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抹茶と感じる春の風。~『somnium』
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◆Apr. そろそろ終わる頃
寝子島へと向かう電車に揺られ、
城山 水樹
は窓の外を流れていく景色をぼんやりと眺めていた。――久しぶりだな、としみじみ思う。
大学4年生にもなると、授業はほとんど無くなった。水樹が出なければいけないのは、週に1度のゼミと、あと2つほどの講義くらいだ。
その代わりに4年生と言えば、本来は就活に追われているはずなのだが――幸いと言うべきか、こちらも水樹はすでにクリアしている。というのも、読モのつもりで始めたモデルが専業になったので、一足先に就活戦争からも抜け出した格好になったのだ。
その代わりにと言うべきか、モデルの仕事は忙しくなって、ここのところはずっと都内で仕事をしていた水樹である。コスメの広告写真を撮ったかと思えば、CM出演の仕事がやってきて、それが終われば女性ファッション誌の夏物特集の撮りが入り、それが済んだら男性誌で水着グラビア撮影――自分で言っていてもなかなか、ハードなスケジュールだ。
加えて、その合間にゼミや授業を受けに寝子島にとんぼ返りしているのだから、身体が幾つあっても足りないとはこのことである。もちろん島から都内まで通う余裕もなく、4月に入ってからずっと水樹は、モデル仲間の家に泊まらせてもらっている状態だった。
そんな中でも4月4日の誕生日には、思わぬサプライズで恋人と過ごせてとても幸せだったのだけれど――押し寄せてくる怒涛のスケジュールを必死にこなしているうちに、気付けばあっという間に4月も後半になっていた。そんな時に急に、スケジュール調整のためとかで数日間休みが入ってきて。
こういうのってホント、いつも突発的よね、とため息を吐く。とはいえ休みは休みだ、どう過ごそうかと考えた水樹は、そうだ久しぶりに島へ帰ろうと思い立ち、必要最低限の荷物を詰めたカバンを手に、寝子島へと向かう電車に飛び乗ったのだった。
閑話休題。
平日の昼間だからだろう、電車はずいぶんと空いていて、車内にはぽつぽつと人影があるくらいだった。車窓からそれらの人影へと視線を移した水樹はふと、そのうちの1人に見覚えがあることに気付いて、目を見開く。
「――ヒュー?」
「――あれ、水樹?」
それは水樹の恋人、
ヒュー・ヒューバート
だった。もちろん待ち合せたり、示し合わせて同じ電車に乗っていたわけではなく、まったくの偶然だ。
どうして、と疑問を口にしたのは、同時。それに顔を見合わせて、ぷっ、と小さく噴き出す。
ひとしきり小声で笑い合ってから、ヒューは軽く息を整えて、水樹に隣に座るよう促した。そうして彼女の手を握り、久しぶりだね、と微笑む。
「僕はちょうど、仕事が休みになったんだ。水樹は?」
「あ、私も一緒!」
すごい偶然、と顔を輝かせた水樹に、本当だね、と頷いた。フォトグラファーとして多忙なヒューと、売れっ子モデルとしてやはり多忙な水樹のオフが、偶然重なる事は珍しいし――ましてこうして、同じ電車の中で会うなんて。
そのまま並んで電車に揺られながら、会えなかった3週間ばかりの出来事を色々と話した──と言っても、話をするのは主に水樹で、ヒューはもっぱら聞き役なのだけど。寝子島に着いてからもそれは変わらず、一緒に歩きながらあれこれと話をしたり、かと思えば少し見ないうちに変わった島の様子を見つけて、こんな風になったんだ、と顔を見合わせたり。
そんな風にシーサイドタウンを歩いていたら、ふいに水樹が立ち止まり、「ねえ、ちょっと」とヒューに声をかけた。
「この店、入ってみたかったんだ」
「ここ……て、えぇと、ソムニウム……って読むのかな?」
その言葉に、ちら、と看板を見たヒューが店名を読み上げると、そうそう、と水樹がにっこり頷いた。見たところ、どうやら雑貨とスイーツのお店のようだ。
へぇ、と何となく不思議な心地がして店構えを眺めていたヒューを、水樹が少し甘えるように見た。こく、と完璧な角度で軽く、首を傾げてくる。
「ねえ、一緒に入ろう?」
「このお店に?」
「そう。いいでしょ?」
その口調は断られることなど最初から考えていなさそうで、そんな水樹に思わずヒューは小さく笑ってしまった。そうして「もちろん」と甘く笑いかけながら頷いて、そのまま扉を押し開ける。
からん、と古風なベルの音と、いらっしゃいませ、と柔らかな声色が、まずは2人を出迎えてくれた。扉を入ってすぐ右手の所にあるガラスケースに並んだスイーツから察するに、どうやら今日は抹茶スイーツの日らしい。
