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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
【星幽塔】第十一階層 神獣のおもてなし
水上 桜は目の前に現れた温泉宿の暖簾をくぐった。
「ここは……」
広い玄関、柔らかい暖色系の明かり。そして、迎えてくれたのは着物姿の女将だった。
「ようこそおいでくださいました」
誰でも大歓迎とはいえ、よく聞けば、ここは神獣のための温泉宿らしい。
案内をされる間、女将の顔に疲れが見えたので事情を聞いてみると、
「実は」
人手が足りなくなってしまい、困っているらしい。
「そういうことなら手伝いますよ」
「！ 本当ですか？ とても助かりますけどお客様にそんな」
申し訳無さそうにいう女将を宥めつつ、まずは着替えをさせてもらうことにした。
北条 冬華は何故か訪れてしまった温泉宿の従業員更衣室にいた。
鏡の前に立つと、そこには三角ビキニをつけた自分の姿が映っていた。
温泉で神獣のおもてなしを引き受けたからには濡れても良い服装で行かねばならないだろう。
「行きましょう」
冬華は頷いて、更衣室を出る。そこで顔を合わせたのは、
「あ」
「え」
桜だった。
「あなたも女将に頼まれたんですか？」
「ええ、まあ」
どうやら、桜も手伝いを頼まれたらしい。
「お互い大変ですね」
「そうですね、頑張りましょう」
冬華は頭を下げて通り抜けた。
リリエル・エーテライトは大浴場＆露天風呂の暖簾の前で足を止めた。
「一応、お仕事ですしね、頑張りましょう」
職場であるＢａｒアストラルのお客さんから聞いた話だ。神獣が訪れる温泉宿、誰でも入れるらしいので興味半分で来てみれば人手不足だという話を聞いてしまったのだ。
暖簾を退けて、戸に手をかけた時、
「奥の大浴場はっと」
角から曲がってきた冬華と目があった。独り言を聞かれたのが恥ずかしかったのか、軽く会釈をして通り過ぎて行った。彼女も手伝いに来たのだろう。
「さて」
リリエルが中へと入る。脱衣所には誰もいない。曇りガラスの向こうの露天風呂に全員で入っているようだ。
「団体客なんですねー」
ワクワクしながら、ガラス戸をノック。
「こんばんはー！ おもてなしがかりのリリエルでーす」
戸の向こうに広がっていた光景は、
「わわ！？」
長方形の大きな湯船の中を集団で泳いでいるのは星……もとい背中に星柄の模様があるカピパラだった。波が立っていないところがないくらいの数である。
「こ、これは」
背中を流すにしてもかなり時間がかかりそうである。
（そういえば女将さんが、手際よく対応してって言っていたような）
確かに一匹づつわしゃわしゃしていたら時間がかかりすぎる。
「でもやるしかないですね」
「だったら」
リリエルは浴場内に響くように手叩きをした。
「皆さーん、これから体を洗いますよー」
一斉にこちらを見るカピパラ達。、
魔水の光、水の魔法で水流を生み出す。
水流に取り込まれたカピパラが次々と洗い場にいるリリエルの元へと運ばれてきた。
「それ、わしゃわしゃわしゃー！」
専用のスポンジでカピパラの体を洗い、出しっぱなしにしたシャワーの元へ滑らせて送る。
「これなら行けますね！」
そう感じたのは２０匹くらいまでだった。次々と送られてくるカピパラ達。洗っても洗っても終わらない。
「す、ストップです！」
丁度３０匹目でボディウォッシュを中断した。
洗い終わったら露天風呂の方へ行ってもらっているので後何匹かは分かりやすいのだが。
「うーん、これはもう、一気にやった方が良さそうですね！」
魔水の光。
大浴場の湯船全体を水の魔法に取り込んで、球状にして宙へ浮かす。
湯船にいたカピパラ達がぽかんとして、天井を見上げている。
「では、流れる温泉プールになりまーす」
宙に浮かべたお湯にポディーソープを混ぜて、湯船へと戻すと、緩い流れが出来た。泡立つ流れるプール（温泉）の出来上がりだ。
「それじゃ」
リリエルも一緒に飛び込んで、流れながらカピパラ達の体をわしゃわしゃわしゃしていく。
すべてのカピパラ達の体を洗い終え、水の魔法でシャワーを浴びせ、湯船のお湯を元の状態へ戻すと、一段落した。
「はぁ〜……」
さすがのリリエルも湯船のそばに座り込んでしまった。
「まさか、100カピパラもいるとは。恐るべし、神獣さん」
一休みさせてもらおう。そんなことを考えていると、露天風呂の入り口の戸の隙間からカピパラ達がこちらを見ていることに気付いた。
「あ、私のことは気にせずに」
二匹のカピパラが近づいてきた。
じっとこちらを見上げ、短い前足で露天風呂の方を指す。
「もしかして、一緒にって誘ってくれてますか？」
なんとなくそんな感じがした。カピパラ達も頷いているかのような仕草をしている。
リリエルは少し考え、
「なら、少しだけ！ 露天風呂、良いですよね！」
お客様の頼みは断れないだろう。
「ここは……」
