ。
「押さえても押さえてもめくれちゃうっ! どうして!?」
ブオオオオンッ! ブオオオオオンッ!
爆発は周囲のあちこちに起こり、多くのあやかしが巻き込まれている。
「髪がっ! 旦那様お気に入りの美しい髪が! なぜこんなぐちゃぐちゃに……!」
「我の衣装がっ! くううっ、妻の手作りぞ! それがこうも容易にはじけるとは、なんたることか!」
「これは愛しきわが伴侶にもらった鞄……爆発は避けっ……ああああっ!!」
そして誰かが呟いた。
「爆発ということは、爆弾があるやもしれぬな」
「もしやこのカラフルな球か? 童の玩具と思ったが……ふむ。危険な香りじゃ。では攻撃を受ける前に潰してやろ……うおおおっ、ダメじゃ、巻き込まれっ……あああっ!」
ブオオオオオンッ!
そしてこの爆弾は、寝子島にも同時出現していた。
お久しぶりです。瀬田一稀です。
ヴィーゼ・ベルンスタインさん、シナリオガイドにご登場いただき、ありがとうございました。スカートめくってしまってごめんなさい。
今回は「いきなり現れた爆弾でリア充爆発しちゃったよ!」というシナリオです。
シナリオに書かれているのは霊界の様子ですが、寝子島にも同じ爆弾が発生しています。
あやかしの方々も人間の方々も、ぜひそれぞれの世界の爆発へ、ご参加ください。
【爆弾の発生場所】
リア充の近くに発生します。
リア充ではない方は大丈夫と思いきや、爆弾に近づけば、爆発に巻き込まれる確率が高いでしょう。
【爆弾のサイズと威力】
大きさはサッカーボールくらいです。
中には合体した爆弾があり、サッカーボール×3くらいのサイズです。
どちらも、人を傷つける力はありません。
サッカーボールサイズの爆弾の威力(例)
・スカートがちらっとめくれあがる。
・髪や服が、手で整えられる程度に乱れる。
・衝撃で人が転ぶ。
サッカーボール×3の威力(例)
・服がふっとばされ、かつら的なものもとれる。
・衝撃で人が吹っ飛ばされる。
上記は例なので、自由に考えてくださってかまいません。
【爆弾の壊し方】
物理攻撃で壊れます。
サッカーボールサイズなら思い切り踏む、叩く、投げつける、など。
サッカーボール×3サイズなら、なにかで攻撃するのがいいかもしれません。