ジャパンホラー映画出演者募集！”地獄のメリーゴーランド”｜リアクション

ジャパンホラー映画出演者募集！”地獄のメリーゴーランド”

☆地獄のメリーゴーランド撮影開始
　―数時間前―
　集まったメンバーに配役と撮影の流れを説明したニャーロン・アフロスキー監督は各自に映画の資料というなの薄い紙を手渡していく
「これがキミたちの今回の役割だよ。初めはゲームを遊んでもらっているけども事件が起きていくというストーリーさ」
「なるほどね……インプロってやつ？　監督、僕はホラー愛好会で映画出演経験もあります。自主制作映画だけど。怖がらせる役は任せて♪」
　薄いシーンの構成を書いた1枚の紙を手にタルトはニヤリと笑う。
「話が早くて助かるヨ。ボクはね、役者が持つポテンシャルをダイレクトに表現したいからドキュメンタリーやインプロ型なんだ。自由な演技をしてくれれば使える部分を料理するのが監督の仕事サ」
　アフロに着流しという異色の格好をしているアフロスキー監督ではあるが、柔和な笑みは人柄の良さを現していた。
「希望の配役は怖がらせたい人が多いから、犠牲者役増やしたいよね。伝手があるから呼んでみるよ」
「OH！　Wonderfull!　キミはなかなかやり手だね！　助監督に欲しいくらいサ」
「へへへ、自主製作映画を作ってはいたからね♪　僕も監督に勉強させてもらいたいな♪」
　アフロスキー監督はタルトを気に入ったのか、二人して盛り上がっている。
「怨霊役は3人だもんな……ホラー映画なら、犠牲者が多くないと面白くないのは同感だ」
　レオンは映画での役割を確認しながら、じっと資料を何度も読み返す。
　怖がらせるのであればどのタイミングがいいのか、自分なりの演技というものを考えていった。
　実は女装して街中を歩いていたりもするので、演じることに対してどこか楽しみもある。
『パシャリ』
　シャッター音が打ち合わせルームに響いた。
　その場にいた全員が振り向くと、綾がスマホで写真を撮っていたのである。
「すごく楽しい雰囲気だったからつい……」
　演劇をたしなみながらも、父親の影響で写真についても詳しい綾は楽しい打ち合わせ風景を思わず撮っていた。
　ある事情で本格的には封印しているものの、やはりいい場面は撮りたいと思ってしまう。
「それなら、記念写真を撮ろうよ！　キャストスタッフ一覧のやつをさ♪」
「クランクアップにまたよろしく頼むヨ」
「そういうことであるならば……」
　タルトと監督に言われた綾は静かに頷き、この作品のより良いモノにしようと意気込むのだった。

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