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【いぬねこのお昼】
瀬莉たちの向かった先は『にゃか卵』という、言わば丼料理のファストフード店だった。
「わがはい、やはり肉が食べたいわん」
「サーモン丼とほたて丼で悩みますにゃ。どちらも捨てがたいのでございますにゃ」
そして、選んだ末にホタテ丼を食べたねこは、
「幸せの味でございます、にゃ……」
最後にそう言うと、あまりの味覚の幸福に天に召されようとしているところだった。
至福そうな顔を見るに、選択肢として、瀬莉が選んだこの場所は合っていたようだ。
異世界の住人の接待は初めてだが、これは成功したと言っても良いだろう。瀬莉は小さくも心から安堵の息を零した。
◆
夏朝たちが、旧市街の参道を上がっていく。その先には、しんと静謐な空気を漂わせている神社があった。
「厳かな場所に来たにゃ~」
「ここはね、寝子島神社って言って――」
社を指し示した夏朝の言葉に、既にその場で集まっていた何名かが、その特徴的な語尾に反応して顔を向けた。
偶然、案内に同じタイミングで訪れていた綾花が、夏朝たちと連れているひと姿のいぬねこを見つけて、挨拶と共に集まってくる。
「あ、こちらにも……! 丁度同じだったんですね、こんにちは」
「こんな所で偶然だわん!」
何班かに別れて活動していたのであろう、いぬねこたちは偶然の再会を心から喜んだ。
「せっかくですから、一緒にお参りしませんか?」
綾花の提案に、夏朝と共に皆が頷く。
「それでは、まずは手水舍に行っていきま――」
「あ、それを飲むものじゃなくて。口はすすぐだけなんだ、見ててくれ。こう――」
行き先に声がした方を見れば、同じくここに訪れていた刀が、いぬねこのひとたちに必死に手水について教えている所だった。
四苦八苦しているいぬねこたちを見ていると、まったく知らない文化を教えることは大変だと痛切に伝わってくる。
夏朝と綾花の連れていたいぬねこたちが一斉に手水舎に集まって来たのを見て、刀も驚きに目を見張ったが、直ぐに状況を理解したようだった。
「ああ、本当に他の皆も来ているのか。今日はいぬねこたちが一斉に寝子島に訪れているんだな」
刀が夏朝と綾花の連れている、本当に『御上り観光客です』というオーラと、自分が連れている面子の喜びようから、彼らもいぬねこだと把握して、軽い挨拶をした。
「観光案内で、皆一緒の所に来るのは素敵ですね。
良かったら、いぬねこたちと皆で一緒に参拝に行きませんか?」
「サンパイ?」
「この島の神様にお祈りすることですよ。お願い事をすると叶うと言われてるんです」
「すごい御利益なんだわーん! 犬のしょうぐん様の『聞いたら後は気まぐれに』よりも、すごい御利益なんだわーん!」
綾花の参拝する提案に、一同は皆興味津々で、楽しそうに頷いた。
「二礼二拍手一礼……社の前に立ったら、まず二回お辞儀をして……
二回拍手をした後に、お願いしたいことを祈って、それから感謝を込めて一回お辞儀をするんですよ」
そうして、いぬねこたちは各々がそれぞれに祈っていった。恥ずかしそうに内容は教えてくれなかったが、きっと良いものであったに違いないと、その場の空気の温かさが教えてくれていた。
◆
「何か心がスッキリしたニャ!」
「ふふ、神様のご加護や、お願いした事が叶いますように、というお守りも売っているんですよ?」
「欲しいワン! お土産にするワン!」
中身がいぬねこなので、少し端から見ていると、非常にテンションの高いひとびとの集団が、お守りの預かり所に殺到する。
何か問題があってはならないと、側まで行って様子を見ていた綾花だが、何とかつつがなく皆お守りを手に入れる事が出来た。その様子を見ていると、過去、いぬねこのトップだった存在に、参拝の仕方を伝えたほおずき市を思い出し、その微笑ましさに頬を緩ませずにはいられなかった。
元気でしているだろうか、ここにいないことが少し寂しく感じられた。
神社から少し歩き、綾花たちはロープウェイの中にいた。
天井から、窓を仕切るアクリル板の側面からちらほらと雪が舞い始めたのが目に入り始める。
