夏の暑い日。
陽炎が見える道を歩いていたあなたは、視線の先でころころと地面を転がる、蜜柑を見つけた。
「え!?」
やや大きめの、恐らく夏蜜柑だ。そう直感的に思った。と、横から出て来た小動物がその蜜柑を拾った。オレンジ色のリスのような生き物はあなたをちらっと見ると、軽い足音を立てて、走って行ってしまう。なんとなく追いかけなくてはいけない気がして、走り出した。
「待って」
オレンジ色のリスは細い路地へと入って行った。後を追うと、
「あれ」
曲がり角の向こう、そこには見覚えのない田舎の風景が広がっており、雪がちらついていた。しかも辺りには積もっている。やたらと同じような木が並んでいるが、なんの種類だろうか。
それはともかく、どう見ても真夏の光景ではなかった。
「さっむ!」
汗が一気に冷えて氷の粒にでもなったようだ。自分の体を抱きながら、辺りを見回すが、知らない場所だ。
と、そばにかまくらがあることに気づいた。中を覗くと、こたつがあり、そのテーブルに蜜柑を持った先ほどのリスが乗っていた。
「こ、こんなところに」
追いかけてきたものの、何故追いかけてこようと思ったのか思い出せなかった。誘われるようにここまで来てしまったのは何が不思議な力が働いたのだろうか。
「あのっ」
小さい女の子のような声にはっとする。リスがキラキラした目でこちらを見ていた。
「私です!」
リスがぴょんぴょんと飛び跳ねる。
目を擦ってみてもやはり、喋っている。
「何これっ」
「すみません、夏蜜柑を持ってきてもらえませんか」
「はい?」
「ここは蜜柑の里……冬が来てしまったんです。
「冬……?」
「寝子島のパワーがいっぱいに詰まった夏蜜柑がたくさんあれば、冬を追い出せるかもしれません!」
高城ヒトです。
今回は冬が到来してしまった「蜜柑の里」に夏を戻すために頑張るシナリオになっています。
概要
寝子島のとある路地から行ける不思議な空間、美味しい蜜柑が生息する「蜜柑の里」では、
この時期、美味しい夏蜜柑がたくさん生っているはずでした。
しかし、突然現れたいたずら好きの冬の精霊が冬を呼んでしまい、夏蜜柑が育たなくなってしまったそうです。
夏の太陽をいっぱいに浴びた、美味しさと夏のパワーがぎゅっと詰まった夏蜜柑だけが、
冬の精霊を撃退することが出来るのですが……。
あなたは助けを求めてきた、蜜柑の里ではたらくリスに頼まれて、
夏の寝子島で夏蜜柑を調達しにいくことになりました。
夏蜜柑探しの途中で、冬の精霊の邪魔が入ることもあるでしょう。
上手くかわして、「蜜柑の里」に夏蜜柑を届けましょう。
<冬の精霊について>
真っ白な狐の姿をしています。
局地的に吹雪かせたり、雪玉、氷を飛ばして来たり、時には体当たりなどの物理的な攻撃もしてくるでしょう。
夏蜜柑を持っていると襲ってきますので、お気をつけて。
その他、夏を感じさせるものを見せつけたり、ぶつけたりすれば、怯ませることくらいは効果があります。
寝子島で集めた夏蜜柑を、蜜柑の里にいるリスに渡すと、そのパワーを結集し、
冬の精霊たちを追い払ってくれます。
パワーを集中するのには時間がかかりますので、その間に襲ってくる冬の精霊からリスを守りましょう。
アクションに書いてほしいこと
①どこに買いに行くか? スーパー、八百屋、農家の販売所などなど。
冬の精霊のせいで、お店が寒気に見舞われていることもあるようです。
②冬の精霊が襲ってきた時の対処法。
夏っぽい何かで迎え撃ったり、ひたすら逃げ回ったり。
③お土産に夏蜜柑をたくさんもらえます。
その場で食すもよし、料理するもよし。雑談するもよし。
です!
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
NPCといっしょに解決を目指したり。NPCといっしょに夏蜜柑を食べたり。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、口調などのキャラクター設定をアクションに記載してください。
キャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
以上になります。ご参加お待ちしております。