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偶発的な事故だけどノーカウントを主張するか悩ましい
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まだまだ夏真っ盛りの、8月。
夏休みも無事に始まり、学校がなくても自然と連れ合えるような、そんな仲だけれど。
(ちゅーする日、だもんね)
理由があってもなくても、恋人達に思いを伝えるキスはできるけど、せっかくならイベントごとでのせられるのも、また良いと思う。
どんなキスなら喜んでくれるだろう、それともちょっとびっくりさせようか。
小山内 海
はニコニコと外出準備を済ませ、もう一度鏡を見る。
(キス、かぁ……)
素敵な物になりますようにと願いを込めて、海は鏡の自分へはにかんだ。
可愛い恋人のお誘いを無碍にするわけも無く、
御剣 刀
は待ち合わせ場所に向かっていた。
いつだって呼びつけてもらって構わないけれど、突然のお誘いは何があったのかと気にかかる。
(誕生日は絶対ないだろ、何かの記念日……)
スマホを見て、日付を確認する。特に心当たりのある日付でもないし、祝日でもないから大きなイベントがやっているわけでもない。
手ぶらで行って顰蹙を買わなければいいのだが。
(……まさか、夏休みの課題の進捗報告会?)
3年ともなれば、そこまで深刻に溜め込まずやれていると思うのだが、二人はすでに終わっているのかもしれない。そうなると、勉強会が発生してしまうわけだが――。
まあ、それもそれで会う口実が増えるのは願ったり叶ったりだけれども。
「刀君?」
道すがら
橘 千歳
と合流し、海のお誘いについて話し合う。
ひとまず記念日ではなさそうで、刀は胸をなで下ろした。
「何でもない日だからこそ、夏休みの予定をたてるのもいいわよね」
「千歳はどこか行きたいところ見つけたのか?」
「色々目は通してるんだけど……あっ、海!」
パタパタとかけてくる海は、いつにも増して愛くるしい。
とても待ち遠しかったような、何かを楽しみにしているような笑みをしていて、何か計画してくれていたのかもしれないと刀と千歳は顔を見合わせた。
『今日、りょうに理事長がきて』
「あの?」
こくこくと頷いて、海はペンを走らせる。
『今日はとくべつな日なんだって!』
「来る途中そうかと思ったけど、何も思い当たらなかったな」
「私もよ」
桜花寮の騒ぎは、まだ二人に届いていなかったらしい。
それなら、と海は一つずつ説明することにした。
『今日は何曜日?』
「今日? 確か……」
「火曜日ね」
日付では無く曜日なのかと、刀と千歳は顔を合わせている。
『英語で?』
「チューズデイだよな?」
「刀君、発音……Tuesdayよ」
しかし海は、首を横に振った。
『刀が近い』
「えっ、どうして?」
『Tuesday → チューズデー → ちゅーするでー なんだって』
海がサッとスケッチブックに書いてくれた文字を理解できなくて、千歳は怪訝な顔をしている。
けれども海は、もう一度しっかり主張するようにスケッチブックを軽く振る。ゆらゆらと揺れるピンクのイルカのストラップが、眩しく日差しを乱反射していた。
「チューする日だからチューズデイ?」
「……馬鹿なんじゃないの?」
ようやく理事長が言った意味を理解した千歳は、オブラートも包まず口に出した。
しかし最初に刀が解読してしまったためか、なんとなく冷めた目線は彼に向けられている。
「俺じゃねぇよ! 俺だってアホだと思うわ!」
「ごめんなさい、つい……でも仮にも理事長は年長者、馬鹿だなんて言っちゃいけないわよね」
そう、
仮
にも・
年長者
で・
理事長
という役職。
千歳は一つ一つ言い聞かせながら敬おうとするも、この発案のどこに敬意を示せばいいのかわからず焦点の合わぬ目で遠くを見つめている。
(二人とも、嫌だったのかな……)
確かに校長が言い出して、それを理事長が吹聴しただけのキスの日だから、幸せのジンクスも素敵な謂れもないかもしれないけれど、二人のことを思い出すくらいには楽しみにしてたのに。
刀が思案顔で頭を掻くのを見て、海はしょんぼりとうなだれてしまう。
「そんなのなくてもキスするのに、キスする理由があるのにしないわけにはいかないだろ」
理由はとてつもなくアホだと思う。
アホに違いないのだが、しない理由が見つからない。
「わ、私だって嫌だって言ってるわけじゃないのよ? ネーミングとか、理由付けがね?」
「千歳は恥ずかしいだけだろ? 理由があるくらいが丁度良いと思うけど」
「そんなことないわ、私だって理由がなくたって……」
するの? と期待に満ちた目で二人が見るものだから、千歳は押し黙る。
あの理事長に囃し立てられてするか、自発的にするか選べと言われたら、もちろん。
「じっ、自分の意思でするわよ!」
安堵でいっぱいの海が千歳に駆け寄って、キスを――と思ったのに、何故か足がもつれて千歳を巻き込んで転倒してしまう。千歳が支えてくれたので大事なかったが、キスは狙いを外れて頬になってしまった。
『ご、ごめんね、千歳、大丈夫?』
「わ、私は大丈夫よ。海の方こそ大丈夫?」
ちょっと押し倒すような形になってしまっているのが緊張するけれど、転びかけたのを助けようとしたのだから、こうなってしまうのは当然だろうとも思う。
(でも、海は転けやすい子でも足下に何かあったわけでもないのに……)
少し気がかりに思ったが、海は立ち上がると気持ち新たに刀のほうへ向かっていく。身長差があるため、海を迎えるべく刀は少し屈んで海へ唇を寄せたのだが――。
(あ、れ……?)
