第二回！　にくきゅうスタンプラリー☆｜リアクション

第二回！　にくきゅうスタンプラリー☆

★リベンジ！

　木天蓼大学学生の仙藤紫と、寝子高１年の仙藤蒼は、去年も姉妹で第一回のスタンプラリーに参加しました。
「あと少しだったのに……」
　ラリー自体は楽しめたのですが、コンプリート直前で時間切れとなり、涙を飲みました。
　根っからのゲーマーである蒼はあと一個足りずにコンプリートを逃したことがどうしても気に入らず、いつかまたスタンプラリーが行われたら速攻でリベンジしよう、と考えていたのですが。
　数日前にねこったーでスタンプラリーの話題がぽつぽつ出ているのを発見しました。
「お姉ちゃん！　にくきゅうスタンプラリーがあるよ！　リベンジしよう！」
「ああ……去年蒼があと少しだったのに、って悔しがってたわね」
　紫としては、賞品は魅力であっても自分たちで食べに行けばいいのだし、そこまでコンプリートにこだわる気はしないのですが、ゲーマーな妹の気質もよくわかっています。
「今年も私も行ったほうがいいの？」
「もちろん！　申し込むから予定空けておいてね」
　蒼はさっそく姉妹二人分の参加申し込みをしたのでした。

　というわけで今年も姉妹揃って参加です。
「今回は絶対６個全部集めるよ！」　
　気合いを入れる蒼に、紫は微笑みます。
「それじゃ作戦を立てましょう。猫じゃらしやキャットフードは用意しておいたわ」
「猫を餌で釣って、美味しそうに食べているところや、お腹がいっぱいになって日向でうたたねしているところをそっと足にインクをつけて、用紙に肉球を押せばばっちりだね！」
　さらに紫はスマホで、寝子島の猫ポイントを掲載しているサイトを表示します。
「シーサイドタウン近辺の猫スポットを重点的に回りましょう」
「さすがお姉ちゃん！　それで行こう！」
「じゃれ合ったりしているうちに猫も私たちに気を許すでしょうから、充分に信用している、と判断してから肉球をスタンプするわよ」

　近くの猫スポットに向かうと、さっそく何匹かの猫を発見しました。
「カリカリあるわよ。どうぞ」
　紫が餌を取り出し、蒼は猫じゃらしでサバトラやハチワレの猫たちを誘い出します。
「ニャー」
「おいで、おいで」　
　餌を食べ終えた猫たちが猫じゃらしに興味を示して遊びだします。
　青はその様子をじっと観察しました。
（そろそろいいかな……）
　十分信用された、と踏んで、隙を見て肉球にインクをつけて、台紙にペタリ。
　猫たちは逃げることなく、夢中で遊んでいます。
「よし、次行こう！」　
「もっと遊んであげたいけど、またね」
　前回の反省を踏まえて、長い時間をかけるわけにはいきません。
　蒼と紫は次の猫を探して、移動するのでした。

「ミャー」
「ニャー」
　次に出会った猫は、似たような模様と大きさのの三毛猫の雌二匹でした。
「もしかして姉妹かしら？」
　キャットフードを前にしても取り合う様子もなく、一緒に顔を摺り寄せてきます。　
「あら、仲がいいのね。まるで私たちみたい！」
　と言う蒼に、紫は軽く微笑んで答えました。
　キャットフードを食べて満足したのか、二匹はごろんと横になり目を閉じました。
（眠ったかな？）
　居眠りしたところをそっと肉球にインクをつけて、ささっとスタンプします。
（起こしたらかわいそうだから、慌てずにそっとね）
　幸い姉妹猫は、そのままお昼寝に入ったようでした。　
「さよなら。ずっと仲良くね」
　
　それから二人は黒猫に白猫、灰色猫といった面々と遭遇しました。
「怖くないよ、こっちにおいで」
　けれど黒猫はおびえた様子で近づいてきません。
「手ごわいわね……」
「そんな時はとっておきのにゅーるよ」
　にゅーるを鼻先へ持っていくとたまらなくなったのか、黒猫は後じさりをやめて舐め始めました。
「よしよし、ちょっとだけスタンプ押させてね」
　性格に合わせて様々に作戦を変えて肉球を集め。
「やった！　コンプリート！」
　ついに６個集め、大喜びする蒼の姿に、紫は微笑んで言いました。
「ゴールするまでがスタンプラリーよ。時間までに戻らないとね」

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