ハッピーニューナイトメア！｜リアクション

ハッピーニューナイトメア！

●●●気まぐれに紡がれる記憶●●●

　107つの鐘の音が鳴り終わって少ししてから、世界はまた真っ白になった。
　夏朝はこの空間に来た時の状態に戻っていて、あたりを見回すと目的のモノが居た。

「君たちが、皆を！」

　手を伸ばして言葉を放った瞬間、世界は彩りを取り戻した。
　自室の天井に手を伸ばした夏朝。きっと先ほどの言葉も放っていただろう。

「悪夢…であってほしい…折畳傘、買いに行こうかな。丈夫で固そうなのを…」

　確かな戦闘の記憶に、空間を生み出したモノに何もできなかった。
　その苦々しさから出た言葉と共に伸ばした手を下して頭を抱えたのであった。

「ふぁぁ！　なんか面白れぇ夢を見てた気がするな。気分もいいし喧嘩でもふっかけてくるか！」

　人によっては悪夢だが、そもそも夢と割り切っていた源三にとっては爽快な気分になるものだったらしい。
　詳細までは覚えていないようだが、はつらつとした表情と動きで良い朝になったようだ。

「今日の夢は楽しかったな」

　源三と最期に共闘した真白も楽しいと感じた夢だったようだ。
　不思議な空間に不思議なアイテム、アニメやゲームが好きな真白にとっては良い体験になったようす。

「気持ちいいような…そうでもないような…？」

　起きた碧南はぼんやりと朝の陽ざしを眺めてつぶやいた。
　夢というのは曖昧なもの。なんとなくスッキリしない朝でも起きて学校にいく、それが皆の日常であった。

「…」

　公園のベンチに座って無言で青空を見上げるのは志桜里であった。
　何を考えているかは傍から見ても分からない。ただ何か大きな流れを見ているように見えた。

ゴーン

　どこからか聞こえてきた鐘の音を、この世界の一部に溶け込ませるように深呼吸をした。

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あとがき

担当マスター：御宮久
ファンレターはマスターページから！

「どうだった？　今回の余興は」
「いやーなかなか楽しめたよ！」
「それは良かった。面白い子は居たかい？」
「ああ、もちろん！　やっぱり人の必死な様は独特な感情が湧き出るね」
「お、こんなところに。中間発表からのオッズ変動でだいぶ損したからオゴってくれや」
「それは残念でしたね。では僕から出させていただきますよ」
「ありがてぇ！」
「おいおい、ほどほどにしとけよ？　こいつすぐ調子に乗るんだから！」
「んだと！？」
「まぁまぁ、今回は僕も会側ですので」
「にしても良く考えたぜ、疑似バトロワなんてよ」
「苦肉の策、と言ったところですけれどね。あそこには守護するものがいるので」
「あー、やりすぎるとなぁ、うるせぇからなぁ」
「そもそも！　やりすぎないのがいいってこと分かってる！？」
「俺のときはやりすぎなぐらいがちょうどいいんだよ」
「自重は推奨したいところですね。僕のところに苦情が来ると大変なんですよ？」
「しかしなぁ」
「…そうですね、今回のオゴり分、と言うのでいかがでしょう？」
「ぐっ」
「ぷっ…はははっ！　いいね、それなら文句ないでしょ？」
「そうだが…なんでお前が勝ち誇ってんだよ」
「アンタのそんな顔見られるのはなかなかないからね！」
「ちっ、ま、次は期待してるんだな」
「えぇ、くれぐれも守護するものに目を付けられないように、ですよ？」
「だよ！」
「わかってらぁ！　ったく」

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