寝子小クリスマス会☆　悪魔ネズミの襲撃！｜リアクション

寝子小クリスマス会☆　悪魔ネズミの襲撃！

☆悪魔ネズミとプレゼント

　みとは、いたずらするネズミたちを見つけて不思議に思っていましたが、思い切って近づいていきました。
「どうしてこんなことをするの？」
「クリスマスなんてぶちこわしてやるでチュー。おれたちには関係ないでチュー」
　かごに放り込まれた悪魔ネズミが、悔しそうにわめきます。
「クリスマス……。みとはとっても好きだから、ネズミさんにも好きになって欲しいなぁ……」
　みとは首を傾げ、どうしたらいいか考えました。

「サンタさんだー！」
　子供達の歓声が上がります。
　琳子は、赤いサンタ服に身を包み、つけひげを付けて子供たちの前に出ました。
　先刻大人たちに隅っこに連れていかれて、切り出されたこと。
「私が……サンタさん、ですか？」
　ぎっくり腰の校長先生の代わりにサンタ役を、と頼まれ、断るのも気が引けて引き受けたのでした。
（奏子にばれないといいけど）
　妹にはさすがに気づかれるのでは、ばれても黙っててくれるかな……とひやひやしていた琳子でしたが。
「プレゼントちょうだい！」
　子供たちが歓声を上げて殺到してくるのにちょっと引き気味で、そんなことは気にしていられなくなりました。
　それでも、お手伝いの人たちの手を借りながら子供たちにプレゼントを配っているうちに、ほのぼのとした気持ちを感じていました。
　不思議そうな顔をしてこちらを見つめている妹にも、にっこりとプレゼントを渡します。
　幸い奏子は「ありがとう！」と言っただけでした。

「ちょっとまってて」　
　みとはサンタさんからプレゼントをもらい、ネズミたちの元へ戻ってきました。
「あっ、じゃあ、わたしがネズミさんのサンタさんになるね。おかし、プレゼントにあげる！」　
「チュ？」
　みとがプレゼントの袋を開け、駄菓子を取り出して悪魔ネズミに与えます。
「……チュー」　
　脱力していたネズミたちは夢中でお菓子を食べて。
「今日はこのくらいにしといてやるチュー！」
　そう言うと、カゴのふたを跳ね上げ飛びだして逃げだしました。
「あっ、待てぇ！」
　プレゼントをもらって戻ってきた瑠樹は、あわててろっこんで止めようとしましたが。
　悪魔ネズミたちは逃げおおせ、そのまま戻ってきませんでした。
「だいじょうぶ、これからも点けんするから。きっとネズミさんたちもわかってくれたよ」
　みとは笑顔で言います。
「……そうかなぁ」
　心配する瑠樹ですが、すでに結構疲れていました。
　一人で全部の悪魔ネズミに何度もろっこんを使い続けるのは無理そうでした。

「本当に楽しかったー。もう終わりかぁ……」　
　瀬莉はレースでもらったプレゼントを開けました。
　すでに開けたカナちゃんが覗きこみます。
「わたしはおかしだったよー、あ、手帳？」　
「時計のもようだ！」
　パステルカラーの地に、時計がデザインされた可愛い手帳でした。

（気づいた……わよね？　奏子に聞かれたらなんて答えようかしら）
　サンタ役を終え感謝の言葉をもらってほっこりしつつ帰途についた琳子は、そんなことを思うのでした。
　

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