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海のかけらに想いをこめて
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●夏のピアスと
ひらひら手を振って部屋を出た直後。
ドアについた小さなはめ殺しのガラス窓から覗き込んだ恩は、中の様子に満足して頷いた。
彰尋の集中の邪魔にならないためとはいえ、いきなり二人きりにするのはどうかと案じていたが、あの様子だとうまくやっていけそうだ。
これなら安心ね、とその場を離れ、店のほうへ向かった。
『memoria』は店としては小規模なものだ。しかしワンフロアの店内は奥行き感を出す工夫がいろいろされていて、外から見たほど狭さを感じない。陶器やガラス製の商品が陳列された年代物のショーケース、浮き島、天井からのモビール。どの商品も無駄なく、正しい場所に落ち着いている安心感。そして統一された雰囲気
(カラー)
。
即ち店の主のカラーだ。
人の気配に振り返った黒衣の美女、
密架
(ひそか)
が、さながら1枚の絵画のようにこの店にぴたりとはまっていた。どこか暮色然とした、追慕のようなものを感じさせるその光景に、恩はなんだかうれしくなる。
「密架さん、アクセ見させてくださいな♪」
「あら。ええ、どうぞ見てちょうだい」
「何か新作入ってます?」
「先週届いて、荷ほどきしたばかりの物が幾つか。ちょうど値付けが終わって、並べていたところだったの。
見る?」
「わあ。ぜひ」
密架の後ろについてアクセサリーコーナーへ向かい、ショーケースを覗き込む。恩の目にとまった品を、密架がケースから出して並べてくれた。
ピアス、イヤリング、ペンダントトップ。どれもオイスターコッパーターコイズをメインに作られていて、ターコイズのあざやかなブルー、コッパーの爽やかなオレンジ、シェルのアイボリーホワイトといった夏カラーのコントラストをゴールドの輝くラインがなぞっていて、まるで瑪瑙のような模様が美しい。どれ1つをとっても同じ模様のない、オンリー・ワンの品だ。
その中から、恩は大きめの飾りのついた物を手に取った。
「これすてき。ほしいわ。でも、イヤリングなのね」
「少し待ってもらえるならピアスに替えることもできるわよ」
「ほんと。じゃあお願いしようかしら」
「喬に言って、すぐに仕立ててもらってくるわ。よかったら他の品を見て、時間をつぶしていてちょうだい」
「そうさせていただきます」
イヤリングを乗せたトレイを手に奥のワークルームへ向かう密架を見送って、恩は再び陳列された商品に目を戻した。
「2つくらい買っちゃおうって思ってたのよね」
あのターコイズは高価そうな見た目と違ってリーズナブルで、想定内の金額だったから、十分2つ目を買う予算はある。
以前見たことのある物、初めて見る物。夏らしい品々を順に見て、指を滑らせていた恩は、ショーケースの一番奥の端に控えめに置かれたアクセサリーの一群を目にして指を止めた。
タンザナイトとサンタマリアアクアマリンをメインジュエルとして嵌め込んだリング、バングル、ネックレス、ペンダントトップ、イヤリング、ヘアアクセサリー。エスニックでアジアンな品々の、どれもが繊細で優美なカーブを描いている。台座のホタルガラスと黒蝶貝が夜空のようでもあり、深海のようでもあり……。
立てられたカードにはカリグラフィーで『Azure-Aqua
(空の青と海の青)
』との飾り文字と、小さく作家名があったが、名を見なくても、恩は喬の作品だと確信していた。
彼の作品は常にストーリー
(テーマ)
を感じさせる。
「お待たせ。……何か気に入った物見つかった?」
戻ってきた密架が、恩が釘付けになっているのを察して、そっとその脇についた。
「ああこれね。値段の割にいい石を使っていてとてもお買い得よ。ばら売りの許可も得ているから、1つから購入できるわ」
話しながらショーケースから出す密架の胸元を見て。ストールを止めたブローチが、このシリーズの物だと気付いた。
喬は新作を作るといつもシリーズの中から1品を密架に贈っている。素直になれない彼なりの、伯母への恩返しなのだろう。
「中山ちゃんは、大学に行ってないですよね。作家を本業にされたんです?」
その質問に密架は少しためらいを見せ。「ええ」と答えた。
「入試に失敗しちゃったの。正樹さん……喬のお父さんは、前々から、大学へ行かないなら戻ってこいと言っていたんだけど。でも」
その矢先に喬は外で発作を起こした。母親について質問されただけで。
遠く離れたここへ移って、好きなだけ創作活動ができるようになってからは心身ともに安定して、人づきあいもできるようになり、かなり良くなったように見えるからもう大丈夫なのではないかと密架も考えていたが、あの様子ではまだ戻すのは無理だと結論した。
ただ、そういうことはさすがに他人には言えないから。
「来年また受けるからと正樹さんを説得して、今は浪人中ってとこかしら。本人は勉強より創作活動のほうに夢中みたいだけど」
「浪人生ですか。大変ですね」
「固定客もつきだしているからやめなさいとも言えなくて」と笑う密架の様子から深刻な感じはないと判断して、恩もほっとする。そして黒蝶貝とブラックパール、サンタマリアアクアマリンで作られたイヤリングを「これをください」と指さした。
「ありがとう。それじゃあこれもピアスに替えてもらうわね。
そろそろお茶を差し入れようと思っていたの。あなたも向こうで一緒にどうかしら?」
「ありがとうございます。いただきます」
後ろについて歩き出した恩を振り返り、密架が告げた。
「喬はしばらくこのシリーズで作品を出していくと言っていたから、もう1~2週間してまた見に来てくれたら、新作が出ていると思うわよ」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月22日
参加申し込みの期限
2021年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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