休日のひと時　少女たちの日常｜リアクション

休日のひと時　少女たちの日常

　シーサイドタウンにある衣服店に、ちーあとイザナの姿があった。
　ちーあは水色髪で背丈の小さなワンピース姿の少女だ。
　隣に立つイザナは彼女とは対照的に露出の高い衣装であり、下乳はほぼ丸出し、股間周りに至ってはかなり際どいハイレグ姿となっている。
　寝子島の者ではない彼女たちにはフツウを守る為にある程度の補正が掛かる。彼女たちの素性を知りえない一般の人には美しい【外国人】に見えることだろう。
　だが補正と言っても限度はある。道を行く人がイザナに目を向けるのは“際どい衣装を着たスレンダー美少女”に見えるからに他ならない。
「流石に、イザナちゃんのその服じゃ目を集めちゃうよね、うんうん」
「確かにそうですね、これだけ惜しげもなく出しているとつい男性としては目を奪われてしまうものではないかなと」
　そういうのはたまたま店先で居合わせた常闇月と白真白、月原想花であった。彼女らはちーあの依頼で幾多の戦場を共に駆けた仲である。
「そうかしら？　ま、見たい奴には見せとけばいいんじゃない？　別に見られて減るもんじゃなし、あたしはいいからちーあのをって、ちょっ、なんで引っ張るのよっ！？」
「まあまあ、そう言わずにー。可愛くてちゃんと似合うのを選んであげるからさ。それじゃこっちは下着選ぶから、服の方は任せたよー」
　真白に引っ張られていくイザナ、その様子を楽しそうに笑いながらちーあがとことこと後をついていく。
「ではこちらも選びに行くとしましょうか。さて、お二人にはどんな服が似合いますかね」
　真白たちを見送って常闇と想花はちーあとイザナの服選びに向かった。

　下着売り場。イザナは怪訝な顔で真白オススメの上下セットブラを眺めている。
　それはスポーティーな物であり、まさにスポーツブラという物だった。
　イザナにしてみれば、ブラジャーという物は文化的に触れたことがない。こっちの世界にやってきて初めて知ったものだ。
　こんなものが果たして必要あるのか、そういった目で真白に渡されたブラを眺めている。
「こんな……薄い布が何かの役に立つの？　ツクヨみたいにばるんばるん動くなら別だろうけど、あたしじゃ――」
「違うよ、小さい用のブラだってきちんと意味はあるんだよ。それに、それぐらいは私だってあるんだって思いこむことが大事なんだよ！　わかるかな、ぷらしーぼとかそういう奴！」
　力説する真白の動きに合わせてこれでもかと揺れる双丘にイザナの目が向けられる。何食えばあそこまで育つのだろうか、イザナの視線にはそういった思いが込められているが当の真白は気づいていない。
「自分にはきっとある、そういう思い込みで大きくなるような物なんだよ、うんうん、きっとそう、おそらく、メイビーっ」
「へぇ、だったらアンタも昔はそうだったってことなの？」
「へ？　私？　いやいや私はそういうの考えたことないかなぁー」
　更に乳房に向かって怪訝な顔を向けられた真白だったが当の本人に悪気はないのだ。
　そこへ試着を終えたちーあがカーテンを開けて上下セットの可愛らしいリボン付きブラとパンツをお披露目する。異世界人だからだろうか、見せることに羞恥はないようだ。
「どうなのです？　これはその、似合ってのです？」
「かわいぃいーっ！　うん、すっごく似合ってるよ！　やっぱ下着は上下セットで揃えてこそだよねえ。さて私もこれ試着してこようっと。イザナちゃんも渡した奴、ちゃんと着てみてね？」
　そう言って真白は試着室へと入っていった。イザナは見てしまった。彼女の手に握られていたブラが渡されたものと比べ、圧倒的なほどにサイズが違ったことを。
「……持って生まれた才能って奴かしら」
　自分の胸を撫で、少々悲しくなりながらイザナは試着の為、試着室へと入っていくのであった。

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