迷子の人魚のメイコさん｜リアクション

迷子の人魚のメイコさん

●帰りの時間
　しばらくしてラッセルと合流し、寝子島電鉄の沿線までやってきた。
　すると、メイコに「こちらへ進んでいただけますか？」と提案され、そのまま進むと……周囲の景色が一変。
　気付けば洋風の駅に降り立ち、外には砂丘が広がっていたのだ。
「これって、俺達が霊界に入ったのか！？」
「駅の外、ずっと向こうまで砂だらけだぜ！」
　周囲を見回すラッセル達は、初めて目にする霊界の一端に、驚かずにはいられなかった。

　黄橡（きつるばみ）駅に辿り着くと、メイコは浮遊して、キャリーワゴンから降り立つ。
「本当にありがとうございました、私一人だったらどうなっていたことかと……」
　あとは魔行列車の到着を待つばかり。
　束の間の交流を惜しむように、それぞれ言葉をかけていく。
「メイコちゃん、またな！　今度は海で会おうな♪」
「次は寝子島観光で来られるといいな、またおいで」
　龍樹と修の言葉に「ぜひ！」と本人も乗り気な様子。
「ねえねえ、海底なら人魚って一杯いるんだよね？　あたし、人魚コスプレ気に入っちゃったからさ、参考にできそうな人？……魚？　紹介してよね！」
　じっくり観察できなかったと悔やむ奏子は、リベンジするべく、今度は衣装作りの参考にさせてもらうと宣言。
（「再現度高めのコスなら、動画の視聴率アップ間違いなしだよね！」）
　露出が多すぎてBANされないか……は、この際おいておこう。

　数分後、ホームに昭和レトロな魔行列車が、音もなくやってきた。
　電車内にメイコは乗りこみ、もれいび達に向き直る。
「今度は霊界案内してくれよな」
「メイコのカプギア用意しとくッス、一緒に遊ぶッスよ！」
　ラッセルと桐子の言葉に大きく頷き返し、ドアが閉まると、魔行列車が静かに動きだす。
　
　――こうして、秘密の脱出作戦は大団円を迎えた。

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：木乃
ファンレターはマスターページから！

マスターの木乃です。
もれいびの皆様、ご参加ありがとうございました！
「霊界」や「妖怪」という新要素が新たに加わっておりましたので、
交流できる機会は作れないかな？と考えた結果が本作となります。
幽霊、妖怪、付喪神……夏の寝子島には他にも色んなあやかしが潜んでいるかもしれませんね。
久しぶりのシナリオとなりましたが、楽しんで頂けましたら幸いです！

人魚のメイコさんは今回限りの予定ですが、また機会があれば登場するかもしれません。
源頼子も今回が初登場でしたが、今後も事件をお届けしに参りますので相手してやって下さい。

それではまたご縁がありましたら、よろしくお願いします！

↑ページトップに戻る