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催花雨。濡れそぼつ。
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【にゃんこの消えた日】
晴れの日には晴れの日の、風の日には風の日の楽しみというものがあるのだ。
例えば? そう、晴れの日にキャットロードを歩けば、道端にくっつきあってひなたぼっこする猫だまりを見つけることができるだろう。風の強い日なら、逆立つ毛並みにちょっと不機嫌そうな猫たちの表情もまた味わい深く、愛らしかったりする。
なら、雨の日は? 民家の軒下や物陰で雨宿りする、ちょっぴり濡れた猫たちの姿が見られるではないか!
まあ濡れてしまう猫たちには悪いが、寝子島にゃんこはこれが案外たくましいし、いざとなったら軒先を貸してくれる住人には事欠かないから大丈夫なのである。
といったわけで、
綾辻 綾花
は雨降る今日に、ビビッドな水色が目に鮮やかな肉球柄の傘を差し、キャットロードを歩いてシーサイドタウンの風の原公園へとやってきた……のだが。
「……あれ?」
いつもはにゃあにゃあふにゃにゃんごろごろごろと賑やかな公園に、猫の姿はなかった。滑り台の下のかくれんぼスペースやベンチの下、木の上の枝まで確認してみたが、ただの一匹も見つけることはできなかった。
「にゃんこ……いないね」
そういえば今日は朝から、
クロワ
もどこかへ行っているようだった。寝起きにあのもふもふへ顔を埋められなかったのが、今思うと寂しかった。
今日も猫メモを充実させるぞ~、耐水ペンを持ってきたし雨の中でもバッチリ! 待っててね、にゃんこたち! と弾みに弾んでいた気持ちが、しおしおとしぼんでいった。
肉球柄の傘をくるんと回し、水たまりを軽く蹴ってしぶきを跳ね上げる。強い風がひとつ吹き抜けて、傘の下へ雨粒が飛び込んできた。雫はひどく冷たかった。
商店街を歩く。雨宿りができそうなところを重点的に探すが、猫はいなかった。
シーサイドタウンの民家の屋根の下、旧市街の路傍に立つ樹のうろ、ぐるり回って星ヶ丘にも足を伸ばしてマリーナに停泊するクルーザーを覗いたりもしてみたが、やはり猫はいなかった。
いない。いない。どこにもいない。
綾花ははっとして天をあおぎ、
「もしかしてここは……
テオ
が切り分けた世界?」
テオ、いるの? と声を発するも返事はなかった。そもそも人の往来はあるのだし、彼が理由もなく虎の子の猫パンチを振るったとも考えにくい。
「う……」
ぶる、と肩を震わせる。いつの間にやら雨足は強まり、綾花は頭頂から爪先に至るまでぐっしょりと濡れてしまった。
おやそういえば、傘をどこへやっただろうか。ごうと鳴った風に乗り、寝子島から世界の空へと旅立ってしまったのだろうか。お気に入りの肉球柄だったのに。
「にゃんこ……」
猫がいない。
猫がいない。
「にゃんこが……どこにも……」
ぽろぽろと足元へこぼれ落ちたのは雨の雫だろうか。それとも涙の粒だっただろうか。あるいはもっと大切な、何か……濡れねずみな綾花はぐずぐずで、もうわからない。
寂しくて、悲しくて、綾花の心は落ちていく。ずうんと深く、冷たく凍えながら。
「う、ううう。うううう。ううっ、ううううううう」
路上で人目はばからず、綾花は泣き続けた。
「……綾辻さん?」
数刻の後。綾花はひたすらにかしこまっていた。
「お、お恥ずかしいところを……」
「あはは。綾辻さんらしいといえばらしいけどね」
早川 珪
だった。
二人が腰かけているのは公園のベンチで、綾花が最初に訪れたあの公園だった。
濡れたベンチで綾花がお尻に敷いているのが、気を利かせてくれた彼の脱いだジャケットだったりするあたりもかしこまりポイントの一つではありながら、
「あの。あの、私……なにか言ってましたか? さっき、その」
「にゃんこがいない、にゃんこがいないんです、ってずっと言ってたね」
「あうう」
泣きじゃくっている間、ことに珪先生が綾花を見つけて声をかけてくれてからはずっと、彼の胸元にむぎゅっとしがみついて離さなかったというのだから、なおさらかしこまってしまうし、綾花の頬も真っ赤に染まってしまうのだった。
頭がぐるぐるパニックでその時のことをイマイチ覚えていないのも、ちょっぴり悔しかったりもする。
(神魂の……かな?)
ともかく、なんだか、そんな日だったらしい。
「落ち着いた?」
「は、はい……すみません」
「ふふ。いいよ。気にしないで」
今は雨も上がり、空の切れ間に澄んだ水色も垣間見えた。
ちなみにお気に入りの水色肉球柄の傘は、公園のベンチ脇に開いて放置されたままだった。今は大切に畳んで脇に置いてある。
「猫がいない、か。たまたま、そんな日もあるかもしれないね。猫ってほら、気まぐれだから」
なんて笑って、珪先生が指差したところへ。
「……あ!」
てけてけてけとやってきて、ふにゃん? と首を傾けたのは右半分が白く、左半分が黒い、左右まっぷたつの毛並みを持つ不思議なにゃんこ。おとぼけ顔でにゃふぁ~とあくびをひとつ漏らして、首輪に茜色の宝石をきらりきらめかせ、マイペースに歩いていった。
「へえ、変わった猫だ……知ってる子かい?」
ひらひら手を振り、白黒猫を見送る綾花へ、怪訝そうに尋ねた珪。
打って変わって、にーっこり! 満面の笑みを返した綾花だった。
今日もやっぱり、にゃんこ日和!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年07月12日
参加申し込みの期限
2021年07月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年07月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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