桜花寮なんでもバスケット！｜リアクション

桜花寮なんでもバスケット！

☆自分の部屋で

「これ運んでいいかな？」
「うん、もちろん！　夏朝ちゃんありがとう、助かる～」
　運んでいいと確認した物を、大切に、丁重に。
　夏朝は荷物を落とさず傷つけないよう気を付けて運びます。　
「僕も去年は友達に手伝ってもらったからね」
　隣でアホ毛を揺らしながら荷物を運んでいる友人──ののこに、夏朝は言いました。
「お引越しってワクワクするよね！」
　夏朝が運んでいるのは、ののこの荷物でした。
「あっ、この部屋だよ！」
　ののこの新しい部屋にたどり着いた夏朝は、慎重に荷物を降ろしました。
「そう言えば、ののこちゃんの新しいルームメイトって」　
「あっ、見てくるの忘れた！」

　海が新しい部屋にたどり着いたのは、そんな時でした。
『この部屋に入ることになった　小山内海です。よろしくお願いします』
　まずは荷物を置き、スケッチブックを取り出して、海は笑顔で挨拶します。
「野々ののこです。こちらこそよろしく！」
　ののこが元気に挨拶を返し。
「小山内さん、よかったらそっちの分も引っ越し手伝うよ」
　夏朝はそう声をかけたのでした。　

　荷物を運び終えた後、夏朝は自分の部屋に戻りました。
（皆が新しい部屋・今までの部屋で素敵な１年を過ごせるといいな）
　そう思っていると、レンズ猫のおはぎが姿を現しました。
　静かに撫でながら夏朝は思います。
（僕も来年は卒業かぁ……別人格の夏夜ちゃんとの、分離・共存の願いも叶えたいなぁ）
　そして気づきました。
「あ、そうだ、僕等も卒業後は引っ越す事になるから、来年末には新しい住まいも探さなきゃ！」
（ペット可物件が見つかるといいけど……）
　とこれは声に出さずに思います。
　まだまだ先の話かもしれませんが、心がけておこうと夏朝は考えるのでした。

　そのころ海とののこは部屋で話をしていました。
「海ちゃんはペンでお話するんだね」
『うん、子供のころ病気で声が出なくなったの』　
「それだと寝坊したとき起こしてもらえないかなー、あ、でもそもそも目覚ましが鳴っても目が覚めないから関係ないか」
『布団はいで起こしてあげるからだいじょうぶ』
「だめだよー、布団はがされる前にしがみついて離さないから。そうまでして寝たいの？　って呆れられるけどね」
『すごいね』
　笑い合いながら、海はふと時計を見て慌てた表情になりました。
『あ、遅くなる前に荷ほどきしなきゃ。後で大変なことになっちゃうし』
「そうだねー、適当に突っ込んできちゃったから探すのが大変。教科書とかは新しくなるから箱のままでいいかな」
　ののこはすでに筆談になじんでくれたようで、一安心しながら海は思います。
（それにしても私ももう3年生かぁ。受験の事とかそろそろ考えないといけないんだなぁ）

　部屋が変わった人も、変わらなかった人も。
　それぞれに新しい生活が始まろうとしています。

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あとがき

担当マスター：茄子りんこ
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ご参加ありがとうございました。
今回のリアクションで描かれた桜花寮の部屋割りは以下の通りです。
○印は一人部屋です。

女子寮
☆小山内海　　野々ののこ
☆愛猫萌々子　　笛吹ぴりり
☆水上桜　　樫沢愛
〇羽生碧南
〇恵御納夏朝

男子寮
○佐藤英二
　　
このシナリオに参加されなかった方も、ご自由に部屋の設定を決めていただくことができます。
よろしければ同室の方について、プロフィールにご記入いただけると助かります。
ただしＮＰＣとの同室を希望される際は、運営部までご一報ください。

皆様の新たな生活が楽しいものとなりますように。
それでは、またご縁がありましたら次のガイドでお待ちしています。

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