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海のかけらに想いをこめて
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●イヤリングを作ろう
「金属アレルギーの事は普段身に着けている姿を見ているわけじゃないので、アレルギーでも安心してつけられるサージカルステンレスのものでお願いします。
それと、これを使って作りたいんですが……」
彰尋はかばんから取り出した物を作業机に置く。包んであった布を開いて、シーグラスを喬に見せた。
寝子島海岸であおいと一緒に探した、思い出の猫の目シーグラスが2つと普通のシーグラスが幾つか。そこに、恩からもらったシーグラスの入った紙袋を置く。
「色も形もふぞろいですが」
「コンセプトははっきりしてるのか? イメージだけでもいいが」
「はい。若い女性用の物で、普段使いできる物をと思ってます。この猫の目を左右にして。シーグラスの大きさは違っているけど、デザインと他の材料を一緒にすれば統一感は出せるんじゃないかと思って」
聞きながら、喬はデザイン帳と色鉛筆を彰尋に差し出した。
「副資材は棚にあるやつを好きに使っていい。それと合わせた形の書き起こしからだ。空想のままやるより時間が短縮できるし、完成度が高い。
気を付ける点は重さだ。このシーグラスは軽い物ばかりだが、それでもゴテゴテ飾りすぎると耳への負担が大きい。イヤリングだと落として紛失する可能性もある。それと、左右で重みが違いすぎると装着時に相手が違和感を感じ続けることになる。以上の点を踏まえて、何点か描いてみろ」
「わかりました」
デザイン帳と色鉛筆を机上に開いて、まずは棚の材料を見ることにした。
台座の金属類が豊富で、さまざまな形の小粒の貴石、それに好きな長さでカットできる小さな鎖が数種類。これはと思う物を幾つかトレイに取って机に戻り、上に乗せたり、並べてバランスを見たりしながらその形をスケッチした。
実際、頭ではいいと思ったアイデアもいざ組み立ててみるとぴんとこない形もあったりして、実物を見ながらイラストに起こす行為は、イメージがつかみやすかった。
「中山さん、これは何ですか?」
軟らかな半透明のシリコン型を指して聞くと「レジン用の型だ」との返答が返った。
「レジン?」
「樹脂だ。透明の液剤だから好きな形と色にできる。中に封入もできるが扱いに少し注意がいる」
こういうやつ、と机の引き出しから幾つか過去の試作品を取り出して見せる。
その中の1つに、液体が入った物があった。指で持つと空気が動いて、液体と一緒に封入された貝がゆっくりと動いている。まるでスノードームみたいだった。
「これ、どうやってるんですか?」
「上下同じ物を作って、中央でくっつけた後、注射器で注入する」
「へえ……」
言われても、想像がつかなかった。ただ、見本を手にとって見ているうち、デザインが湧いてくる。
三日月の型を使って、小さなシーグラスを中に入れるのはどうだろうか。下半分に藍~空色でグラデーションを付けて、中のオイルも空色にして。星砂や小さなドライフラワーも入れて。猫の目のほうは鎖で一緒に吊るす形にすると、猫の目シーグラスの物語、月猫のイメージにも合う気がした。
「どうでしょう?」
「おまえがいいならそうしろ。おれは関係ねえ。
必要な道具を持ってきてやるから封入したい物を取ってきとけ」
ヒートガンは使わずに、気泡を残して海の泡にすれば……。とすると二液よりUVのほうが……。
関係ないと無関心に突き放したようなことを口にしながら、結構彰尋の出したアイデアを意識しているようだ。
ぶつぶつ呟きながら道具棚から取ってきた道具の他、蓄光ラメの入った小瓶も作業机に並べた。
その間に、彰尋はざっと頭に浮かんだイメージを描き起こしておいた。喬に伝えるにしても、絵のほうが伝わりやすい。
「こっちの大きい2つは外か。まあ、そのほうがフロストを生かせるからな」
このとき喬が何を言っているかわからなかったが、出来上がったのを見て、彰尋も理解した。オイルをつけて濡れたシーグラスは透明度が増してしまうのだ。それはそれで色あざやかでとてもきれいだが、淡い、シーグラス特有の霜ふり感がなくなってしまうのはもったいない。
「レジンは付着すると肌が荒れやすい。手袋しとけ」
使い捨ての薄いビニール手袋を渡される。
「言っとくが、おれは手を出さないからな。全部おまえがやるんだぞ」
もちろん。大好きなあおいへのプレゼントなのだ。彰尋自身で完成させなくては意味がない。
「大丈夫です。普段から料理で、ちょっとした飾りなどは作ってきてますから。細かい作業は慣れてます」
「よし。
じゃあおれが見本を見せるから、それをまねてやってみろ」
慣れてはいたものの、やはり初めての作業は加減がわからず、緊張続きだった。一番緊張したのはシリコン型への液剤の流し込みと硬化を何度かに分けて繰り返しながら白と青のアクリル絵の具を少量先端に付けたピンで透明なレジンに海の模様を描いていく作業だ。層を重ねることで濃淡による奥行きが生まれ、薄い水色に着色したベビーオイルを入れたとき、模様となって浮かび上がる。
出来上がりを想像しながらの一発勝負でやり直しがきかない。ただ、作業自体は短時間で、最初から作り直しもできるから、失敗しても影響はない。
むしろ喬のほうがその点思い切りが早かった。少しでも気に入らない所が見つかると作業を中断して脇にどけ、また新しく作り始める。
その姿を見ているから、彰尋も遠慮なく失敗のままでも無理に続けたりせず、新しく作り直すことができた。
そうして思いどおりのグラデーションが描けたと満足できる三日月型を4つ作る。そのうちの2つに、硬化時に筒状のシリコンを中央に置いて作っておいた穴にシーグラス等封入材を入れ、残る2つをかぶせて蓋をした。板状のシリコンを乗せてレジンの表面張力を消しながら硬化してきたため、断面はぴたりと合った。
硬化した三日月の腹にドリルで穴を開けるのはちょっと勇気がいったが、ラメを入れた薄い水色のベビーオイルを注入して、レジンで封をすると、きれいに穴は無くなった。
「とりあえず、形としては完成だ」
最後の硬化が完了して、型から取り出された三日月を喬から受け取る。それは彰尋が想像していた以上にきれいで。あの夜を思い出させる物だった。
上下に揺らすと藍色グラデーションの三日月の中でベビーオイルがゆっくりと動き、封入されたシーグラスや花が動く。
達成感が胸いっぱいに広がって、うれしさがこみ上げた。
「ありがとうございます、中山さん!」
彰尋の勢いに喬はとまどい。
「礼を言うのは早い。まだ研磨作業が残ってる。根気のいる作業で、1~2時間はかかるぞ」
素っ気ない声でそう言うと、ふいっとそっぽを向き、道具を片付け始めた。
感謝とか、言われ慣れてなくて、どう反応したらいいかわからないのだ。
そういう不器用さが彼にはあると察していた彰尋は、声に出さず苦笑する。そして
「俺も手伝います」
と使い終わったシリコン型やピンセット、トレイなどに手を伸ばした。
磨きに2時間かかると言われたが、そんなこと、今なら何でもない。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオSS(500)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年12月22日
参加申し込みの期限
2021年12月29日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年12月29日 11時00分
参加キャラクター一覧
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