ふぅん、と眺めながらまずは薦められるままイートインスペースへ向かい、適当な席に着いた。すぐに老婦人・伊都子さんがお冷と一緒に運んできてくれたお品書きを開いて、水樹は抹茶ババロアとアイスティー、ヒューは抹茶&フルーツタルトと抹茶ミルクティを注文し。
運ばれてくるのを待ちながら、何の気なく店の中を見回してみたヒューが最初に気付いたのは、並べられているテーブルセットの不揃いさだった。あえてなのだろう、様々なデザインのテーブルと椅子が並んでいるイートインスペースは、だが全体として引いて見ると、しっくり調和している。
所々に置かれている調度や小物も、手作りのようなアンティークのような風合いで、どこか優しい印象だ。水樹はこういう店が好きなのかな、それらの調度を眺めながらヒューは、ぼんやりとそう思った。
そんなヒューの疑問に、どうだろ? と水樹は改めて店内を見回す。以前、水樹がバレンタイン前に足を運んだことのあるチョコ作り教室の、講師をしていたのがこのお店のパティシエ高明さんだった――という縁はあるけれど。
うーん、と少し考えている水樹の表情も久しぶりだな、と目を細めて見つめてしまうヒューである。そんな視線に気が付いて、何? と水樹が少し照れた様子で首を傾げた。
何でもないと首を振った時、ちょうど注文したスイーツが運ばれてくる。いったん話は終わりにして、そちらへと視線を向けた恋人たちは、わ、と小さな歓声を上げた。
「美味しそう!」
「うん。とても綺麗だ」
抹茶の緑は目にも鮮やかで、けれどもどこか優しい印象だ。早速1口味わってみると、その印象通りの優しくて、鮮やかな味が口いっぱいに広がっていく。
スイーツをじっくりと堪能し、ドリンクをしみじみと味わいながらまた、ヒューと水樹はしばらく会えなかった間の話の続きを始めた。もちろん、店の雰囲気を壊してしまわぬよう、あまり大きな声にならないように心がけながら。
そんな風にのんびりと時間を重ねているうちに、気が付けば夕方になっていた。この頃はずいぶん日が長くなってきたとはいえ、窓の外を見れば街がうっすらと茜色に染まり始めている。
そろそろ出ようか、とどちらからともなく立ち上がった。久々に2人で過ごす時間もとても楽しかったし、スイーツも美味しかったから、時が経つのを忘れてしまったようだ。
そんな自分達に、顔を見合わせ苦笑する。そうしてお会計を済ませると、2人揃って店のご夫婦に挨拶をした。
「ごちそうさまでした」
「美味しかったです」
「お気に召して嬉しいわ」
「また来てくださいね」
そんな2人を老夫婦が、にこにこと笑顔で見送っていくれる。それに軽く頭を下げて、2人は『somnium』を後にして。
――また機会があれば来ようかな。そう考えるヒューの傍らで、水樹は満足そうに小さく鼻歌を歌いながら、駅までの道を歩き始めたのだった。
その後、恋人達は木天蓼市内のヒューのアパートまで移動して、会えなかった3週間を存分に埋め尽くすのだが――それはまた、別のお話。
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あとがき
担当マスター:
蓮華・水無月
ファンレターはマスターページから!
いつもお世話になっております、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
この度はご参加頂きまして、本当にありがとうございました。
『somnium』での春のひと時の物語、いかがでしたでしょうか。
多種多様の抹茶スイーツ&ドリンクと共にのどかな雰囲気を味わっていただく事が出来ればと、頑張って執筆させて頂きました。
水無月も一緒に抹茶スイーツを思いっきり味わえれば……! と歯ぎしりをしていたことは全力で秘密です(←体重とカフェイン摂取量に支障のない範囲でちょっとだけ、楽しんだりしておりましたが
お届けさせて頂きましたリアクションが、皆様に僅かなりとも楽しんで頂ける物であれば、心から嬉しく思います。
またのご縁がございましたら、どうぞ宜しくお願いいたします(深々と
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
蓮華・水無月
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2021年05月19日
参加申し込みの期限
2021年05月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2021年05月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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