非科学的なモノ（おばけ）はあった！！｜リアクション

非科学的なモノ（おばけ）はあった！！

　◆あの日の全容

　夜もとっぷりと更けた落神神社。
　ランタンの明かりだけが頼りこの場所で、ヤマトが森猫様に精一杯土下座していた。

「この度は本当に、ほんっとうに申し訳ございませんでしたぁ！」
「うむうむ、許す許す。おにーさんの呪いっぽいのもなんとかしとくにゃー」

　森猫様が言うには、瑞毅を呪うつもりはなかったそうだ。
　しかしヤマトの顔と瑞毅の顔が判別できず、また色んな参加者がいたために怨みを誰にぶつければいいのかわからなかったそうで、一番怖がっていた瑞毅が印象に残っていたから呪ったとのこと。
　今はもう呪いを解いているため、彼は無事だと森猫様は告げる。

「森猫様、美味しいのですー？」
「んむ～、おいしいにゃぁ」

　じゅるじゅるとアルティメットにゃおにゅ～るを食べる森猫様。
　その表情はとても幸せそうで、これまでの怒りは全部吸い付くして飲み込んだといった様子だ。
　これからもこれを食べ続けたいというので、森猫様はどこのお店で売ってるのかなどを聞いてきた。

「高かったから、しばらくは節約生活だなぁ……」
「確かに高いよねぇ。森猫様、お金とか大丈夫？」
「んっふっふ～、一応バイトしてるから大丈夫～」
「バイトしてるのは偉いのですー」

　人に化ける能力はテレビで見た人などでも使えるため、街頭テレビに映ってる通行人などに化けたりしてお金を稼いでいるという森猫様。
　ということは前回の肝試しでヤマトに化けていたのは森猫様なのでは？　という問いかけに対し、森猫様は答えた。

「ああ、ヤマトが教えてくれた開催時間過ぎても来にゃいから、勝手に開始しといたんだよね」
「なるほど、だから僕が来た後に皆が肝試しをしていたんだ」

　どこか納得のいった様子のヤマト。主催なのに既に始まっているのはおかしいと感じていたそうで、森猫様の話を聞いてようやく納得がいったそうだ。
　それならと、別の場所で声をかけてもらったタルトは森猫様に問いかける。

「じゃあ僕に声をかけたりしたのも森猫様？」
「……それは知らんにゃあ……」
「……えっ？」

　タルトとゼロがお互いに視線を見合わせる。
　確かにあの日、タルトの耳にはヤマトの声が聞こえていたのに……。

「ぼ、僕が聞いた声は……？？」
「知らにゃい……ってかキミ達とは開催のときにしか会ってない……」
「え、ええ……っ？！」

　前回の開催では森猫様は、開催を告げただけで後はずっと神社で待ちぼうけてたそうだ。
　むしろそれ以外には関与していないから、脅かし役をしたくて怒っていた。それが今回の事件につながっているので、それはおかしいだろうと。

　――あの時声をかけてきたのは、一体誰なのだろう？
　この謎は永遠に残るかもしれないし、明かされる日が来るかもしれない……。

「アルティメットにゃおにゅ～る、おかわり～」

　ただのんびりと、森猫様はアルティメットにゃおにゅ～るを食べる。
　真実はまたいずれ明かされる日が来るさ、と。

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