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水中光芒
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水族館の中は混み合っていた。
北の海から南の海まで、そっくり切り取ってきたかのような水槽の数々。彼らの瞳の色に似た青の中を、魚たちはゆうゆうと心地よさそうに泳いでゆくのを、ラッセルとアヤトは熱心にゆっくり見て回る。
「はー……ひらひら尾びれついてて綺麗だなこいつ。同じ種類なのに柄違うんだ」
うっとりしてしまう。
鳥となって空を飛ぶ気持ちよさは知っているけれど、魚となって水中を揺蕩う気持ちよさは、それとはまた違っているのだろう。時を忘れて夢中になるラッセルのことを、アヤトは一歩後ろから見守っている。
続いて入ったクラゲコーナーは薄暗く、いくつも並ぶ平べったい円形水槽は仄かな色合いのライトで幻想的だった。クラゲたちは下から上へ弧を描くように行ったり来たりしていて、何を考えている風でもないのに見ていても飽きない。
「ははっ、このクラゲ逆さまになってる」
ラッセルはここでも水槽にへばりついた。
「ん? クラゲ?」
アヤトもラッセルの水槽を肩越しに覗き込む。
白いマシュマロみたいなクラゲたちが、蒼いライトに照らされて雪みたいに舞っている。
「あ! これ、小っちゃいの赤ちゃんだ。見逃すとこだった! 透けてんだ……」
ラッセルは水槽越しに指でちょんと突いてみた。
クラゲの赤ちゃんは一瞬ふわりと浮かび上がって、アヤトの視線の正面に来た。
「本当だ、ちっちぇーなぁ」
考えてみれば自分とラッセルの関係もこのクラゲたちのようなものだ。はじめは見えないくらい小さくて、それから近づいたり離れたり自分の意思だけではない流れの中で揺蕩いながら少しずつ大きくなって、今こうして隣にいる。これからもまた同じように、近づいたり離れたり浮かんだり沈んだりしながら、自分たちはあるんじゃないだろうか――。
物思いに耽っていると、いつの間にかラッセルが先に進んでいた。その先は水中トンネル。巨大水槽の中にトンネルが貫抜かれていてまるで海中散歩している気分になれる展示コーナーだが、人が多くてラッセルはつま先立ちになって頭を左右に動かして立ち往生している。
やれやれ。
「しゃーねーなっ」
アヤトは優しい笑みを口元に浮かべてラッセルを迎えに行く。
「こっちだ、桜井」
さり気なくラッセルの手を握る。
「お、おう」
ラッセルは驚いて目を瞠った。彼がその行為について、友だちとしてというのとは少し違う意味合いを感じていることに気付きつつ、知らぬふりでそのまま手を引いて人の隙間を縫ってゆく。
頭上に広がる水中の光。
水中光芒というのだと、いつかどこかで読んだ気がする。
「見ろよ、綺麗だよな」
アヤトは笑った。水中光芒を背にしたその笑顔があまりに綺麗で、ラッセルは言葉少なに答える。
「……わかる」
「水の下から見た風景ってこんなんなんだな。ちょっと不思議な感じだ」
しばらくの間無言になって、ふたりは水中の中を泳ぐ魚たちに魅入った。
「俺さ」
しばらくしてラッセルが口を開いた。
「水槽トンネルを体験できただけでも来てよかった。今の技術すっげーな……」
「だな。こんだけの水圧に耐えられるガラスのトンネル作れるなんてな」
「ああ、こんなじっくり観察できるのは貴重だし魚になったみてー。水の中からじゃねーと見えねぇ青……か」
感嘆の吐息が漏れたそのとき、ゆうゆうと泳ぐエイの白い腹の側が頭上を通り過ぎた。
口だか鼻だかわからない部分が、にっこり微笑んでいるみたいに見える。
「今エイが通ってた! アヤト見たか!」
ラッセルは興奮して無意識にアヤトの手を強く握っていた。
「見たよ」
「すっげえな!」
「エイとかって食い物のイメージ強くて、泳ぐ姿は新鮮かも」
アヤトの意外な反応に、ラッセルは思わず彼の目を覗き込んだ。
「エイ料理あるんだ!? ととと……」
泳いでいる魚を食物みたいに言うなんて、周りに気にするヤツいるかなと思い、ラッセルは声を抑えた。
ラッセルに習ってアヤトも声を低めた。
「悪い、ついつい。バイト先で料理ばかりしてるからさ」
「そっかー」
ラッセルはおどけて笑う。
「今度バイト先に見に行こうかなー。料理してる姿もみれるし味も知りてぇし」
「いいぜ」
繋いだ手はそのままに、アヤトは出来るだけゆっくり歩く。
(桜井が人目を気にするから、長く手はつなげないけど)
この水中トンネルの中くらいは大丈夫だろう。みんな水槽や自分のことに夢中で、誰と誰が手を繋いでいるかなんて見ている人はいない。さりげなく友情のスキンシップを装えば、自分たちの秘密は誰にも気づかれっこないだろう。
ふいに手を離したラッセルが、僅かに不安そうな顔をする。
「なあ、いいのかな。俺ばっか満喫してる気がする……」
「ばか。俺も楽しい」
アヤトは笑って、ラッセルの額を軽く小突いた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
2人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年09月13日
参加申し込みの期限
2021年09月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年09月20日 11時00分
参加キャラクター一覧
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