桜花寮なんでもバスケット！｜リアクション

桜花寮なんでもバスケット！

☆水上桜の部屋割り

　二年生に進級する桜は、どきどきしながら部屋割り発表を見に向かいました。
　今までも二人部屋でしたが、新しい同居人が決まるのです。
（どんな人かな？）
　自分の名前の隣に書かれていたのは、初めて見る名前でした。
「樫沢愛さん……？」
　つぶやいた桜の声に、すぐ近くから反応がありました。
「水上桜さん？」
　二人は顔を見合わせました。
「水上です、あなたが樫沢さん？　よろしくお願いします」
　新たな部屋へ向かいながら、二人は自己紹介し合いました。　
　愛は、芸術科に所属する子で、美術部所属だということでした。
　生徒会役員をしている桜のことはすでに愛は知っていたようですが、さすがに家庭科同好会と水泳部のことまでは知らなかったとのことで、驚いていました。

　引っ越しをしながらも二人は話し続けます。
「樫沢さんは美術部なら、絵を描くのが好きなの？」
　愛は嬉しそうに頷いて、将来はイラストレーターを目指していると話してくれました。
「それじゃ、壁のインテリアは決まりね」
　愛の荷物からはたくさんのスケッチブックや絵が出てきました。
　趣味を聞かれて、　
「私はアクセサリー作りが趣味なの」　
　桜が答えると愛は、どんなアクセサリーを作るの？　といろいろと尋ねてきました。
「えーと、見てもらったほうが早いわね」
　桜は、今まで作ったものの実物を見せます。
　すごい、と感心する愛に、
「こんなのもあるわよ」
　さらにスマホでNyanstagramを開いて、そこにアップした画像を見せたりするのでした。
　荷物を運び終わるころには、二人はすっかり打ち解けあっていました。
「家庭科同好会と水泳部と生徒会会計をかけもちしているから、ここ最近はアクセサリー作る暇がないの」
　と桜が言うと愛は、私がデザインするから桜ちゃんが作ったら、と言いました。
「ほんとに？　いいね！」
　その流れであれよあれよという間に、コラボして新作アクセを作ろう、と二人は意気投合しました。
　新居には愛の描いた絵が一杯飾られ。
「それじゃ、材料買いに行こうかな」
（春休みが終わるまでに二人のアクセサリーができたらいいな）
　と思いながら、引っ越しの片付けもそこそこに、早速桜は愛と一緒に材料を買いに出かけたのでした。

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