真っ暗な森の中、かさかさ、かさかさと木々が揺れる。
生暖かい風が吹きすさび、落神神社の土地を撫でてゆく。
「ふんふふ~ん♪」
そんな中で
響 タルトは今日もオカルトを発見できたら嬉しいな、と落神神社への道を歩いていた。
肝試しで起きた不思議な出来事のおかげか、またなにかが起こる予感がある! という直感が閃いたようで。
そんな彼女とともに一緒に落神神社への道を歩くのは、肝試しでペアを組んで脅かし役を行った
ゼロ・シーアールシー。タルトに誘われるままに来てみたが、どうして今ここに来ているのかと疑問に思ったようだ。
「タルトさん、タルトさん、どうしてまたここに?」
「ん~、まあ勘かな。ほら、あの時の肝試し、すごく不思議なことが起こったでしょ?」
「ヤマトさんとお話したのに、最後に出会ったヤマトさんは……」
「そうそう。アレ、また起こる気がしてるんだよね~♪」
喫茶店『猫の宮』を経営する店主・猫乃宮 ヤマトが企画した肝試し。
鷺来 瑞毅を脅かしたいという理由で企画された肝試しだったが、最後の最後で不思議な出来事が起こっていた。
最初に脅かし役として案内してくれたヤマトが、最後に言った言葉は『開始が遅くなっちゃって』の一言。最初と最後に出会ったヤマトが同じなら、こんな台詞は出て来ないはず。
これは肝試しでは終わらない気がする。そんな気がしているタルトは、ゼロと共に真相を探りたくてちょっと遠出をしたということだ。
とは言え何が起点となってこんな出来事になっているのか、よくわからない。そのため2人は落神神社の道を歩くしか出来ていなかったのだが……。
「……あれ?」
「ん、どうしたの、ゼロちゃん」
「いえ、向こうに瑞毅さんが……」
「んえ??」
はて、瑞毅さんはオカルト嫌いではなかったか? と首を傾げるタルトとゼロ。肝試しでもたくさん叫んでくれていたし、最後には気絶していたのは記憶に新しい。
彼が1人で真っ暗な森の中を歩くだろうか。そんな疑問が浮かんだ2人は、こっそりと彼を追いかけてみる。
…………
………………
……………………
「…………」
何かをブツブツと喋りながら神社への道を進む瑞毅。
それを追いかけるタルトとゼロの2人。
あり得ないはずの光景に2人は何かがある! と踏み切って彼を追いかけたはいいものの、ここに至るまでの収穫は無し。
ちょっとなにかに取り憑かれた程度なのかもしれないと思って、タルトが前へ出ようとした時……それは起こった。
辺りをうっすらと霧が包み込み、タルトの姿も、ゼロの姿も、瑞毅の姿も隠す。
視界が閉ざされた!やばい! と焦りを見出した次の瞬間、タルトとゼロの耳に声が届けられた。
「
見 た な?」
その言葉を聞いた瞬間、辺りは真っ暗になって……。
……………………
………………
…………
――翌日のこと。
瑞毅が何かによって苦しんでいる、という話をヤマトから聞いた。
今は安静にするだけで大丈夫なのだが、夜になると必ず息苦しくなって、何かが重しとなって乗りかかるような気分になるという。
「ああ……どうしよう、僕のせいかもしれない……! 瑞毅さんが森猫様に呪われてしまったのかも……!」
「森猫様??」
「とは??」
焦るヤマトに対し、タルトとゼロは『森猫様』という存在が気がかりになってその話を聞いてみる。
なんでも森猫様は落神神社にいつの間にか勝手に住んでいる神様のような存在で、噂では人を呪い殺すまでに至る力を持つという。
肝試し前にきちんとナナと一緒にお伺いを立てて、お供物までしたけれどそれでもダメだったのか、と焦るヤマト。そんなあたふた中で来客が訪れた。
来客は
霧水 砕牙(きりみず さいが)と
金宮 燦斗(かねみや さんと)の2人。瑞毅が寝込んでいるという話を聞いて、ちょっとばかり情報を集めていたそうだ。
「実はみずきちが参加した場所、最近かなりヤバい噂が立ってるらしくてな」
「ヤバい噂?」
「そう。『自分と同じ顔を見ると幸せになり、それを語ると不幸になる』っていう感じのやつなんだけど」
「うーん……ゼロは聞いたこと無いのです」
「ボクも聞いたことないなぁ……」
「この話はつい最近だそうですので、お2人が知らないのも無理はないかもしれませんね」
最近になってねこったーやにゃんすたぐらむでも騒がれ始めた落神神社の噂。それを検索しても、誰もが幸せになったという話はしていない。語ると不幸になるという部分が真相を妨げているのだろう。
だが、この話が本当だとして、瑞毅は自分自身を見たのだろうか? それを考える中で、タルトとゼロは昨日の出来事を思い出す。
「もしかして、昨日ボクたちが見た瑞毅さんって……」
「森猫様だったのかも……?!」
もし森猫様という存在が自分に化けた相手に幸せを与えるだけではなく、呪いをかけることが出来るのだとしたら……昨日見た瑞毅は呪いをかけるために変化していたのではないか? という考えがタルトとゼロの頭に広がる。
このままでは瑞毅が非常に危ない。
一体何が森猫様の逆鱗に触れてしまったのか?
一体何故彼が選ばれてしまったのか?
――それを突き止めに行こう!
何度目まして、御影イズミです。
前作では大変楽しい肝試しとなりましたが、どうやらその肝試しによって瑞毅が呪いを受けてしまったようです。
落神神社に勝手に住み着いた怪しい存在、森猫様。
これから皆様には、森猫様に会うために落神神社まで向かっていただきたいのです……。
説明
落神神社への道(地図でいうとF-8付近)から落神神社へと向かいます。
しかし、森猫様はかなり怒っているため様々な現象が起きてしまうことでしょう。
その現象を掻い潜りながら、皆さんは落神神社まで向かいます。
今回は霧水 砕牙、金宮 燦斗の同行もあるため、情報に困ることはありません。
そして森猫様の怒りを鎮めるために、燦斗がいくつか情報を集めてくれています。
その情報を元にこの事件を解決しましょう!
情報
1.肝試し、参加したかった!
一番の要因はこれ。
ヤマトがお伺いを立てた時、「自分も参加できる?」と思ってたらそうじゃなかったのでご立腹。
なので、一緒に肝試しのお約束を取り付けると解決へと導けるかもしれません。
2.お兄さん(瑞毅)を脅かしたかった!
自分だって脅かし役に回りたかった。
でもお伺いを立てられるだけで参加できなかったから、せめてお兄さんの姿で会ってお話して、脅かしたかった! が二番目の本音。
呪いをかけている、という自覚は……あるのかないのかは現時点ではわかりません。
3.久しぶりに暴れたいんだもん!
暴力は以下省略。
ずっと落神神社で寝泊まりしていたからか、ちょっと身体が鈍ってるのもあって暴れたかったそう。
最近人と遊んでないなーという気持ちもあるらしい。
戦闘行為、あるいはそれに近い遊戯を行うと気が静まる様子。
4.「アルティメットにゃおにゅ~る」がたべたい!!!!!!!!!!
美味しさ抜群、カツオとマグロの風味たっぷり! ……でおなじみのにゃおにゅ~る。
しかし寝子島ではつい最近になって改良されたにゃおにゅ~るが販売されており、森猫様は食べたことがありません。
もしかしたら持っていくと食べてくれるかも。
なおこちらに関しては怒りが静まった後でないと受け付けないそうです。