広い玄関、柔らかい暖色系の明かり。そして、迎えてくれたのは着物姿の女将だった。
「ようこそおいでくださいました」
誰でも大歓迎とはいえ、よく聞けば、ここは神獣のための温泉宿らしい。
案内をされる間、女将の顔に疲れが見えたので事情を聞いてみると、
「実は」
人手が足りなくなってしまい、困っているらしい。
「そういうことなら手伝いますよ」
「！ 本当ですか？ とても助かりますけどお客様にそんな」
申し訳無さそうにいう女将を宥めつつ、まずは着替えをさせてもらうことにした。
北条 冬華は何故か訪れてしまった温泉宿の従業員更衣室にいた。
鏡の前に立つと、そこには三角ビキニをつけた自分の姿が映っていた。
温泉で神獣のおもてなしを引き受けたからには濡れても良い服装で行かねばならないだろう。
「行きましょう」
冬華は頷いて、更衣室を出る。そこで顔を合わせたのは、
「あ」
「え」
桜だった。
「あなたも女将に頼まれたんですか？」
「ええ、まあ」
どうやら、桜も手伝いを頼まれたらしい。
「お互い大変ですね」
「そうですね、頑張りましょう」
冬華は頭を下げて通り抜けた。
リリエル・エーテライトは大浴場＆露天風呂の暖簾の前で足を止めた。
「一応、お仕事ですしね、頑張りましょう」
職場であるＢａｒアストラルのお客さんから聞いた話だ。神獣が訪れる温泉宿、誰でも入れるらしいので興味半分で来てみれば人手不足だという話を聞いてしまったのだ。
暖簾を退けて、戸に手をかけた時、
「奥の大浴場はっと」
角から曲がってきた冬華と目があった。独り言を聞かれたのが恥ずかしかったのか、軽く会釈をして通り過ぎて行った。彼女も手伝いに来たのだろう。
「さて」
リリエルが中へと入る。脱衣所には誰もいない。曇りガラスの向こうの露天風呂に全員で入っているようだ。
「団体客なんですねー」
ワクワクしながら、ガラス戸をノック。
「こんばんはー！ おもてなしがかりのリリエルでーす」
戸の向こうに広がっていた光景は、
「わわ！？」
長方形の大きな湯船の中を集団で泳いでいるのは星……もとい背中に星柄の模様があるカピパラだった。波が立っていないところがないくらいの数である。
「こ、これは」
背中を流すにしてもかなり時間がかかりそうである。
（そういえば女将さんが、手際よく対応してって言っていたような）
確かに一匹づつわしゃわしゃしていたら時間がかかりすぎる。
「でもやるしかないですね」
「だったら」
リリエルは浴場内に響くように手叩きをした。
「皆さーん、これから体を洗いますよー」
一斉にこちらを見るカピパラ達。、
魔水の光、水の魔法で水流を生み出す。
水流に取り込まれたカピパラが次々と洗い場にいるリリエルの元へと運ばれてきた。
「それ、わしゃわしゃわしゃー！」
専用のスポンジでカピパラの体を洗い、出しっぱなしにしたシャワーの元へ滑らせて送る。
「これなら行けますね！」
そう感じたのは２０匹くらいまでだった。次々と送られてくるカピパラ達。洗っても洗っても終わらない。
「す、ストップです！」
丁度３０匹目でボディウォッシュを中断した。
洗い終わったら露天風呂の方へ行ってもらっているので後何匹かは分かりやすいのだが。
「うーん、これはもう、一気にやった方が良さそうですね！」
魔水の光。
大浴場の湯船全体を水の魔法に取り込んで、球状にして宙へ浮かす。
湯船にいたカピパラ達がぽかんとして、天井を見上げている。
「では、流れる温泉プールになりまーす」
宙に浮かべたお湯にポディーソープを混ぜて、湯船へと戻すと、緩い流れが出来た。泡立つ流れるプール（温泉）の出来上がりだ。
「それじゃ」
リリエルも一緒に飛び込んで、流れながらカピパラ達の体をわしゃわしゃわしゃしていく。
すべてのカピパラ達の体を洗い終え、水の魔法でシャワーを浴びせ、湯船のお湯を元の状態へ戻すと、一段落した。
「はぁ〜……」
さすがのリリエルも湯船のそばに座り込んでしまった。
「まさか、100カピパラもいるとは。恐るべし、神獣さん」
一休みさせてもらおう。そんなことを考えていると、露天風呂の入り口の戸の隙間からカピパラ達がこちらを見ていることに気付いた。
「あ、私のことは気にせずに」
二匹のカピパラが近づいてきた。
じっとこちらを見上げ、短い前足で露天風呂の方を指す。
「もしかして、一緒にって誘ってくれてますか？」
なんとなくそんな感じがした。カピパラ達も頷いているかのような仕草をしている。
リリエルは少し考え、
「なら、少しだけ！ 露天風呂、良いですよね！」
お客様の頼みは断れないだろう。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2021年12月02日
- 参加申し込みの期限
-
- 2021年12月09日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2021年12月09日 11時00分
