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- 00月00日生 00歳
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【新入生歓迎会】情熱のイッサイガッサイ新歓祭
大人数の演劇が終わった。風景を描いた書割を分解して急いで運び出す。
野々 ののこは大きな溜息を吐いた。
「すごく力が入っていてびっくりしたよ。あんなことまでできるんだね。私も負けてられないね」
「あの、野々さんはどんなパフォーマンスをするのかな」
「そんなに知りたい？ いいの、教えちゃうよ。じっくりと耳元で囁いても、本当にいいんだね」
身を寄せてきたののこは大人びた顔で迫ってくる。佐藤 英二は引くしかなかった。
「わかった。我慢するよ。ほら、次のパフォーマンスが始まるよ」
「え、どれどれ」
ののこは上体を戻してステージに注目する。英二はゆるゆると溜息を吐いた。
司会進行役の青山 絢が舞台袖から登場した。のんびりとした歩き方でステージの中央に立った。
「続いてのパフォーマンスはダンスになります。黒い衣装で舞う姿はクロアゲハのように可憐で目にした人々を魅了することでしょう」
一度、左右を見て状況を確認してからマイクを口に近づける。
「盛大な拍手でお迎えください」
バニーガールの格好らしく、ウインクをして舞台袖に戻っていった。
拍手の中、代わって梓 智依子が弾むような歩き方で現れた。耳にはワイヤレスイヤホンを嵌めていなかった。
ステージの中央に立つと舞台袖に目を向ける。控えていた楡宮 遠海がショルダーキーボードを弾きながら歩き出す。練習中に何度も聞いた曲で自然に上体が揺れ始める。
絢は一度、後方で弾く遠海に親指を立てて見せた。すると鮮やかな速弾きで応えた。
上体の力を程よく抜いて上下にステップを踏む。緩やかで大きな動作を続けた。
前列にいた生徒達がざわつき始める。
「なんか、軽くないか？」
「重力がおかしい」
単純な動きで人々の関心を集めると急に動きを速めた。曲に合わせた高速のツイストステップに切り替える。
生徒達は前のめりとなった。
「なんだよ、あの速さ！？」
「女子だよな？ もしかして男子？」
「どっちでもいいじゃない。カッコイイんだから」
女子の一人は、素敵です！ と声を上げた。一般客は惜しみない拍手を送る。
人々の熱気に遠海の曲のアレンジが冴える。
「行くよ！」
智依子は叫ぶと床に両手を突いた。その状態でステップを踏みながら回り始める。速度を上げると両足が宙に浮いた。
「腹筋がすげええ！」
「それだけじゃないぞ！」
驚きでどよめく。
回りながら両足を上げてゆく。最後は片手の倒立で高速回転を披露した。
「マジでカッコイイ！」
「すごい、すごい！」
「好き、大好き！」
女子の声が男子を上回る。黄色い声が飛び交った。
ののこも興奮して、すごい、を連発した。英二は驚いた顔で無意識に近い拍手を送る。
「……同じ新入生に思えない……このあとなら、高速脱衣も平気かも……」
仙藤 蒼は呆然とした様子で見ていた。
「こんなのを見せられたら、僕達は……」
恵御納 夏朝は情けない声を漏らす。隣にいた恵御納 夏夜は肩を抱いた。
「僕達と比べても仕方がない。出来ることを全力ですればいい」
「うん、そうなんだけどね。自信がグラグラしちゃって」
「ういはカッコイイよりもカワイイ方が好きだけどね」
思い切り横に手を伸ばし、二人の肩を抱いた。
「初ちゃん、ありがとう」
「パフォーマンス、期待しているから」
初は力強い言葉と共に快活な笑顔を送った。
熱狂の中、高速回転は続き、最後はぴたりと止まる。五秒くらいの制止で見事に着地した。
智依子は弾む息で、ありがとうございました、と頭を下げた。
拍手の大きさがダンスの出来を物語る。熱気に当てられた人々は挙って飲み物を求めた。その中には八神 修の姿もあった。
「どれを採用すれば……悩む……」
紙コップのパインジュースを飲みながらカメラの画像を矢継ぎ早に変える。躍動感に溢れた智依子が画面を食み出す勢いで写っていた。
「飲み物を、追加したよ」
嘉渡洲 稀跡はトレイで飲み物を補充。休む間もなく、足りなくなった品を見て家庭科室に小走りで引き返す。
それでいて生徒会としての役割も忘れていない。足を止めずに手帳を開いて先程のパフォーマンスの評価を書き綴る。
「……ママ……ママ、どこー？」
小さな女の子が母親を探している。目が赤く、瞼は腫れぼったい。稀跡は笑みを心掛けて近づいた。
「迷子になったのね。私が一緒にママを探してあげるよ」
「ホントに？」
「だから、もう泣かなくていいからね。安心して」
「うん、ありがとう。お姉ちゃん」
離れないように手を繋ぐと母親の特徴を聞いて歩き出す。途中、出会った調理担当のスタッフに手帳の内容を伝えた。
野々 ののこは大きな溜息を吐いた。
