Valentine Girl｜リアクション

Valentine Girl

「あと」
　あおいは振り向くと、丁寧にラッピングされた緑色の小箱を取り出した。
「もうひとつプレゼント、これは彰尋くんの誕生日用ね。少し早いけどハッピーバースデー！」
「えっ！？」
　これはまったくの予想外だ。彰尋は目を見張るしかない。
「ついでっていうわけじゃないんだけど、時期が近かったから。どうぞ」
　ケーキを置いた彼の手に、あおいは小箱を握らせる。
　驚きすぎて彰尋は今度は礼の言葉すら出ない。
「開けてみて」
「あ……うん」
　ラッピングを解き箱を開けると、透明なボディの万年筆が出てきた。インクの後ろの空間には、小さなうさぎのマスコットが入っている。
　茶色で垂れ耳のうさぎだ。ハートを抱いている。とことなくあおいに似ていた。
「旧市街の文具店で買ったんだけど、人形を入れてデコったのは私ね。こういうデコ万年筆が静かなブームなんだって」
「ありがとう。本当にありがとう」
　大切にするよと言う彰尋に、
「文具だから使ってくれないと。これ私も一本持ってるけど書き味も抜群だから」
　とあおいは笑った。
「そうだね。大事に使うよ、だね。こういうときは」
　彰尋も笑った。

　ハッピーバレンタイン。
　そしてハッピーバースデー。

　――『Valentine Girl』　了

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あとがき

担当マスター：桂木京介
ファンレターはマスターページから！

　桂木京介です。

　鴻上彰尋様、改めましてリクエストありがとうございました！
　素朴だけどあおいらしいプレゼント、そしておふたりらしい話にしたいと思って組み上げた物語です。
　きっとあおいも、心から楽しい一日だったと思います！
　
　プライベートシナリオですので、内容についてはコメント欄で話しますね。

　それではまた、新たなシナリオで会いましょう！
　桂木京介でした

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