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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
夏蜜柑と冬の精霊
まゆらは再び細い路地に逃げ込み、さらに強く風鈴をならした。速度は落ちたが、やはり追ってくる。
「てことは」
トートバックから２個目を取り出し、鈴を鳴らすように激しく振る。ちりりりんという強い風が吹いている夏の日のように涼やかな音が鳴り響く。追いかけてきていた冬の精霊が小さくなって来ているような気がする。
「！」
細い路地を抜けながら、まゆらは前方に見えてきた、格子付きの窓に気づいた。民家の後ろなのだろう。
「ここにこうして」
風鈴の紐をくくりつけて、素早く走るのを再開する。
振り返ってみると、冬の精霊は動けなくなっていた。
「里までダーッシュ」
どうにか辿り着けそうである。
龍樹の頼みにかんなは目を瞬かせる。
「水、着？」
「あぁ、女子用の方が効果あると思うんだ」
「……」
あまりの頼みにクール少女も目が点のようだ。
「あっ、いや！ 別に変な目的じゃないんだ。実は冬の精霊ってやつに襲われそうになっててさ。皆の夏休みを守るために必要なんだよ」
「いや、意味わからないし。ていうか、漫画で見たことあるんだけど……これってビンタする場面？」
戸惑いが大きいようだが、セクハラ扱いされそうになっているらしい。
「違うんだって」
龍樹の必死な様子に、かんなはますます混乱しているようだ。
「……水着、まぁ、プールの帰りで持ってるけどさ」
と、その時。
冷気が龍樹の足元に触れた。
「やばっ」
路地から飛び出してきたのは冬の精霊である。
「何！？」
「くうっ、追いついてきた。頼むかんなちゃん。水着を見せつけてくれ」
「え、ええ？」
かんなが水泳バックに手を伸ばした時、冬の精霊が襲いかかってきた。
「！ きゃ……きゃあっ」
かんなはとっさに取り出した水着を冬の精霊に投てき。ベチャッと音がしてかんなの水着が落下。冬の精霊は一瞬で消し飛んでいた。
修はあおいを連れて里への道を戻っていた。リアカーの夏蜜柑を早く届けなければ。
路地に入ったところで、待ち伏せていたのは、
「あ」
あおいが呟く。白い靄、冬の精霊である。路地がみるみるうちに凍ってゆく。
「夏蜜柑に誘われて来たか」
襲われるのは想定内だ。
「聞いてくれ、冬の精霊。何か主張があるんじゃないか？ 俺で良かったら聞くが」
冬の精霊がこちらの言葉を理解する様子はない。獲物を狙う動物のようにこちらの様子を伺っているようだ。
「だめか」
その瞬間、襲いかかってきた。
「あおい、戻って路地を出たら左だ。そこから別の路地へ」
「修君は」
「すぐに追いつく」
修は夏蜜柑を囮に、飛びかかってきた冬の精霊に手持ち花火を突き出した。
嫌がるように狐の姿が白い靄になって分裂する。
「効果ありか」
夏蜜柑を冬の精霊の足元に転がし、あおいを追って走り出すも、すぐに回復して追いかけてくる。
修は懐から水鉄砲を取りだした。
走りながら後ろに向けて撃つ。
射程は短いが、冬の精霊の動きが遅くなったような気がする。
（一か八か）
修は立ち止まって体を反転。向かってくる冬の精霊へ水鉄砲を発射した。
甲高い声とともに嫌がる素振りをする冬の精霊。
「よし」
修は水鉄砲で牽制しながら、あおいとリアカーの元へ。
「早く修君」
「今のうちだな」
あおいと共にリアカーを押して里への入口へ入ると、かまくらの中ですでに龍樹とまゆらがリスとともに待っていた。
「おお、皆さん、ありがとうございます」
リスはオレンジ色に光り輝いていて、夏蜜柑の力を集めているようだ。
修達が持ってきた夏蜜柑でパワーが十分に溜まったらしい。
力を得たリスは、一瞬で雪を溶かして行った。
雪が消え、吹雪が止み、真夏の太陽が里を照らす。
溶けたかまくら、天井が外側へ崩れて、真っ青な青空が顔を出した。
「綺麗……」
まゆらが一言。
「すっげぇ！ これ、夏が戻ったのか？」
興奮した様子の龍樹。
「ああ、そうみたいだな」
修は二人に頷き、最後にあおいを見る。
帰りにもらった夏蜜柑はそれぞれ持ち帰ることになったのだが、
「帰ったらゆっくり食べよーっと」
まゆら。
「母ちゃんとたべようかな！」
龍樹。
「マーマレードジャム？」
「そう。修君にも作り方教えてあげよっか？」
修にあおいが楽しそうにそう言った。
「てことは」
トートバックから２個目を取り出し、鈴を鳴らすように激しく振る。ちりりりんという強い風が吹いている夏の日のように涼やかな音が鳴り響く。追いかけてきていた冬の精霊が小さくなって来ているような気がする。
「！」
細い路地を抜けながら、まゆらは前方に見えてきた、格子付きの窓に気づいた。民家の後ろなのだろう。
