第二回！　にくきゅうスタンプラリー☆｜リアクション

第二回！　にくきゅうスタンプラリー☆

★あの子を誘って

「にくきゅうスタンプラリーか。懐かしいな」
　前回も参加して猫たちとの触れ合いを楽しんだ八神修は、今回、大切な人である七夜あおいを誘うことにしました。
「というイベントなんだが、どうだろう？」
　動物好きなあおいならきっと気に入ってくれる、とは思いつつ、返事をドキドキしながら待ちます。
「面白そうだね！　行こう」
　あおいの笑顔に、凄く嬉しくなった修でした。
　さっそく二人は相談を始めます。
「あちこち探すから自転車で行こう」
「持ち物は何が必要かな？」
　そんな相談もとても楽しくて、修は微笑みながらあおいの問いに頷きました。
「猫のオヤツとおもちゃは俺が準備するよ」

　そして当日。
「表通りより路地かな」
「そうだね」
　二人は自転車をゆったり漕ぎながら、猫を探すのでした。
　広範囲に探せるのは自転車の利点です。
「涼しい木陰が良いかな。飲食店横に餌皿が残ってるかでも目星をつけられる」
「そうだね……あっ、修君、あれ！」
　修はあおいの指さすをほうを見て、苦笑しました。
「あおい、あれは犬の餌皿だ」
「えっ？」
　よく見れば餌皿には骨のマークがついていて。
「……そうだね、ちょっと大きいと思った」
「……次を探そうか」
　修は恥ずかしがるあおいの横顔を微笑んで見つめるのでした。

「……あおい、あそこに」
　猫を見つけた二人は静かに自転車を降り、近づいていきました。
　樹の色に溶け込んで、トラ猫が木陰で寝転んでいます。
　よく見れば木の上にも白と黒の猫がいました。
　修は姿勢を屈め、玩具とオヤツを取り出し、猫に見せました。
「怪しい者じゃないよ」
　こちらに気づいた猫ちょっとは警戒心を見せましたが、逃げる気はないようでした。
　修は待ちの体勢で、警戒心を解し仲間に入れて貰おうとします。

　やがて樹の上の猫が降りてきました。
　オヤツが気になるようで、こちらに寄って来ます。
　寝転んだトラ猫からも警戒心が消えていました。
「よしよし。スタンプを押させてもらえるかな」
　元々猫との交流は、修にとって得意なことなのです。
「まずはあおいのからだ」
「いいの？　ありがとう」
　猫の足に優しくスタンプ台をつけ、あおいが取り出したスタンプシートに、ぺたりにゃん。
　それから修のスタンプシートにも。

「ありがとう、お礼だよ」　
　用事はすんだけれど、気まぐれな彼等に合わせ、修とあおいは交流を楽しみます。
『もっとオヤツくれにゃん』とか、
『こっちに仲間が居るニャン』とか。
　二人には猫の言葉はわかりませんが、そんなことを言っているのではないかとなんとなく思えるのでした。
「人懐っこいけど、飼い猫じゃないのかな？」
「地域猫、だね」
　そのうちに、一匹もう一匹と、猫が集まってくるのでした。
「猫の集まりだな」

「猫、堪能できたなあ」
「そうだね」
　お昼の時間になり、修とあおいは自転車にまたがり街へ戻っていきました。

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