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くくつかみおに
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夢を見る。
そこは大きな屋敷だった。屋敷には愛らしく艶めく髪が自慢の姫がいて、奥の座敷で髪を櫛梳るのが日課だった。庭の緑の木漏れ日が煌めく日も、雨がしとしと縁側を濡らす日も、秋の紅葉の赤く煌めく日も、雪が緑の松の枝に白い帽子となって積もった日も、桜がはらはら舞い散る日も、姫の長い髪は美しく櫛梳られた。
姫の美しい髪を愛した父は、職人を呼んで、姫のために豪奢な櫛を作らせた。
しかし姫は慢心していた。自らの美しさも豪勢な生活もいつまでも続くと思っていた。
そうしていくつもの櫛を――櫛だけでなく様々な品も人も――使い捨てた。
時は過ぎ、家は没落した。
姫は――もう少女という年頃ではなかったが――豪奢な櫛のことなど忘れていた。日々の暮らしに精いっぱいで髪の手入れに時間を割いている余裕はすっかりなくなっていた。蔵にあった様々な宝が売り払われていった。その中に姫の櫛の数々もあった。
――飽きるのも見捨てるのもこんなに簡単なものなの? 僅かな金品と引き換えに私たちを売るの!?
人手に渡った櫛たちは、様々な人間たちの間を渡り歩いた。
はじめこそ細工の美麗さを褒めそやした人間たちはしかし、何度か髪に飾ればよい方で、中には箱にしまい込んで蔵の奥で主人が死ぬまで仕舞われていることもしばしばあった。そして後世のものがたまたま見つけ、またどこかへ売り払うのだ。その度、櫛は朽ちていった。
――私たちは櫛なのに……、女の髪を櫛梳り美しく飾るために生まれたのに。たった一人の女の人生に寄り添えれば、それだけで幸せであるのに。金と引き換えにやり取りされ蔵に仕舞われるだけなぞあさましや。くやしや。……かなしや。
つつもの声だった。長い髪がうねって揺れる。淡い朱を散らした着物を羽織った少女が闇の中に立っている。
つつも姉さま、と言いかけてくくつは気付いた。
つつもの怒りの奥に沈む嘆きに。
――悲しかったのだ。寂しかったのだ。大切にされなかったことが。
想いは募り、塗り櫛の姉妹たちは物の怪と化した。
――いや、この想いは本当は誰のものだったのだろう。
本当に『私たち』のものだったろうか。それとも、『姫』の――人間たちの――?
◇
海はあおいに駆け寄り、彼女の口元に耳を当てて呼吸を確かめた。
(大丈夫。息してる。生きてる。くくつが離れて髪も元に戻ったみたい)
あおいは傀儡となって戦ったダメージが蓄積しているのか深く眠り込んでいる。
眠っているあおいを運んで山道を降りるのは至難の業だ。エレノアは手伝ってくれそうにないし、自分ひとりではとても無理だ。だったらせめて夜明けまでこのまま休ませてあげたい。
海はあおいの頭を自らの膝の上にのせて休ませることにした。
エレノアはあおいにはさして興味がないようで、日傘を片手で持ちくるりくるりと回していた。もう片方の手の中ではあおいから引き抜いた桜模様の塗り櫛をもてあそんでいる。
海はスケッチブックを取り出してエレノアに訊ねたいことをそこに書いた。
『そのくし、どうするの?』
――どうか、私の姉妹たちだけは……壊さないで……。
つつもは消滅する直前、そう言い残したという。くくつはたしかに危険な物の怪であった。けれどつつもの最期の想いを踏みにじることはしたくない、と海は思う。
『私としては壊したりはしたくないんだけど……かといって浄化とかもやり方わからないし……エレノアさんはどうするべきだと思う?』
「さて、どうしましょうかね」
エレノアは、ことり、と首を横に倒す。その、どこか人間離れしたその仕草に海は背筋が寒くなったが、それでもめげずに筆談を続ける。
『なんだったら私が一度預かるけど』
「ふふふ。それには及びませんよ」
エレノアは薄く笑って眠るあおいを見下ろした。
「まずは七夜さんが起きるのを待ちましょうか。その間にやることもありますし」
『なにをする気?』
エレノアはつかつかと持って来たリュックの方へ歩み寄る。
「闘いのあとは休息と相場が決まっています。火を熾して腹ごしらえといきましょう」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
プライベートシナリオS(400)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
バトル
神話・伝説
定員
4人
参加キャラクター数
2人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年10月09日
参加申し込みの期限
2020年10月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年10月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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