大発見！　ウチはこんなところです！　オカルト取材編｜リアクション

大発見！　ウチはこんなところです！　オカルト取材編

　◆第一章「モデル＆俳優、久しぶりの邂逅」

　女子大生で人気モデルの城山水樹はオフの日なのでのんびりと寝子島で過ごしていた。
　モデルの仕事が一区切りついたため、今日は思いっきり羽根を伸ばそう！　と思ってのことだった。

　シーサイドタウンの海沿いの道、その付近を通りがかったところで水樹は声をかけられる。
　番組撮影中の俳優、霧水砕牙その人に。

「えっ、城山さん！？　なんで！？」
「こんにちは、霧水さん。私、ここの出身なんですよ」
「そうだったのかー！　うわぁー、奇跡！」
「霧水さんは撮影ですか？」
「そうそう。ほら、前に言ってた番組の撮影」

　ニコニコとした笑顔で会話する砕牙なのだが、水樹のことを知っているのは彼のみ。隣にいる男性２名は、水樹のことを知らない様子だ。
　サライが砕牙に尋ねれば、砕牙は以前彼女と様々な共演を果たしているそうで、振り返りながら思い出を語り始めた。

「ほら、俺のMewTubeチャンネル。同人誌制作のお手伝い動画に１回」
「待て、何に参加させているんだオメーは」
「楽しかったですよ？　中身はよくわからなかったんですけど……」
「あぶねえ、中身の理解までは及んでない」

　ここで言うのもなんだが、砕牙はいわゆる夏と冬を走る歴戦の戦士である。故に描いてる内容は極稀だが過激なものも作られてしまう。
　しかし水樹はそこまで内容を気にしていなかったのか、よく覚えていないようだ。その部分に関しては瑞毅もほっと胸をなでおろしていた。

「そんでー……去年の夏のCM撮影だったかな？」
「はい、そうです。清涼飲料水の撮影でご一緒したんですよ」
「なるほどね……。ああ、失礼、俺達こういう者です」

　会話を中断させて、念の為にとサライは名刺を水樹に手渡す。彼が砕牙のマネージャーである事を知った水樹は、オフではあるが協力できることがあるならと申し出てくれた。
　制作スタッフの中にも水樹を知る者はいたため、今回の企画がどのようなものかを聞いた上で水樹は今回の企画にふさわしい場所を選定する。

　とは言え、寝子島は広い。そして地理は水樹のほうが詳しい。
　そのため島を案内しながらも、彼女のオススメまで向かってみることにした。

「でも、気をつけてくださいね。この街、すごーく怖いのもいるそうです」
「うひっ……き、気をつけます……」

　引きつった表情を見せた砕牙と、もはや逃げられないと悟りを開いたサライと、意地でも行きたくないと踏ん張る瑞毅。
　お話はさらに、新たな登場人物を迎えて進む……。

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