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寝子島高校
初顔合わせのサマーソング
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まだ昼前だというのに寝子島は、真夏日らしい気温に日差しだ。黙って立っているだけで、火のついたロウソクみたいに汗をかく。
でも
志波 拓郎
が感じているのは、じつのところ暑さではない。
もちろん体内の感温センサは赤いところを指して久しいのだけれど、自分のいるこの場所の真上に、鋭利な刃のギロチンがロープに吊り下げられてゆらゆら揺れている、しかもそのロープに興味をもった一匹のネズミが、味もせぬだろうにカリカリと根元をかじっている――そんなシチュエーションに似たものを感じている。
端的にまとめると、緊張している。
彩葉さんのお父さん……いったいどんな人なんだろう。
こ、怖い人じゃないといいけど……。
拓郎は、音を立てずツバを飲みこんだ。浮き足立ちそうになる心を深呼吸で鎮める。
そんな拓郎の内心を知ってか知らずか、
「そろそろかな?」
何気ない口調とともに、
高梨 彩葉
は駅舎の時計に目をやった。
寝子島電鉄シーサイドタウン駅、ふたりはここで待っている。
来訪者が改札をくぐるのを待っている。
「あ、来た」
そう、来訪者とは――。
「お父さん!」
彩葉は手をふって合図した。大きなキャリーバッグを肩から提げた男性が、彩葉に負けぬ勢いで手をふり返した。
シアサッカー地のジャケットはあざやかなネイビー、シャツは水色で清潔感がある。淡い茶色のチノパンツも若々しい印象だ。髪色は彩葉によく似た栗色で、整った口ひげはダンディと呼びたくなる。おそらく五十代であるはずだが、目元が柔和なせいかずっと若く見えた。彼がひげをたくわえているのは、顔と年齢のバランスをとるためかもしれない。
小走りというよりダッシュに近い速度で、彩葉の父
高梨 椎名
は飛び越えるようにして改札をくぐった。
彩葉も駆けよる。
おお! このとき椎名の目に熱いものが押しよせたとして誰が笑えよう。
待ってたぜェ!! この『瞬間(とき)』をよォ!!
がらにもなく懐かし漫画の名台詞が頭に浮かんだとしても非難はできないはずだ。
「彩葉ちゃん!!」
足をとめキャリーバッグを置いてここだよとばかりに両腕をひろげ、椎名は娘が飛びこんでくるのを待ち構えた。
しかし椎名待望のハグの瞬間(とき)は訪れない。
「お豆ーっ!」
父親を完全スルーし、彩葉はしゃがんでキャリーバッグを開けたのである。ぴょこんとバッグから飛びだしてきたのは一匹の豆柴犬、その名も
豆
だ。はげしく尻尾をふり鼻面を彩葉に押しつけた。もちろん彩葉も豆に頬をすりすりして最大限の愛情表現をおこなう。
椎名は固まっている。ブラジル名物コルコバードのキリスト像のようなポーズのまま固まっている。
「彩葉ちゃん……お父さんはさびしいよ……」
目に押しよせた熱いものは、行き場を失ってホロホロとこぼれた。
「しくしくしく……」
拓郎は安堵した。
すくなくとも、怖い人じゃなさそうだ。
なにせ彼は自分の口で「しくしくしく」と言っているのである。
でも同情を覚えてもいた。
喜怒哀楽マイナス怒哀状態でハッピーオーラにつつまれている彩葉たち、一方でコルコバードのほうは今なお塑像で、ただ『哀』の一文字で表現可能だったから。
お父さんって……切ないんだな……。
せめて自分だけでも、と拓郎は彼に暖かい視線を向けるのである。
「それで」
ようやく立ち直って椎名は言う。
「そちらの彼が……ということかい?」
豆を抱きあげて彩葉はこたえる。
「うん、
恋人!
」
あえてお茶を濁した父に対し、娘のほうはまるで屈託がない。
うっ。声に出さないものの拓郎は照れる。
当然、父も照れる。
それだけインパクトのある単語だ。『ボーイフレンド』とか『カレシ』とかイージーな表現を飛び越えストレートに『恋人』なのだから。
しかし硬直してはいられない。清水の舞台から飛び降りる覚悟で、されどもつっかえつっかえ拓郎は頭を下げた。
「は、はじめまして。志波拓郎といいま……」
拓郎が言い終えることはかなわない。椎名が言葉をかぶせたからだ。
「うん。私は彩葉の父で椎名というんだよろしく」
力強く、確信を持って椎名はつづける。
「そして拓郎君よ、
彩葉ちゃんが欲しければお父さんの屍を越えてみよ!!
」
KABOOOM!
メガトン級爆弾が炸裂したような衝撃が場を駆け抜けた。
泡を食ったのは彩葉である。総髪が逆立ったような気分で伸びをする。
「いきなり何言ってるのー!?」
言うにこと欠いて屍を越えろと!? ただならぬ気配を感じたか、豆もおろおろするばかりだ。
けれど拓郎は動じない。むしろ落ち着いて、受け取ったダイナマイトワードを心に反芻するのだった。
……え? 屍を越える?
まずは拳で語り合おうということか。中途半端な力量の男なら認めない……ということだな……。
良かった。
それなら得意なほうだ。
覚悟完了にして明鏡止水の心境、拓郎は左右の拳を軽く握り、肩を回して呼吸を整えた。
「分かりました」
相手は壮年をすぎた年長者だが、手加減などすればそれこそ失礼になろう。
「全力で挑ませてもらいます」
静かに、静かに息を吐き出す。
「ほらー!」
彩葉はステップして両者のあいだに割りこんだ。父に非難の声を上げる。
「変なこと言うから拓郎が臨戦態勢に入っちゃってるじゃーん!」
えっ! 椎名は体操選手ばりのエビ反りでのけぞった。
「ええ……どうしよう……」
目を白黒させるほかない。たしかに娘の彼氏から、無音ながら問答無用の圧を感じる。熊に挑まんとする格闘家のような。ちょっとシャレにならない展開を招いてしまったのかもしれない。
「本気に受け止められるなんてお父さん予想外!!」
溺れる人を表現しているパントマイマーのごとく、両手両足までつかって椎名はあたふたする。
「お父さんも本気に受け取られたからってあわあわしないでよ~~!」
豆を抱いたまま彩葉は九十度回転すると、はいストップ! ストップだからね! と拓郎に呼びかけた。
「……え、ストップ?」
間髪いれず椎名が合いの手を入れた。
「そうそう! オンリー・ジョーキング! 冗談だってば!」
「冗談……?」
わかったとたん、スチームアイロンになったかのように拓郎の全身から闘気が抜け空にのぼっていった。
「……で、ですよね!」
うわあ、ド真剣になってしまった。恥ずかしい……! 拓郎は顔を赤らめた。やっぱり緊張しすぎていたようだと反省することしきりである。
「いや~、ごめんね~。僕も娘のボーイフレンドを紹介してもらうなんてシチュエーションはじめてなんで舞い上がっちゃって~。お恥ずかしい」
後頭部に手をやり椎名はポリポリとかいた。
「舞い上がりすぎだよっ!」
彩葉が怒るのももっともだけど、と椎名は考える。
でもおかげで、緊張がいい感じにほぐれたと思うんだ。
「こ、こちらこそ……冗談通じなさすぎですいません……」
拓郎はすっきりした気分で笑みを浮かべた。
面白いお父さんみたいだ。
仲良くできそうだな、うん。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSSS(600)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2022年02月18日
参加申し込みの期限
2022年02月25日 11時00分
アクション投稿の期限
2022年02月25日 11時00分
参加キャラクター一覧
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