this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
初顔合わせのサマーソング
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
観光がしたいという椎名のリクエストで、まずはシーサイドタウンを案内することになった。
大通りを歩く。とくに目的もないけれど、そぞろ歩きするだけで楽しい。東に南に青い海をのぞみ、ふりむけばそびえる高いビル、さらなる背景は限りなく原色にちかい緑の山々だ。都市部と自然の理想的な融合のように見える。
「いつ来ても興味深いね」
しみじみと椎名は述べた。考えてみれば、ここを訪れるのは彩葉の入学式以来かもしれない。
シーサイドタウンにはあのデパートもあればこのチェーン店もある。都会らしく整然とそろっている。しかし人工的な並列で終わらないのがこの街だ。おろしたてのシャツみたいな白い建物の合間合間に、個人経営による昔ながらの洋食屋やカフェ、服飾雑貨店などが軒を連ねている。年月を経てべっ甲色をおびてなお活気づく、シーサイドタウンの小さな顔役たちだ。その傾向は小路に入ってみればとりわけ顕著で、小さな神社や道祖神、百年以上の歴史がありそうなお地蔵さんが立っているところも椎名の関心をひいていた。
「この小さな通りはケーキ屋さんが多いの。喫茶店とかもあるから帰り際に友達とお茶をしたりできるんだ」
「ほうほう」
元パティシエという経歴ゆえか、椎名は洋菓店にはとりわけ興味をしめした。
「喫茶店で彩葉ちゃんはどんなおしゃべりをするんだい?」
「そりゃあもう色々とね。よもやま話」
「とりとめもない感じかな?」
「『とりとめ』なんて言葉、喫茶店会話の辞書には載ってないよー」
「なるほど。まるで女子高生みたいだね」
「うん女子高生みたいだよ。っていうか実際女子高生だから!」
丁々発止というかツーカーというか、再会してまもないというのに父娘の会話はテンポよくぽんぽんとはずむ。二歩下がった状態で親子のやりとりを聞きながら、拓郎も嬉しくなってしまうのである。
彩葉さん、今日は普段より元気で可愛い気がするな……お父さんとワンちゃんに会えたからかな?
父と娘のあいだを、ちょろちょろと豆はめぐっていた。尻尾はシェイクしっぱなしだ。長めの赤いリードがときどきもつれて、リボン飾りのようになっている。
ぐるりひとめぐりして駅に戻ったところで彩葉が提案した。
「じゃ、つぎは電車に乗って旧市街まで行ってみようかー!」
「それは楽しみだ」
椎名が「おいで」と言いキャリーバッグを下ろし口をひらくと、「がってん承知」と言わんばかりに豆はカバンに飛びこんだ。
「この子……なんだか言葉……通じてるみたいに、思う……ぞ」
拓郎が目をしばたたくと、そりゃもちろんと椎名が応じた。
「お豆はおりこうボーイだからね~!」
「ボーイ……ということは、男の子……ですね……」
「そうなんだ。高梨家の三男坊だよ」
なぜか得意そうに椎名は胸を張った。
「三男……? あれ……? 彩葉さんのお兄さんは、一人だけの……はずでは……?」
拓郎は首をかしげる。彩葉の兄が長男で、柴犬豆が弟なのだとすれば『次男』と呼ぶべきではなかろうか。別のペットもいてその子が次男ということか。それとも……?
「拓郎、あんまり悩まないで」
彩葉が助け船を出してくれた。
「うちのお父さんときどき、自分が我が家の長男だって名乗ることあるから。子どもっぽいもんで」
「子どもっぽい? いやいや、『ヤング』って言ってほしいね」
「その名乗りは全然若々しくないよっ!」
オーノーと肩をすくめ椎名は天を仰いだ。
「そのリアクションも!」
父には容赦のない彩葉である。
ねこでんの大きな車窓から海と街とを、交互に堪能したらもう寝子島駅だ。わずかひと区間、それでも犬にとっては退屈このうえない時間だろうに、バッグのなかで豆は前脚をそろえて狛犬になったかのように静かにしていた。
ぴったり隣接しているにもかかわらず、シーサイドタウンと旧市街ではまるで街の表情が異なる。
現代的なのがシーサイドタウン、いい意味で前時代的なのが旧市街である。首都圏からは失われつつある光景だ。十年二十年どころかバブル期よりもさらに前、椎名にとっては子ども時代のような商店街がひろがっていた。
量り売りで味噌を売っている個人商店がある。レバー式のコインゲームを設置している駄菓子屋がある。レコード店はアナログレコードどころかカセットテープまであつかっていて、スーパーマーケットではなく八百屋に魚屋、肉屋が別個に、それも複数存在している。カフェではなく純喫茶があって、しかも『パーラー』という看板をかけているではないか。
「ああ、なんだか懐かしいなあ……心のふるさとって感じがするよ」
ふたたびしみじみする椎名なのだ。
「おいしい洋食屋さんがあるんだよ。お昼に食べようか」
「名物は……コロッケ、です」
「コロッケとあっては聞き逃せないなあ。しかも名物! 期待させてもらうよ」
全員一致で洋食屋ののれんをくぐった。
「もちろんお父さんのおごりだよ。若者たち、どんどん食べてくれたまえ」
椎名は豪勢にふるまう……つもりだったが、価格はリーズナブルなのにボリュームはたっぷりで、各自一人前で充分すぎるほどだった。揚げたてサクサクのコロッケと、新鮮なキャベツのとりあわせを存分に味わった。
満腹というよりはいささかオーバーカロリー気味、胃のあたりを手でおさえつつ椎名は言うのである。
「食後の腹ごなしにちょっと歩きたいな」
「じゃあ寝子島神社のほうに行こうよ」
「うん……石段もあるし、いい運動になると思う……」
店外で再度狛犬になっていた豆は、どうやら広い場所にむかうらしいと察知して、跳ねるみたいに歩き出した。
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
初顔合わせのサマーソング
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月18日
参加申し込みの期限
2022年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!