「すごく力が入っていてびっくりしたよ。あんなことまでできるんだね。私も負けてられないね」
「あの、野々さんはどんなパフォーマンスをするのかな」
「そんなに知りたい？ いいの、教えちゃうよ。じっくりと耳元で囁いても、本当にいいんだね」
身を寄せてきたののこは大人びた顔で迫ってくる。佐藤 英二は引くしかなかった。
「わかった。我慢するよ。ほら、次のパフォーマンスが始まるよ」
「え、どれどれ」
ののこは上体を戻してステージに注目する。英二はゆるゆると溜息を吐いた。
司会進行役の青山 絢が舞台袖から登場した。のんびりとした歩き方でステージの中央に立った。
「続いてのパフォーマンスはダンスになります。黒い衣装で舞う姿はクロアゲハのように可憐で目にした人々を魅了することでしょう」
一度、左右を見て状況を確認してからマイクを口に近づける。
「盛大な拍手でお迎えください」
バニーガールの格好らしく、ウインクをして舞台袖に戻っていった。
拍手の中、代わって梓 智依子が弾むような歩き方で現れた。耳にはワイヤレスイヤホンを嵌めていなかった。
ステージの中央に立つと舞台袖に目を向ける。控えていた楡宮 遠海がショルダーキーボードを弾きながら歩き出す。練習中に何度も聞いた曲で自然に上体が揺れ始める。
絢は一度、後方で弾く遠海に親指を立てて見せた。すると鮮やかな速弾きで応えた。
上体の力を程よく抜いて上下にステップを踏む。緩やかで大きな動作を続けた。
前列にいた生徒達がざわつき始める。
「なんか、軽くないか？」
「重力がおかしい」
単純な動きで人々の関心を集めると急に動きを速めた。曲に合わせた高速のツイストステップに切り替える。
生徒達は前のめりとなった。
「なんだよ、あの速さ！？」
「女子だよな？ もしかして男子？」
「どっちでもいいじゃない。カッコイイんだから」
女子の一人は、素敵です！ と声を上げた。一般客は惜しみない拍手を送る。
人々の熱気に遠海の曲のアレンジが冴える。
「行くよ！」
智依子は叫ぶと床に両手を突いた。その状態でステップを踏みながら回り始める。速度を上げると両足が宙に浮いた。
「腹筋がすげええ！」
「それだけじゃないぞ！」
驚きでどよめく。
回りながら両足を上げてゆく。最後は片手の倒立で高速回転を披露した。
「マジでカッコイイ！」
「すごい、すごい！」
「好き、大好き！」
女子の声が男子を上回る。黄色い声が飛び交った。
ののこも興奮して、すごい、を連発した。英二は驚いた顔で無意識に近い拍手を送る。
「……同じ新入生に思えない……このあとなら、高速脱衣も平気かも……」
仙藤 蒼は呆然とした様子で見ていた。
「こんなのを見せられたら、僕達は……」
恵御納 夏朝は情けない声を漏らす。隣にいた恵御納 夏夜は肩を抱いた。
「僕達と比べても仕方がない。出来ることを全力ですればいい」
「うん、そうなんだけどね。自信がグラグラしちゃって」
「ういはカッコイイよりもカワイイ方が好きだけどね」
思い切り横に手を伸ばし、二人の肩を抱いた。
「初ちゃん、ありがとう」
「パフォーマンス、期待しているから」
初は力強い言葉と共に快活な笑顔を送った。
熱狂の中、高速回転は続き、最後はぴたりと止まる。五秒くらいの制止で見事に着地した。
智依子は弾む息で、ありがとうございました、と頭を下げた。
拍手の大きさがダンスの出来を物語る。熱気に当てられた人々は挙って飲み物を求めた。その中には八神 修の姿もあった。
「どれを採用すれば……悩む……」
紙コップのパインジュースを飲みながらカメラの画像を矢継ぎ早に変える。躍動感に溢れた智依子が画面を食み出す勢いで写っていた。
「飲み物を、追加したよ」
嘉渡洲 稀跡はトレイで飲み物を補充。休む間もなく、足りなくなった品を見て家庭科室に小走りで引き返す。
それでいて生徒会としての役割も忘れていない。足を止めずに手帳を開いて先程のパフォーマンスの評価を書き綴る。
「……ママ……ママ、どこー？」
小さな女の子が母親を探している。目が赤く、瞼は腫れぼったい。稀跡は笑みを心掛けて近づいた。
「迷子になったのね。私が一緒にママを探してあげるよ」
「ホントに？」
「だから、もう泣かなくていいからね。安心して」
「うん、ありがとう。お姉ちゃん」
離れないように手を繋ぐと母親の特徴を聞いて歩き出す。途中、出会った調理担当のスタッフに手帳の内容を伝えた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2021年04月23日
- 参加申し込みの期限
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- 2021年04月30日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2021年04月30日 11時00分