寝子島神社の更に山道先にある寝子温泉は、徒歩でも行くことが可能となっている。しかし、今回は滞在時間の影響により『短く高い所で絶景も楽しめる』という利点を一同は優先することにした。
「え?! お湯に入りながら雪が見られるにゃ?」
「はい、露天風呂ですので、きっと素敵な光景だと思います。皆さん、お湯は大丈夫ですか?」
一同が、こくこくと首を縦に大きく振る。
そして『ふわぁ……』と、今からいぬねこたちが、その光景を想像しているのを、綾花にも目につくだけですぐに理解が出来た。
「あ、混浴があるのですね。それでしたら、皆一緒に入りましょう」
偶然、混浴のコーナーを見つけた綾花が、連れ立っていたいぬねこたちに浴場のマナーを教えながら露天風呂まで足を踏み入れる。
「熱いワン~……」
「肩までちゃんと浸かるんですよ?」
「雪がワタムシみたいにふわふわしていて、綺麗ですにゃ」
さっそく寛ぎ始めたねこの人の言葉を目にすれば、空からは綿雪がゆらゆらと湯船に落ちては消えていく。
「心が穏やかになりますね。混浴があるのは知らなかったのですが、それでしたら今度はシリウスも一緒に入りたいですね」
綾花の脳裏に浮かんだものは、混浴と知った瞬間に、顔を真っ赤にしながら拒否をする
シリウス・グラン
の姿であったが、そのような姿が見られるだけでも、綾花の心は楽しみに揺れた。一緒に来てくれれば良かったのにな……そう思うと、少しだけ寂しい気持ちはやはり隠し切れない。
予定時間までは未だ少し。温泉の恒例行事として一同は温泉上がりに綾花からルールを教わり温泉卓球を始めた……が、球技という文化に馴染みが極めて薄いいぬねこたち。ピンポン球を上手く盤にバウンドさせることが出来ない……それでも、いぬねこたちは、跳ねるボールがとても珍しく、大喜びでコーナー外に出たそれを追い掛けていった。
そういう遊びではない――綾花は説明を断念した。
◆
集まった一行と別れた夏朝たちは、また別のロープウェイに乗って、頂上展望台までやってきた。
ロープウェイでの反応は、スリルの好きないぬねこたちには堪らなかったらしく、周囲の目が気になる程に大盛況だった。
「すごいにゃー。街が一望できるにゃー!」
「ひとが豆粒のようだわーん!」
展望台に設置された望遠鏡を順番に使って景色を見て回る。
「これが、今まで『いぬねこの国』に来ていた『ひと』たちの世界なのだわんね……こんなに広いと、うまく一言には言えないのだわん」
しみじみといぬの一匹が告げた。
「うん……」
夏朝が、望遠鏡を通さない景色を目にしながら物思いに耽るように呟き告げた。
「寝子島には色んな所があって……
素朴な所も、普通な所も、高級な所も……
不思議な所も、いっぱいあって。色んな面白さが共存している……それが、寝子島の『良い所』なんじゃないかなって」
「良い所がたくさんあるなら、探索のしがいもあるワン! また来たいワン!!!」
望遠鏡を見終えたいぬねこたちが、深くまで心入り込んでいた夏朝の言葉に意気込むように答えた。これなら次も来てくれるかも知れない。それらの元気な彼らの様子に、夏朝はとても元気づけられた。
◆
刀たちが最初に登った所から、違う階段を降りていくと、そこは参道商店街が正面に見渡せた。
「沢山おうちがありますにゃ! ここに来るまでもありましたけれども、ここはどこかいぬの国を彷彿とさせますにゃ」
「ああ、確かに。和建築のものが多いからかな。
帰りも星幽塔経由だろう? それならここで星幽塔へのお土産を買っておくといいぞ。
食べ物屋さんも多いから、たい焼きとかたこ焼きとか買って食べ歩きも悪くないな」
「食べ歩き、お祭りとかで出来るやつかにゃ~?」
「お祭りに限らず、食べ歩きしながら見る寝子島は最高だぞー?」
「おおおー、早速買いに行くにゃー!」
いぬねこの人々と刀は、鯛焼きやお土産の購入品で片手や両手を塞ぎながら寝子島漁港までやってきた。
そこには彼方まで広がる海の水平線。
「おおー! ここで食べるたい焼きのなんと美味しいことだわん!」
「潮風が冷えるから、皆寒かったら言ってくれ。
――うーみー!!」
刀が両手を口に添えて、先ほどまで微かに雪が降っていた薄曇りの遠い水平線に向かって叫ぶ。それを見たいぬねこの人々も一緒に『うーみー!!』と全力で叫んでみた。互いに胸に残った清々しい気持ちが共通のものだと分かると、刀といぬねこたちは顔を合わせて笑い合った。
