なめこ流対つちのこ流　ニンジャ大決戦の巻！｜リアクション

なめこ流対つちのこ流　ニンジャ大決戦の巻！

「よし、ちょっとお貴さんと戦闘訓練でもして来ようかなっ」
「いや、何でっすか。訓練するならもっと下の連中鍛えてくださいよ」

　伊賀解理がウキウキと北風貴子を訓練に誘おうとしていると、そこをまるでモブの如きニンジャが突っ込む。

「何を言う。来たるつちのこ忍軍との戦いに備えて、頭領のコンディションを整えるのは頭領の補佐として当然の仕事だ。そうは思わんかね？」
「思わないっす。あの真面目な頭領ならそんな事わざわざしなくても自分で整えるでしょ。大体、頭領の補佐とか言ってますけど、あんたそれ自称じゃないっすか」
「だまらっしゃい！」

　そう。解理がなめこ流のニンジャでありそれなりの立場であるのは間違いないが、頭領補佐というのはあくまでもただの自称であり間違いだ。
　色々と言葉を並べているが、要はただ単に貴子を独り占めしたい。それだけであり、それを知っているモブニンジャとのこのやり取りもいつもの事だったりする。

「はぁ……。まぁ、息抜きは必要でしょうから、別に訓練するのは良いっすけどね」
「よし、来たっ」
「はやっ！？」

　モブニンジャがそう言うと正しく雷のような速さでその場を出て行く。それだけ解理からすると重要な事なのだ。

「ドーモ、お貴＝サン。ハクイ・スパッツです。いざ尋常に勝負！」
「それはニンジャはニンジャでもまた違うニンジャでしょうが！」

　修練場へと貴子がやって来たのを見て、勝手に神聖不可侵の儀式と思っているアイサツをする解理。
　すると、ツッコミをいれるように貴子が教師用の三角定規を振るった。

「おわっ、危なっ！？」
「全くあなたはっ。他のニンジャ達からあなたに関する陳情が幾つか上がってきているわ。妙な立場を自称するのも止めなさい！」
「ならば、ここで勝って補佐の地位を公認にして貰います、イヤッー！」

　解理は自らの武器であるゴムのついた練習用ボールを取り出し、それをヨーヨーのように巧みに操り始める。

「相変わらず軌道が読み難い見事な攻撃ね。だけど、流石にそろそろ慣れてきたわ」

　教師用の三角定規を回転させて横から襲いかかろうとしていたゴムのついた練習用ボールのボール部分を弾く貴子。

「流石お貴さんっ。だけど、今日は新技を持ってきてんですよ！」

　一旦ゴムのついた練習用ボールを回収した解理はボール部分に特殊な液体をくまなくかけてからボールへと火遁の術を発動させる。すると、まるで業火に包まれたかのようにボールが激しく燃え始めた。

「そして！」
「これは……」

　先程はただゴムのついた練習用ボールを立って操るだけだったが、今度は縦横無尽に高速移動しながらこの燃え盛るボールを振り回し始める。
　これこそが解理が開発した新たなる技である『必殺火炎車』だ。

「今朝早起きしたら浮かんだ新術！　いくぞぉ！」
「それなら普段から早起きしなさい！」

　そう答えると貴子は両手に教師用の三角定規を携え手当たり次第に振り回し始める。それは解理の動きが読めないから適当に手数で攻撃している、というわけではない。

「確かにその技は大したものだけど、でも、まだまだね！」

　一点を見定め貴子が地面を蹴って加速する。迫りくる火に包まれたゴムのついた練習用ボールを最低限の動きで躱し、教師用の三角定規を振り抜くと解理が吹き飛んでいった。

「ぎょぇえええええっ！？」
「……ふぅ」

　息を一つ吐いて改めて解理の方を貴子が見ると、それなりのダメージのようでもがきながら上半身を起こしていた。

「な、何故……？」
「私の得意である土遁で細かい土を創り出し、武器を振るうフリをしてその土を撒いていただけよ。で、あなたに付着したその土であなたを補足して攻撃したというだけ」
「そ、そんな方法が……。だ、だが、我が一片の悔いなし」

　ガクリと力尽きる。悔いなどない。それはそうだろう。思惑通りに貴子を独り占めする事には成功したのだから。
　因みに当然死んだわけでなく、この後の解理には大量のお仕事が待っていたと言う。

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あとがき

担当マスター：昂祈
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昂祈です。
なめこ流対つちのこ流　ニンジャ大決戦の巻！のリアクションをお届けいたします。

ニンジャ漫画はかなり昔からありますが、ニンジャ漫画と言えばと言うのは人によって違いそうな気がします。
未だと特に若い人だとだってばよの漫画が一番に上がるのでしょうが、あれが始まる前は何が一番に上がっていたのか気になるところです。
個人的には4コマのとあるニンジャ漫画が今結構好きだったりします。

さて、今回はここまでという事で。
それでは、この度のシナリオにご参加頂きありがとうございました！

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