携帯戦記カプセルギア　冬だ！バトルだ！カプギア甲子園だ！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　冬だ！バトルだ！カプギア甲子園だ！

　決勝戦のステージがバトルフィールドに作られていく。
　市街地ステージでビルやタワーなど、障害物も多いが広い空中をどう使うかがポイントとなりそうだ。
「さぁ、お待たせしましたぁ！　これより、カプギア甲子園決勝戦！　優勝するチームは果たしてどちらだ！　カプギアバトル、レディィィィゴォォォォ！」
　カプギア仮面の合図と共に決勝戦がはじまる。
「単騎による、敵集団殲滅…。それこそが、γのコンセプト…」
　スピカのトライアルγがお決まりのデコイを最大数をばらまいてからの飛行形態での戦闘に入る。
「援護するよ」
　同じく空に飛び上がった凛太郎のベレロフォンが上空から矢を雨のように降らして物陰に隠れている敵チームのあぶり出しをしはじめた。
　ビル群に矢がぶつかり、煙がもうもうと上がっていく中を突き抜けるように黒い飛行形態のカプギアが飛翔する。
　ベリアルである。
「可変型カプギア同士の空中戦だぁぁぁぁっ！　今回のカプギア甲子園は目が離せないバトルが目白推しだ！」
「空中に飛べるのはキミたちだけではないってね！」
　小型太陽で作り出した幻影と共にビームを放ち、ベレロフォンとトライアルγへ圧をかけた。
　スピード性能は高い2機ではあるものの、一斉に降り注がれるビームの雨に動きが鈍る。
　しかし、2機も幻影を打ち消すように射撃しかえした。
「作戦通り……あの二人のコンビネーションは怖いね」
　狙撃しやすいビルの上に待機していた、Diablo Azulが両肩に装備した中距離用無反動キャノンの標準をベリアルに合わせていく。
　ターレットが重なって、ロックオン表示が起きる前にレッドアラートがA.I.C.Oから鳴り響いた。
　直後、ズドドドドンとクラッカーが鳴り響き、キャノンへの被弾が確認される。
「デコイはそちらの専売特許ではないのだよ」
　旅鴉は自らのデコイをトライアルγの発したデコイにぶつけてつぶし、蒼を狙ってきたのである。
　ビル壁に顎のように変形させた腕を挟みこみ、再びクラッカーを投げつけた。
「キャノンをパージ！　こっちはいけるよ！」
　蒼は装備をビームライフルに持ち替えて、投げつけられたクラッカーを撃ち抜く。
　爆風が上がり、衝撃で周囲のビルの窓ガラスが砕けた。
「終わりだよ」
　Diablo Azulの背後に忍び寄ってきたネージュリェーツがソードでボディを貫きとどめを刺す。
「ナイスファイト」
「さぁ、円の援護に向かいましょう……あまりにも白熱して……しそうよ」
「何？」
「なんでもないわ」
　旅鴉の問いかけに頬を染めながら真白が答えた時、頭上を高出力の光の帯が空を貫いた。

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