「早朝だと水揚げした魚が見られるんだけど、雰囲気だけでも――」
刀がそこまで告げた時、きゅぅくるるると、どこかからお腹の鳴る音が聞こえてきた。
「うん、この辺りの定食屋だと魚が美味しいな、ちょっと早いけどお昼にしようか」
「はっ!『人間界ですごく美味しい』と噂になっていた『カマアゲシラス』がたくさん乗ったものが食べたいワン!」
「『釜揚げしらす』か。ありそうだな、行ってみるか」
◆
シーサイドタウンに着いたところで、広場はとても賑やかな活気に満ちていた。
「おさむどの! あれは何でござるか!」
お買い物のモールもプリクラも、何もかもがいぬねこたちにとっては『いぬねこ生』初めての経験だ。それらに丁寧に答えながら皆で歩いていく。
「ああ、今日は広場でフリマをやっているのか」
「ふりま、知ってるにゃー。色んなものが売っているんだにゃー」
「ああ、せっかくだから、自分たちの世界にお土産を買うのも良いかも知れない。でも、はぐれないように」
そして、買い物を終えたいぬねこたちは側にあった屋台で昼食をとる事にした。
たこ焼き、クレープ、いぬねこたちに一番求心力を見せつけたのは、漂うケバブの匂い。
「目に入るもの全部食べたいワン!」
「なら、食べ歩きだな。皆で食べたいものを買って、少しずつ交換すればたくさん食べられるぞ」
『その発想はなかった』――いぬねこたちは、躊躇いなく『発想の天才』という尊敬の眼差しで穴が開くほど修を見つめた。
◆
瀬莉たちも、食事を食べたら旧市街へ。
寝子島の魅力は各所に詰まっているが、旧市街はそれが顕著だ。
ただ最初に動物園を巡ろうとして、その場所の説明をした際に『もし、今自分も人の姿をしていなかったら、閉じ込められてしまうのだろうか……』という漂い始めた、だだもれの悲しげな空気に、瀬莉は向かうべき場所を慌てて映画村一点に絞った。
そうして辿り着いた映画村は、先のそれら総てを払拭するほどの大好評だった。
「にゃー!!」
「わおーん!!」
「飛び込みたいワン、飛び込みたいワン! おれもあんな風になってみたいんだワン!」
格好良い大立ち振る舞いの殺陣が、客に決して怪我させない配慮の元とはいえ、かなり苛烈にいぬねこたちの前を通過する。
「待ってー! 待ってーっ!!」
興奮に一気に湧き上がり、我も我もと大騒ぎを始め掛けた一同を、瀬莉は半分悲鳴を上げながら身を挺してしがみ付くように押し戻した。
「落ち着いて! 落ち着いてぇーっ!!」
もう、人生で何回こんなに大声を張り上げたのは何回目だろうと思う。少なくとも、未だ片手の数も行ってもいない経験だというのに。
そして舞台終了と同時に、後ろ髪を引かれる思いのいぬねこ達は大人しくなり、一同は大騒動となった舞台の一部である武家屋敷を後にした――
◆
「ふぉおおおお!!」
シーサイドタウンの目玉とも言える観覧車の一番上から、修の連れていたいぬねこたちの感動の叫びが響き渡る。
――一日という期限付きの中では、到底時間など足りるはずもない。もっと本当はたくさんのものをいぬねこたちに見せてあげたいと考えていた。だがどうしても時間は迫る。
「ぼくたち沢山見せてもらったにゃ~。
オサムはどこか一番好きな場所はあるかにゃ~? 見に行きたいにゃー」
いつしか、一同が答えを待っている。
「俺が一番好きな場所? そうだな――」
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
5人
参加キャラクター数
5人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2020年06月10日
参加申し込みの期限
2020年06月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2020年06月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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