クラフトチャレンジ☆ネコジマ｜リアクション

クラフトチャレンジ☆ネコジマ

　七夜あおいを誘って、和菓子作りにチャレンジする八神修。
「いつもは修先生に教わってるから、なんだか新鮮かも」
「はは。さすがにプロには敵わないからな。一緒に頑張ろう」
「うんっ」
　お揃いのエプロン、以前、一緒に買ったものです。これを二人で身につけて料理をすると思うと、修は嬉しさに頬が緩んでしまいます。
　職人さんの授業が始まり、まずは蒸し饅頭を作るとのこと。
「饅頭なら、前に一緒に作ったな」
「その時の経験が生かせそうだね！」
　がんばるぞ、むんっと気合を入れるあおい。修も職人さんの語ってくれる説明の一語一句を聞き逃すまいとする構えです。
　以前二人で作ったのは、上用饅頭でした。大和芋や山芋をすりおろして生地に混ぜ込む饅頭で、修の気配りとあおいの頑張りもあって、とても出来良く仕上がったのを覚えています。
　今回作るのはさらにシンプルなお饅頭の基本ですけれど、前回と違うのは、餡子も手作りしてゆくところです。
「餡子ってどうやって作るの？」
「まずは小豆を煮るんだ。ほら、ああやって」
　職人さんが手際よく小豆を洗い、茹で……渋きりのために一度捨て、といった工程を、真似しながら行います。小豆を茹でるのは少し時間がかかるので、その間には他の和菓子作りも同時に進めていきます。
「アク取りも忘れないようにしないとな。あおい、頼んでもいいか？」
「オッケー、まかせて」
　少し忙しく、大変ですけれど、二人なら余裕もあるし、楽しく作業ができました。
　小豆がやわらかくなってきたら、火を弱めてお砂糖を加え混ぜ込みます。
「小豆は２回に分けて入れ、さっと混ぜるのがコツだ。あとは豆がつぶれてしまわないよう、静かにゆっくりとかき混ぜながら……熱っ」
「あはは、大丈夫？　餡子がほっぺたについてるよ」
　あおいは無意識にか、指で修の頬についた餡子をすくい、ぺろり。
「甘いね♪」
　修の胸はどきりと高鳴りました。
「……それは不意打ちだ」
「え？　なあに？」
「いや。このまま煮汁をとばしながら炊き上げて、最後に塩を加えれば完成だそうだ」
　ことこと。くつくつ。
　小豆ができあがったら、同時に作っていた生地で包み、蒸し器へ入れます。１０分ほどふかしたら、お饅頭の完成！
　蒸しあがった小さな小さな饅頭の可愛らしさに、二人はほっこりと笑顔になりました。
「よし、さっそく食べてみようか」
「うん。どれどれ、上手くできたかな……？」
　あおいの料理下手はちょっと筆舌に尽くしがたいものでしたけれど、近頃は修の力添えもあって、少しずつ上達してきているようです。
　二人で作ったお饅頭も、
「……やったね、おいしくできてるよ♪」
　ふかふか、もちもち！　餡子もほどよい甘さでいい感じ。大成功でした。
「職人の先生の教えも分かりやすくて良かったが、あおいが頑張ったおかげだな」
「へへ、そうかなあ」
　ご機嫌なあおいと、できたてひと口饅頭やミニ和菓子を堪能して、講座は終りました。
　二人は最後にＮＹＡＧＯブロックの展示を覗いてから、ほくほくの笑顔で会場を後にしたのでした。

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