【期末テスト】赤点？満点？？熱風、四日間の死線＜物語編＞｜リアクション

【期末テスト】赤点？満点？？熱風、四日間の死線＜物語編＞

●幽霊のいたずら

　期末試験４日目。
　三条神無は窮屈な気持ちを抱いていた。

（こんなギュウギュウ詰めの教室でテストを受けるのは、正直気持ちいい物ではなかったわ。でも、今日で最後。最後の一日も、努力するまで）

　どうやら彼女にとって試験内容というより、こういう形式で試験を受けることがあまり好きではないらしい。しかも、なぜか試験を受ける生徒のなかに幽霊が混ざっている。
　実はそれ自体は１日目から教室に現れていた。真面目に試験を受ける幽霊もいれば、カンニングしようとしてる幽霊、他にも『答え見せてよ』と耳打ちしてくる幽霊もいた。
　しかし神無はさほど気にしていなかった。簡単に言えば実害が無かったから。だから彼女は気に留めていなかった。しかし家庭科の試験中、それは起きた。

（……今までの幽霊たちはあまり気にならなかったけれど、今回のは露骨に体を触ってきているわね。それでも、テストは進めないと……）

　神無は極力無視しようと試験問題と向き合う。すると神無に近づいた色情霊が指で首筋を撫でる。

（！？）

　思わぬところを触られて身構える。その手はそのまま鎖骨を通り、さらに下へおりる。そして胸元の突起を両手でつままれると、神無の身体が軽く跳ねる。

（んっ、そこ、つままれたら、教室の中なのに……声、出ちゃう……幽霊が、見えてない人もいるのにっ……）

　いま神無の様子を見ている人は何を思うだろうか。いや、今は試験中なのだ。解答用紙に視線を落としているはず。頭ではそう思っていても、誰かの視線を意識してしまう。さらに幽霊は神無の服に手を掛けた。

（えっ！？　この幽霊、私の服を脱がそうとしてる……！　でも、体がっ、思うように動かない……）

　もはや幽霊にされるがままになっている。さらに手は胸元から腹部へと下り、鼠径部に指を這わせる。

（この子、服を脱がせるだけじゃ……物足りないの？　んっ…… なら、もういっそのこと、彼に身を委ねてみっ……あっ……!）

　そのときチャイムが試験終了を告げた。それと同時に幽霊も離れていった。そこには、息を懸命に整える神無だけが残された。

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