モフモフ☆ドリームビーチ｜リアクション

モフモフ☆ドリームビーチ

●食べ物で味わう夏

　巫部紫苑は夜の寝子ヶ浜海岸に来ていた。
　ここでは『モフモフ☆ドリームビーチ』というイベントが開催されている。この時間帯は海をLEDライトで照らしていて、美しいイルミネーションで彩られた姿を楽しめる『モフモフ☆ドリームナイト』だ。

「夜の海なんて殆ど来た事なかったですけど……何だかお洒落で、美味しいものもいっぱいで楽しそうです♪　まずは、やっぱりバーベキューですね」

　もはや夏の定番。グリルや器材はレンタルで、肉・海産物・野菜など食材がセットになっている。さっそく肉を焼いて一口食べる。

「んー♪　この感じ、夏ですね」

　それから他の食材も焼いていき、気づけば全部食べ終わっていた。彼女は次のことを考えてメニューを見る。　

「へぇ、青いお料理なんてあるんですね……次はこれを頂きましょう」

　ブルースカイラーメンをはじめ、様々な青い料理が目を楽しませる。

「うん、色も綺麗でしかも美味しい……素晴らしいです♪　こういう色合いの料理も作ってみたいですねぇ。次のメニューは……あら、海の上に何か浮いてますね……？」

　フロートベッドが彩り豊かな海に浮いている。どうやらその上で食事も可能らしい。

「折角だから、海の上での食事というのもいいかもしれませんね」

　紫苑はそこまで移動すると体を預ける。波に揺られる感覚が心地いい。紫苑はモフモフ水着姿のスタッフに声を掛ける。

「このモフモフのホットドッグとピッツァとチキン＆ポテトを頂けますか？　付け合わせは両方お願いします♪」

　注文を承ったスタッフがほどなくして料理を運んできた。並べてみると結構な量だ。ジューシーなものとさっぱりしたサラダ類を交互に楽しみながら海を眺める。

「海に揺られながらの食事なんてなんだが優雅ですね……料理がさらに美味しく感じられます」

　いつのまにか運ばれてきた料理を全て平らげていた。心地よい揺れのなかで、紫苑はのんびりと空を見上げる。

「海も綺麗にライトアップされてますし……ちょっと泳いでみましょう」

　軽く体をほぐして海にそっと入る。太陽が照らす昼の海とは違った美しさ。月明かりでは見られない、幻想的な光景。

「ふふ、夜の海を泳ぐなんてなんだか貴重な経験です♪」

　泳ぐというよりも揺蕩うようにこの海を堪能する。

（あら……なんだかちょっと水着がズレやすいような？）

　支えているものが見えそうなほどにズレても、紫苑はこれといって気にしていないようだ。なんてことないように水着の位置をその都度直す。
　
「さて……泳いだらなんだかお腹すいちゃいました……今度は何食べましょうか」

　うきうきした足取りで、メニューを確認するために海から出た。

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