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「ねこのしま」にて
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じゃあさっそく、と幸次は床に腰を下ろした。床暖が暖かい。
すぐそばには仰向けで寝転んでる猫がいるのだった。
猫にそっと手を伸ばす。白黒ブチの女の子だ。頭に手を置いても嫌そうな顔もせず、無心に横たわったままである。お腹をさわっても目を細めただけだった。
やわらかい。あたたかい。
呼吸にあわせてお腹が上下している。
うーん、幸せなひととき……。
チェックだチェックだと言わんばかりに、さっきあいさつをしたキジトラが寄ってきた。幸次が手を伸ばすと、鼻から先に顔を寄せる。しばらく見分すると、「よし」と言わんばかりに鼻息して、また飄然と去って行った。認められたらしい。
抱っこは嫌がる猫もいるので禁止ということだ。それだけ気をつけつつ、幸次は数匹の猫たちにあいさつして回ることにした。
「よろしく」
耳をひゅっひゅと動かして返事する黒猫がいた。
「やあ」
手を伸ばすとなぜか『お手』してくれるシャム猫もいた。
「よろしくね」
寝ている茶トラ猫にもささやき声で告げておく。
いつの間にかさっきの店員が部屋に入っていたが、とりたてて何も言わず戸棚をあけ調べ物をしている。真っ白な猫が一匹、神妙な表情で彼女の作業を見守っていた。「困ったら手伝うよ」と言っているみたいに。
奥の部屋には『オフィス』と書かれたドアがあり、その向こう、小さな窓越しに
鈴木
代表がいるのが見えた。
幸次の来店には気付いているのだろうが、鈴木は「ウェルカム」と両腕をひろげたりしない。オフィスから出てくることすらしない。ひろげたノートPCで作業しているだけだ。幸次としても楽ではある。
しばしくつろぎの時間が流れたところで、
「冱子(さえこ)さん、そろそろ……」
エプロンを外しながら『なるこ』が事務室の戸を開けた。なんだか表情が硬い。
冱子? そうか鈴木さんは冱子というのか。
「そうね、行ってらっしゃい」
「行ってきます」
ミッションを与えられた兵士みたいに、『なるこ』は冱子に告げ、幸次にもちらりと会釈して出て行った。
「保護猫の情報が入ってね」
言いながら鈴木冱子が事務室から出てくる。あいかわらず化粧気がなくて姿勢がすごくいい。見ているだけで幸次の背筋も伸びた。
喜怒哀楽のいずれにも属さない口調で冱子は言った。
「あの子に引き取りを任せたの」
最初は独り言かと思ったほどだ。それくらい抑揚がなかった。
「あの子、受け取りははじめてなんでちょっと心配ではあるけど」
ああなるほど――幸次は理解できた。だからあの店員さん、緊張気味だったわけか。
ここでふっと一息つくと、
「いらっしゃいませ万条君」
いまさらながら言って。冱子は流し場に向かった。
「コーヒー飲む? アイスもあるけど」
そうだった、ワンドリンク付きだった。
「じゃあアイスで」
「了解。もっていくからソファに座ってて」
アイスコーヒーといっても業務用の大きな紙パッケージからグラスに注いだだけだった。黒猫の毛並みよりちょっと薄い程度の色、グラスは喫茶店にありそうな洒落たデザインだ。ソファの前のガラステーブルに、やはり猫イラストのコースターを敷いてから冱子はグラスを置いた。
自分のグラスも用意して、
「シロップとミルクはこれね」
と籐編みの小さなバスケットをよこす。
さっきまでソファに寝そべっていた猫は、あくびをしてどこかへ言ってしまった。
だから手持ちぶさたな気持ちで、黙って幸次はコーヒーを口にする。
店員は出払ったみたいだ。
はからずも二人きりになってしまった。また。
向かいに座った冱子は何も言わない。足元によってきたキジトラの背を撫でている。
うーん……。
この前バイトで二人きりになったときほど、ものすごく気まずいとは思わなかった。
でも、ずっと無言なのも居心地が悪い。
「聞いていいですか?」
なに? と冱子は幸次に顔を向けた。
「鈴木さんは何で保護猫にかかわろうと思ったんですか?」
「私?」
そういう質問には慣れていないらしい。しばらく彼女は、質問と回答をボール状にこねたものを転がしているように間をあけてから、小さく息を吐いて口をひらいた。
保護や譲渡の経験があったのかな、そういう回答を幸次は予想していた。
実際は違った。
「贖罪。つまり罪滅ぼし……かもしれない」
冱子は暗い目をしてグラスを置いたのだ。
なかなか出てこない言葉だ。えっ、と言う幸次にこたえて、
「私、小さいころに親の転勤のため、引っ越し先に連れていけない飼い猫を道端に置いていったことがあるの」
いえ、『置いていった』なんて虫のいい言葉ね、と自嘲気味につづけた。
「捨てたと言うべきだと思う。ストレートに表現するなら」
作り話や冗談ではないのだろう。そういうことを口にしがちな人ではないし、そういう表情でもなかった。
「猫を、捨てた……?」
あまりに予想外の言葉だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
1人
参加キャラクター数
1人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月25日
参加申し込みの期限
2020年11月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年11月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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