第二回！　にくきゅうスタンプラリー☆｜リアクション

第二回！　にくきゅうスタンプラリー☆

★親子でスタンプラリー

　梓智依子は、この日４歳の娘の楓とシーサイドタウンへ買い物に出かけていました。
（買い物も終わったし、これからどうしようか？）
　生ものはなく荷物も少ないし、寄り道する時間もあります。
　考えていると、繋いでいる手が引っ張られました。
「ママー、あれなあに？」
　楓の指さす方を見ると、横断幕と受付のテントがありました。
　横断幕には『にくきゅうスタンプラリー』と書かれています。
「イベントみたいね」
　近づいてみると、係の人に声をかけられました。
「にくきゅうスタンプラリーはいかがですか？　猫の肉球にインクをつけてスタンプシートに集めると、素敵な賞品がもらえますよ」
「ママー、やってみたい」
　楓の言葉に、智依子は参加を申し込むことにしました。
「猫を呼ぶには、猫じゃらしやカリカリもお勧めですよ」
　そう言われてつい少量のカリカリと猫じゃらしのセットも買ってしまいました。
「時間制限がありますので遅れずに帰ってきてくださいねー」
　名簿には自分と娘の名前を記入し、スタンプカードを首にかけ、ゆるゆると野良猫探しに出発です。

（寝子島はどこでも猫がたくさんいるので、簡単に見つかるかな）
　……そう思ったのですが、意外に見つかりません。
「ママ、ねこがみつからないよー」
　楓が不満そうな声を上げました。
「そうね。この辺の猫さん、恥ずかしがりなのかな？」
「ねこさん、でてきてー」
　話をしながら歩いていると、
「あっ、いた！」
　楓が一匹の三毛猫を発見しました。
　幸い人懐っこい猫だったようで、楓が駆け寄っても逃げずに撫でさせてくれました。
「いい子ね。スタンプ押させてね」
　ちょっと可愛がったらあっさり肉球を押させてくれて、楓は大喜びです。
「まずは一つね」
「ねこさん、ばいばーい！」

　それから二人は猫のいそうな場所を何となくという感じで巡りました。
「フシャー！」
「楓、近寄らないで。ママがなだめるから。……よしよし、怖くないわよ」
　楓がケガをしないようかばいながら、いきり立った猫を宥めたり。
「ねこさん、ごはんだよー。ねこじゃらしもあるよ」
　猫じゃらしやカリカリで釣ったり。
　智依子と楓はマイペースに無理せず猫と戯れながら肉球を集めていきました。
「やったあ、６こそろったよ！」
「やったわね」
　しかし、気が付けば時間はあっと言う間に過ぎていて。
「大変、あと10分でタイムリミットだわ」
　慌てて二人は受付へ向かいます。
　果たして、間に合うのでしょうか？

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