寝子小クリスマス会☆　悪魔ネズミの襲撃！｜リアクション

寝子小クリスマス会☆　悪魔ネズミの襲撃！

☆プレゼント運びレース

「次はプレゼント運びレースだね」　
　瀬莉はわくわくしながらカナちゃんに話しかけました。
　ペアを組んでレースに出る約束をしていたのです。
「わたしがそりをひくね」　
　相談の結果、瀬莉がそりを引き、カナちゃんに後ろから押してもらうことになりました。
　二人はスタートラインへ向かいます。
　しかし、悪魔ネズミたちはいろいろといたずらを仕掛けていました。

「あんぜーん、かくにーん。あっ、あぶない！」
　みとはコースにはさみが落ちているのを見つけました。
　急いで片付けに向かいます。
　瑠樹も油断なくコース上をチェックしていました。
「あっ、画びょうだぁ！」
　落ちていた画鋲を慌てて拾って片付けていると。
「あれ、これは？」
　床に目を光らせている中、視界に何か光る線が見えて。
　よく見ると細いヒモが、ゴール近くの足元に張ってあります。
　引っかかったら転んでしまうでしょう。
「大変だ、切らなきゃ」
　慌ててそちらへ向かうと、とてとてと、みとがやってきました。
「あぶないから、かたづけなきゃ」
　手にはさみを持っています。
「あっ、それ貸して。オレがヒモ切るよぉ」
「ありがとう。点けん、だいじだね！」
　瑠樹とみとは、他にも罠や変なものを見つけずらしたり解除したり忙しく走り回りました。

「よーい、スタート！」
　ペアは一斉にスタートしました。
　色とりどりのプレゼントの箱を積んだそりを引いて三角コーンの周りをまわって帰ってくるレースです。
「きゃー、崩れる！」
　はしゃぎながら瀬莉はカナちゃんとプレゼントを押さえます。
　箱がそりから落ちると、積み直して出発しなくてはなりません。
（でも順位はべつにどうでもいいな）
　瀬莉は思っています。
　１位から順番にプレゼントを選べますが、参加者が持ちよったプレゼントはどれか一つはもらえることになっています。
　レースそのもの、というよりは仲良しのカナちゃんとはしゃぐのが楽しいのです。
「うわっ、落っこちた！」
　コーンの周りを回る途中で、そりからプレゼントが転がり落ちました。
「急がなきゃ」
　けれど二人は、笑い合いながらプレゼントを積み直し、賑やかに走りだすのでした。
「ゴール！」
　上位ではありませんでしたが、無事プレゼントをもらいました。

　皆がレースに注目する中、悪魔ネズミがわらわらと飛びだしてきていました。
（オレも、クリスマス会普通に楽しみたいのになぁ……）
　瑠樹は、トナカイの角で悪魔ネズミ達をぺしぺしして追い払います。
（悪魔さんの中にもいい人がいるのは知ってるけど、こうやって邪魔してくるのは……好きじゃないねぇ……）
　瑠樹は体育館の隅に、プレゼントを入れていたらしい蓋つきのかごを見つけました。
「これだ！」
（悪魔ネズミ達をかごに閉じ込めて、クリスマスにももう出てこれないくらいろっこん＋進化能力で沢山沢山沢山脱力させてどこかにやってしまいたいねぇ）
　瑠樹のろっこん『ゆるゆる和みと恩恵の輪』は、周囲の精神を著しく和ませ、脱力させる効果があるのです。
　さらに進化能力で特定の対象に効果を集中させることができます。
（できれば命をとりたくはないけど、またクリスマスを邪魔してくる位なら……）
　迷いつつ、駄目元でろっこん＋進化能力を使って悪魔ネズミを脱力させ、かごに放り込みます。

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