やっぱり海の狙いは逸れて、抱きつくような形で刀の首筋にキスをしてしまう。
(今、何かに押された気がしたけど、千歳はそんなことしないし……)
刀も唇にするものだと思っていたから少し不思議に感じたが、考えるよりお返しが先だと海に顔を近づける。
キスに失敗して少し不服そうな顔をしていた海も、慌てて目を閉じ彼からのキスを受け入れるつもりでいたのに――今度は、謎の守護にでもかかっているのか、風にあおられ刀の唇は海の額へ。
「ん?」
別に人を押しのけるほどの突風だったわけでもない。普段なら絶対になんともない風だった。
その証拠に、キスの手元が狂った以外はなんのトラブルも起きていない。
(これは、ナニカ……)
(キスの日なのにキスができない……)
(変なろっこんの暴走?)
三人が神妙な面持ちで顔を合わせる。
このまま、キスができなくなったらどうしよう?
まずは謎の力で転んだり妨害されている二人が心配だと、千歳が駆け寄る。だが例に漏れず、千歳にも謎の力の前には抗えなかった。
「二人ともだいじょ……っ!?」
なぜか、足下にバナナの皮があった。
落ちてたら絶対匂いで気づきそうな、サイズだって視覚に入るだろう普通の大きさの、気づかないほうがおかしそうな、あのバナナの皮だ。
足下にあったのだ。踏めと言わんばかりに。
そりゃあ思い切り踏み抜いて転けるだろう。なんだったら、相手を押し倒してキスくらいしちゃうだろう。
「……頬かぁ」
「わざとじゃないのよ、バナナが、そうバナナの皮がっ!」
「怪我がないなら転んだのは構わないけど」
こうして胸に飛び込んで、何だったら押し倒さん勢いで来られるのは大歓迎なのだけれど、こんなおあつらえの日に上手くキスができないとは許しがたい。
仕方ないねって退くわけがない。こちとら恋人とのキスがかかっているんだ。
(こんなことに愛は負けないんだから!)
ようは、邪魔されないようにしっかりと捕まえておけばいいんだ。
海は気合いを入れて千歳にぎゅっと抱きついてみる。この距離なら転けないし、風にだって負けない。慎重に慎重を重ね、そっと唇を重ねてみた。
「え、海?」
今度は転けたわけでも、何かの作用で偶然ということでもなさそうだ。
大成功と言わんばかりに微笑んで、海はもう一度ぎゅっと千歳を抱きしめる。
そんな成功例を見せつけられて、大人しくしている刀ではない。元来の負けず嫌いの性分も確かにあるが、これだけ気持ちが盛り上がってきたところにお預けなど、できるものか。
(キスするぞ、って確固たる気持ちで……!)
キスって、こんなに気合いを入れる物だったろうか。
もっとこう、力を入れて気遣うべきは他にあるんじゃないだろうか。
それでも、抱き合って笑い合う二人が視線を投げかけてくれば、待たせるわけにもいかない。
(俺は……絶対に、キスを成功させるっ!)
闘志を燃やす刀に、悪戯していたナニカたちは一歩、また一歩と後ずさる。
別に邪魔をしたかったわけじゃない。ハプニングでちゅっちゅとしている様子を囃し立てたかっただけなのに、この三人と来たら慌ても恥ずかしがりもしやしない。
それどころか、こんなに躍起になってむしろキスをしたがるなんて――これはもう、熟練の猛者だ。
――こうさんしましょ
――そうしましょ
そんなヒソヒソ話がされた後、お詫びのようにキラキラと。たくさんのしゃぼん玉が三人を包んだ。
けれども刀は幻想的な景色には目もくれず、一歩ずつ確実に二人と距離を詰めた。気を緩めてキスができないほうが、一番の問題だからだ。
両腕で抱きしめて、何も起こらないことを確認する。もう絶対に、邪魔なんてされたくない。
左腕でしっかり海の頭を支え、微笑む彼女の唇にキスを。
右腕でしっかり千歳の頭を支え、観念したように照れる彼女の唇にキスを。
「……っしゃ!」
まるで、初めてのキスが成功したかのように喜ぶ刀が少し可愛くて、こんなに喜ぶならやぶさかではないかなと千歳は笑っていたのだけれど。
海が抱き合ってる輪から少し身体をずらしてスケッチブックにペンを走らせる。
「海、どうかした?」
『千歳は?』
「私?」
『千歳からは?』
「……えっ?」
「そういや、バナナで転んだ時だけだよな」
するの? と期待に満ちた目で二人が見る姿は、さっきも見たような気がする。
あのとき、なんて言ったっけ。
「わ、私から……?」
こんなに期待して待たれると、とてもやりづらい。
やりづらいけど、今の勢いでしておかないと、後々になるともっとやりづらい。
『千歳』
「千歳」
優しく、愛しく微笑んでいるはずの二人が、千歳には少し意地悪に見えた。
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浅野 悠希
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ブロンズシナリオ(100)
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3人まで
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日常
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10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年05月01日
参加申し込みの期限
2022年05月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年05月08日 11時00分
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