携帯戦記カプセルギア　冬だ！バトルだ！カプギア甲子園だ！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　冬だ！バトルだ！カプギア甲子園だ！

　ベリアルの被害状況をみた円は眉をしかめた。
「参ったね……」
　頭部とボディーへの被弾がひどく、幻影を作り出すことは無理だった。
　変形も難しい。
　ビル群に隠れて、仲間の到着を待つしかない。
　作戦としては事前に敵の戦術を前の試合から確認はしていたものの、凛太郎とスピカの連携は試合をこなすごとに精度が上がってきていたのは誤算だった。
　ただ、支援型の1機を落とす作戦は成功したので、戦略としては成功である。
　ダダダダダと機銃がビルを撃ち抜き、道路やオブジェクトとして用意されてきた車を破壊していく。
「どうせなら、最後のあがきをしようかね」
　使える武装として残っているピットをもって、近接戦闘モードに円は思考を切り替えた。
「ブースト、オン！　いくよ！」
　機銃のリロードタイミングを見計らって、ボロボロのベリアルはトライアルγ に向かって迫っていく。
　ベレロフォンの射線上にトライアルγ が入る方向からの接近であれば、援護は怖くない。
「回復完了……射出」
　トライアルγから自爆デコイが発射されて、ベリアルへ特攻させた。
「遅れた」
　しかし、その自爆用デコイもミミックから放たれたデコイと相殺させられてつぶされる。
「むむ……」
　スピカの顔が曇り、ベリアルがトライアルγへと迫った。
　超射程レーザーで、接近するベリアルを破壊しようと発射するも、ベリアルも残ったピッドを集めて撃ちだすビームで相殺する。
　二つの光がぶつかりパワーで押し合いをはじめた。
「スピカ、今行くよ！」
「色男さん、そうはさせない！」
　援護射撃ができる位置へと移動しようとするベレロフォンの飛行ユニットをネージュリェーツが切り裂いた。
「くっ……」
　ベレロフォンがバランスを崩し、近くのビルへと降り立った。
「2体１が基本だからね……デコイは数に入らないけど」
　カメレオン型の姿になっているミミックがベレロフォンへと迫る。
「弓だからといって、近接が弱いわけではないよ」
　ケンタウロス型の半人半馬の機動力で、二人に囲まれていても距離をとっては高速連射をしていく。
「ああっと、奮闘をしたもののベリアルが脱落！　しかし、トライアルγも満身創痍だ。回復の間が間に合うか！」
　カプギア仮面の実況を耳にした真白が、ネージュリェーツでベレロフォンの弓をシールドでいなすとともに踏みつけて空へと飛びあがらせた。
「僕を踏み台にしたの……か」
　驚く凛太郎をよそに、ネージュリェーツは回復中のトライアルγにしがみつくと自爆する。
「これで終わりだね」
　バリアを使ってベレロフォンの弓をいなしていたミミックがギミックアームでベレロフォンの胴体をかみ砕き、勝敗が決まった。
「優勝はチーム『陽炎』だぁぁぁぁ！」
　カプギア仮面の宣言に拍手と歓声、そしてファンファーレが会場を包む。
　熱気で湯気が出そうなほど熱いカプギア甲子園はこうして幕を閉じたのだった。

『Winner is 『陽炎』』

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