ジャパンホラー映画出演者募集！”地獄のメリーゴーランド”｜リアクション

ジャパンホラー映画出演者募集！”地獄のメリーゴーランド”

☆ゲームの夜明けと事件のはじまり……
「さぁ、夜明けです。ここで……彼女が人狼にやられてしまいました」
　メイが参加者の女性の肩を触ると、椅子に座っていた女性はゴロンと椅子から床へと倒れこんだ。
「え……」
　あまりのことにメイは目を見開いて、状況が呑み込めないかのように固まる。
「先生どうしたの？」
　倒れた女性にメイが屈んで近づき、肩をゆするがガクガクと力なく揺れるだけで起きる気配はなかった。
「この子……息、していない……です」
　口元に手を当てて呼吸の確認をしたメイが静かにつぶやく。
「え、どうしたの？　マジ？」
　チェシャもメイの様子がおかしいと思って近づいた。
　人狼ゲームをやっていた面々がざわざわを騒ぎだす。
「ええっと、これはどうしたら……四十九院先生！　四十九院先生！」
「落ち着いてください。まずは救急車ですわぁ」
　慌てるメイとは対照的に落ち着いた様子の四十九院が電話をするように目配せをした。
　楽しげだった人狼ゲームの雰囲気は一気に暗い影が落ち、空気が冷えてくる。
「そうですね！　と、とにかく！　ゲームは中止！　誰か救急車を呼んで！」
　一番の年上ということもあり、震えながらもメイは気丈に振る舞い指示をだす。
「それやろうと思ったけどよ、なんか圏外なんだわ」
　ナオがスマホを全員に見せると、アンテナが立っていない。
「本当だ……これは何かの超常現象かもしれないな」
　ナオの言葉に智樹も自分のスマホを見ると圏外になっていた。
　ここに来るまでは確かに電波は通じていたことをナオは覚えている。
「や、やめてくださいよ！？　とにかく、電話が通じないなら急いで外にでて救急車を呼ばないと！」
　智樹の言葉にメイが怯えながら慌てていると、四十九院はふと思い出したかのように口にだす。
「もしかして、無理かもしれませんわねぇ……この状況は噂通りなら……」
　四十九院の言葉を遮るように、ザザザっとフードコートに設置されていたスピーカーが音を立てる。
『ヤァ、コンバンバ……ヨウコソ』
　男とも女とも判別できない合成音声のような低い声がスピーカーから聞こえてきた。

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