携帯戦記カプセルギア　冬だ！バトルだ！カプギア甲子園だ！｜リアクション

携帯戦記カプセルギア　冬だ！バトルだ！カプギア甲子園だ！

「ラズちゃんいっけぇ～」
　バトルフィールドにピンク色のフリルドレスを着たウサギのぬいぐるみのようなギア『ラズちゃん』がフィールドを縦横無尽飛び回る。
　その姿は激しいバトルが繰り広げられるカプギアの戦いの中でもファンタジーな雰囲気を漂わせていた。
「これまでの戦いとは違う動きをしてきたね！　それでもボクのやることは変わらないよ！」
　チーム名の『陽炎』の由来となった、小型太陽による幻影づくりを円のギア『ベリアル』が行う。
「A.I.C.Oちゃん! あとの操作は任せたよ！」
　ベリアルを動かし、攻勢に出ていく。
　複数に分身したように見えるベリアルがビームを放ち、飛び回るラズちゃんの行動範囲を狭めていく。
「厄介なのは、あの幻影を作るギアッスね。囮かもしれないけど、やるッスよ！」
「オーケー！　攻撃は最大のボーギョって言うしな！」
　ラズちゃんが飛んでくるビームを交わしていると、『ロック』と『トルーパー』がベリアルに迫った。
　キュィィィンというローラーダッシュ音を響かせて、トルーパーがマシンガンを連射していく。
　幻影であろうと、弾幕射撃をされれば本体を特定されるのは時間の問題だ。　
「いいね！　幻影なんかぶっ飛ばして派手にいくぜ！」
　サンダーブレードによる雷撃を飛ばし幻影もろともビットを破壊していくと、ベリアルも被弾していく。
「ちぃっ！　さすが、ここまで勝ち抜いてきた小学生だね！」
「その通り、侮れないんだよ」
　被害状況を確認する円に対して、真白は自信ありげに大きな胸を揺らして、愛機の『ネージュリェーツ』を動かす。
　次の瞬間、援軍に来たチームメイトと共ににくきゅうわっかビームを飛ばそうとしたラズちゃんの背後の空間に歪みができて、斬撃を受ける。
「あぁーっとぉ！　これはどうしたことかぁぁ！　りゅーき選手のラズちゃんがダメージを受けているぞ！」
　実況をするカプギア仮面の声聞き、桐子の頬を汗が伝って落ちる。
「ステルス使いもいたんすね……なんてやっかいなチーム！　龍樹！　動き回るッスよ」
　集中攻撃をして1体ずつつぶそうとした作戦は崩れてしまった。
　ピンチではあるのだが、桐子の口元は緩く曲がる。
「ここまでヒリヒリする戦闘は久しぶりの気がするっスね。握るスマホが熱くもなるッス」
　そう、『戦い』はまだこれからなのだ。

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