「ここにこうして」
風鈴の紐をくくりつけて、素早く走るのを再開する。
振り返ってみると、冬の精霊は動けなくなっていた。
「里までダーッシュ」
どうにか辿り着けそうである。
龍樹の頼みにかんなは目を瞬かせる。
「水、着？」
「あぁ、女子用の方が効果あると思うんだ」
「……」
あまりの頼みにクール少女も目が点のようだ。
「あっ、いや！ 別に変な目的じゃないんだ。実は冬の精霊ってやつに襲われそうになっててさ。皆の夏休みを守るために必要なんだよ」
「いや、意味わからないし。ていうか、漫画で見たことあるんだけど……これってビンタする場面？」
戸惑いが大きいようだが、セクハラ扱いされそうになっているらしい。
「違うんだって」
龍樹の必死な様子に、かんなはますます混乱しているようだ。
「……水着、まぁ、プールの帰りで持ってるけどさ」
と、その時。
冷気が龍樹の足元に触れた。
「やばっ」
路地から飛び出してきたのは冬の精霊である。
「何！？」
「くうっ、追いついてきた。頼むかんなちゃん。水着を見せつけてくれ」
「え、ええ？」
かんなが水泳バックに手を伸ばした時、冬の精霊が襲いかかってきた。
「！ きゃ……きゃあっ」
かんなはとっさに取り出した水着を冬の精霊に投てき。ベチャッと音がしてかんなの水着が落下。冬の精霊は一瞬で消し飛んでいた。
修はあおいを連れて里への道を戻っていた。リアカーの夏蜜柑を早く届けなければ。
路地に入ったところで、待ち伏せていたのは、
「あ」
あおいが呟く。白い靄、冬の精霊である。路地がみるみるうちに凍ってゆく。
「夏蜜柑に誘われて来たか」
襲われるのは想定内だ。
「聞いてくれ、冬の精霊。何か主張があるんじゃないか？ 俺で良かったら聞くが」
冬の精霊がこちらの言葉を理解する様子はない。獲物を狙う動物のようにこちらの様子を伺っているようだ。
「だめか」
その瞬間、襲いかかってきた。
「あおい、戻って路地を出たら左だ。そこから別の路地へ」
「修君は」
「すぐに追いつく」
修は夏蜜柑を囮に、飛びかかってきた冬の精霊に手持ち花火を突き出した。
嫌がるように狐の姿が白い靄になって分裂する。
「効果ありか」
夏蜜柑を冬の精霊の足元に転がし、あおいを追って走り出すも、すぐに回復して追いかけてくる。
修は懐から水鉄砲を取りだした。
走りながら後ろに向けて撃つ。
射程は短いが、冬の精霊の動きが遅くなったような気がする。
（一か八か）
修は立ち止まって体を反転。向かってくる冬の精霊へ水鉄砲を発射した。
甲高い声とともに嫌がる素振りをする冬の精霊。
「よし」
修は水鉄砲で牽制しながら、あおいとリアカーの元へ。
「早く修君」
「今のうちだな」
あおいと共にリアカーを押して里への入口へ入ると、かまくらの中ですでに龍樹とまゆらがリスとともに待っていた。
「おお、皆さん、ありがとうございます」
リスはオレンジ色に光り輝いていて、夏蜜柑の力を集めているようだ。
修達が持ってきた夏蜜柑でパワーが十分に溜まったらしい。
力を得たリスは、一瞬で雪を溶かして行った。
雪が消え、吹雪が止み、真夏の太陽が里を照らす。
溶けたかまくら、天井が外側へ崩れて、真っ青な青空が顔を出した。
「綺麗……」
まゆらが一言。
「すっげぇ！ これ、夏が戻ったのか？」
興奮した様子の龍樹。
「ああ、そうみたいだな」
修は二人に頷き、最後にあおいを見る。
帰りにもらった夏蜜柑はそれぞれ持ち帰ることになったのだが、
「帰ったらゆっくり食べよーっと」
まゆら。
「母ちゃんとたべようかな！」
龍樹。
「マーマレードジャム？」
「そう。修君にも作り方教えてあげよっか？」
修にあおいが楽しそうにそう言った。
あとがき
担当マスター：
高城ヒト
ファンレターはマスターページから！
夏蜜柑とVS冬の精霊お疲れ様でした。
真夏に真冬の光景が広がっていたら、誰でも戸惑いますよね。あるいは寝子島も影響を受けて雪景色になるところだったかもしれません。
たくさんの蜜柑達がすくわれたかと思います。
是非、凉しい場所で夏蜜柑を味わって下さいね。
ご参加ありがとうございました！
真夏に真冬の光景が広がっていたら、誰でも戸惑いますよね。あるいは寝子島も影響を受けて雪景色になるところだったかもしれません。
たくさんの蜜柑達がすくわれたかと思います。
是非、凉しい場所で夏蜜柑を味わって下さいね。
ご参加ありがとうございました！
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2021年12月24日
- 参加申し込みの期限
-
- 2021年12月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2021年12月31日 11時00分
